日々を楽しむ

いつものつくり方にひと工夫 
見て食べてもっとおいしいお弁当

いつものつくり方にひと工夫 
見て食べてもっとおいしいお弁当

日本の食文化としてなじみ深い「お弁当」。
外へ持って行かずとも、おうちで食べるのも乙なもの。
自由な発想で楽しむお弁当づくりのコツをご紹介します。

2020年09月04日

遠藤 千恵

遠藤 千恵CHIE ENDO

1974年東京都生まれ。料理家。国際線客室乗務員として勤務したのち料理の道へ。都内数店でシェフを務めた後に独立。現在は自然豊かな神奈川にて畑に携わりながら、四季折々のおいしさ、美しさを活かした出張料理、メニュー制作を行っている。

ふたを開けた時に
心躍るようなお弁当

色とりどりのおかずが詰まった王道のお弁当から、キャラ弁、おかず1品でつくる地味弁まで、お弁当にはそれぞれの工夫やこだわりが込められ、つくる人の数だけバリエーションがあります。

「私が普段お弁当をつくらせてもらう時には、見た目にも味にも、季節を感じていただけるよう心がけています。小さな箱庭をつくる、そんな感覚なんです」

そう話すのは、料理家の遠藤千恵さん。雑誌や広告、イベントやパーティなど、さまざまなシーンで料理を手がける中で、遠藤さんがよくつくっているのが「お弁当」です。

そこで今回は、ふたを開けた時に心踊るような、目にも舌にもおいしいプロのお弁当づくりから家庭ですぐに実践できるヒントを教えてもらいます。

「ふたを開けた時に心躍るようなお弁当」のイメージ

おかずは混ざっても
おいしいから仕切りはいらない

お弁当といえば、アルミやシリコンのカップ、ワックスペーパーなどを使って
おかずを「仕切る」ことが多いけれど、「仕切りはなくてOK!」と遠藤さん。

「お弁当には、いろんな味付けや食感のおかずを詰めるようにしています。もちろんおかずひとつひとつもおいしいですが、実はそれらが重なり合い、味が混ざってもおいしいんです。
果物などのデザートとしょっぱいものが混ざるとさすがに……ですが、それ以外は、お醤油味、塩味、ちょっとスパイシー、ケチャップに甘辛など、たいていのおかずは味が多少重なってもおいしいものですよ」(遠藤さん)

「おかずは混ざってもおいしいから仕切りはいらない」のイメージ

ワントーン弁当は
味も見た目もグラデをつくる

そして、彩り豊かなおかずが詰められたお弁当の一方で、茶色一色のお弁当、いわゆる地味弁もよく見かけます。揚げ物や煮物など、やっぱり茶色いおかずはご飯にもよくあうし、見た目は地味でもおいしいもの。

「ワントーンのお弁当をつくる時のポイントは、おかずの色の濃淡を意識して、グラデーションをつくること。色はもちろん、味にも濃淡をつくると、重なり合った部分の味が変化していくつもの味を楽しめます。
今回つくったのは、きんぴら、牛肉のしぐれ煮、切り干し大根煮と干しいたけ煮、どれも王道の常備菜です。ワントーンのお弁当はつくり置きおかずでささっとつくれるのも魅力です」(遠藤さん)

「ワントーン弁当は味も見た目もグラデをつくる」のイメージ

ご飯はもっと自由に詰める

ところで、お弁当をつくる時、無意識にご飯を左右どちらか半分に詰めていませんか?

「ご飯の詰め方をもっと自由に考えると、見た目に変化がつくれますよ。たとえば、斜めにご飯を詰めるとシャープな印象になります。これは、魚など長さのあるおかずを詰めたいときにおすすめ。お弁当箱を横にして、手前半分にご飯を詰めて、残りの細長いスペースにおかずを詰めるのも、変化があってよいですよ」(遠藤さん)

ご飯の詰め方ひとつでお弁当の印象がこんなに変わるなんて! いろんな詰め方を試して、新しいお弁当スタイルを見つけてみるのもよさそうです。

「ご飯はもっと自由に詰める」のイメージ

見た目や食感、詰め方など、いつもとはちょっと違う考え方を取り入れるだけで、ワクワクするお弁当をつくることができそうです。
外に出かけて季節を感じる機会が少ない今年の秋は、ぜひおうちのランチタイムなどで旬の食材を取り入れたお弁当をつくって、外ごはん気分を味わってみてはいかがでしょうか。

※この記事は2018年6月に掲載されたものを編集して再掲しております。プロフィールは初掲載当時のものです。