ワインって難しい・・・?
世の中で広く言われるワインの常識を、ワインのプロが実際に検証!
毎月1つのテーマに絞って連載していきます。

[第9回]

ワインを飲むときの適温は?
温度による味わいの違いを実験!
~赤ワイン編~

2016年02月

ちまたでは「赤ワインは室温で飲むもの」なんて、耳にすることがありますよね。そういえば、飲む時のワインの温度って、味わいに影響するものなのでしょうか?

これまでの実験で、ワインは保管温度の影響をかなり受けることがわかりましたが、今回は赤ワインで「飲むときの適温。温度による味わいの違い」を検証してみたいと思います!
実際に温度を測りながら試してみます!

さて、結果やいかに!?

▼ さっそくやってみた!!

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まずはワイン!次の4種類で試してみました。
 
ワイン1.
フレッシュな果実味で軽めの赤ワイン:
酸化防止剤無添加のおいしいワイン(赤)
 
ワイン2.
華やかな香りで軽めの赤ワイン:
ジョルジュ デュ ブッフ ボジョレー
 
ワイン3.
スパイシーな香りで濃縮した果実味の赤ワイン:
ビニャ マイポ レセルバ ビトラル シラー
 
ワイン4.
力強い味わいの赤ワイン:
ロス ヴァスコス グランドレゼルブ
 
 
 
そして、試す温度は次の4種類。それぞれのワインを4つの小分け容器に移し替えて温度調整を行いました。
 
A:5℃(冷蔵庫の冷蔵室で保管後、そのままグラスに注ぐとこのくらい)
B:10℃(冷蔵庫の野菜室で保管後、そのままグラスに注ぐとこのくらい)
C:15℃(冷蔵庫の野菜室で保管後、室温に30分出した後グラスに注ぐとこのくらい)
D:20℃(秋ごろに常温保管でグラスに注ぐとこのくらい)
※冷蔵庫の冷蔵室は2~3℃程度、野菜室は7~8℃程度、室温は20℃程度を想定しています。
 
 
実験した部屋の室温は22℃、ワインの温度はグラスに注いだ状態で温度計を使用して測りました。
検証の仕方は、4人のメンバーで試飲して、味わいの要素を最高5点で数値化して比較しました。
 
さてさて、同じワインでも温度で味わいは変わるのか??
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▼ ざっくりと結果まとめ!!

今回も実際に実験をやってみると、飲むときのワインの温度によって味わいの違いをかなり感じることができました!
 
さっそく今回の結論は、
★★Cの15℃が一番おいしい!★★
ということに!
 
5℃、10℃の温度では、ワインの渋味と酸味だけが目立ってしまい、逆に20℃の温度だと、アルコール感や樽の香りをかなり強く感じてしまいました。
 
やっぱり飲むときのワインの温度はとても重要ですね!
 
  • 【1.酸化防止剤無添加のおいしいワイン(赤)】
    ★C:15℃がバランス良い!理想は13℃くらい★
    A,Bの低い温度では、いろんな要素を感じにくい印象。
    Cの温度では、果実味や甘味もしっかり感じられるようになって、バランスがかなりよくなる。少しもったりした印象が出てくるので、もう少し低い13℃程度の方が楽しめるかも。
    Dの高い温度では、アルコール感や甘味が前面に出て、かなりもったりした印象。。
  • 【2.ジョルジュ デュ ブッフ ボジョレー】
    ★C:15℃がベスト!★
    A,Bの低い温度では、香りの要素や果実味をほとんど感じられない。渋味も目立っていました。
    Cの温度では、果実味や香りの複雑さが一気に増して、とても華やかな印象に。
    Dの高い温度では、アルコール感が前面に出てきて、かなり単調な印象に。
  • 【3.ビニャ マイポ レセルバ ビトラル シラー】
    ★C:15℃がバランス良い。欲を言えば、17℃くらいがベスト!★
    このワインは、低い温度で一番ネガティブな印象が。Aの温度では少しケモノのような香りや渋味が浮いて感じられました。
    Bの温度ではネガティブな要素はほとんど感じなくなりましたが、まだまだ小ぶりな印象。
    Cの温度では果実味がグッと出てきて、味わいもバランスがよく焦点が合ったような感じでした。ちょっと温度が上がると、肉付き良いボディが楽しめるように。
    Dの高い温度ではやっぱり、アルコール感が突出してしまって、飲みにくい印象。
  • 【4.ロス ヴァスコス グランド レゼルブ】
    ★C:15℃がバランス良い。欲を言えば、17℃くらいがベスト!★
    今回試したワインの中では唯一、どの温度でもそこそこ楽しめる。とはいえ、A,Bの低い温度は少し地味な印象。
    Cの温度では、果実や植物、カカオのような香りがで華やかなに。ちょっとボディがスマートな印象なので、少し温度を上げると肉付きのよいボディで楽しめそう。
    Dの高い温度では、やっぱりアルコール感が強すぎて、焦点が定まらない印象。。
 
ワインごとの変化の仕方など、詳しくは「検証結果をくわしく!」で。
※一部製品における実験であり、テイスターの主観的な感想です。
 

【ワイン1】~フレッシュな果実味で軽めの赤ワイン~
酸化防止剤無添加のおいしいワイン(赤)

【ワインの特徴】  ブランドサイトはこちら 

まろやかな味わいの赤ワインです。ぶどうの柔らかな香りが心地よく、爽やかな後味が楽しめます。

 

【検証結果】

★C:15℃がバランス良い!理想は13℃くらい!★

 

A, B:いろんな要素を感じにくい。渋味やアルコール感を感じにくくて、酸味がしっかり感じられるので、飲みやすい印象ではある。

 

C:果実味や甘味もしっかり感じられるようになって、バランスがかなりよい。少しだけもったりした果実味の印象が出てきたので、もう少し低い13℃程度の方が楽しめるかも。

 

D:酸味が感じにくくなって、逆にアルコール感や甘味を強く感じるようになって、かなりもったりした印象。ちょっと飲み疲れしてしまう。

【ワイン2】~華やかな香りで軽めの赤ワイン~
ジョルジュ デュ ブッフ ボジョレー

【ワインの特徴】  ブランドサイトはこちら 

イチゴなどの赤い果実を思わせる華やかな香りが特徴のワインです。渋味は比較的穏やかで、イキイキとした酸味とフレッシュな果実を楽しむ軽やかなタイプです。

 

【検証結果】

★C:15℃がベスト!★

 

A, B:香りの要素や果実味をほとんど感じとれず、ただすっぱい印象。もともと渋味がそんなに強いワインでもないのに渋味も目立つ。

 

C:果実味や香りの複雑さが一気に増して、とても華やかな印象に。低い温度で目立っていた酸味や渋味もバランスよく感じられるように。

 

D:アルコール感や揮発した酸のような感じが前面に出てきて、いろんな要素を感じにくくなった印象。もったりした果実味で飲み疲れする感じ。

【ワイン3】~スパイシーな香りで濃縮した果実味の赤ワイン~
ビニャ マイポ レセルバ ビトラル シラー

【ワインの特徴】  ブランドサイトはこちら 

熟したプラムやブラックベリーを思わせる香りと、チョコレートやバニラを思わせる味わい。まろやかなタンニンでバランスのとれたワインです。

 

【検証結果】

★C:15℃がバランス良い!欲を言えば、17℃くらいがベスト!★

 

A:かなりネガティブな印象が出てきてしまいました。タンニンの渋さが口の中に残って、ケモノ臭や少し温泉卵のような還元的な香りが感じられました。

 

B:Aの温度で感じたような還元的な香りはほとんど感じられなくなり、ブラックチェリーのような果実や少し黒コショウのようなスパイスの印象が出てきました。ただ、小ぶりな印象。

 

C:果実味に熟した印象が出てきて、スパイスや花、カカオのような香りもグッと出てきて、かなり華やかな印象になりました。もはや低い温度で感じたネガティブな要素は消し去られました。

少し温度が上がって17℃くらいになると、ボディも肉付きよく感じられて、味わいもバランスがよく、焦点が一気に合ったような感じ。

 

D:やっぱり、アルコール感や甘味が突出してしまって、飲みにくい印象。

【ワイン4】~力強い味わいの赤ワイン~
ロス ヴァスコス グランドレゼルブ

【ワインの特徴】  ブランドサイトはこちら 

濃密で熟したカシスなどの果実を思わせる香りが特徴のワインです。南国の太陽を浴びた豊かな果実味と、骨太のタンニンの力強い味わいです。

 

【検証結果】

★C:15℃がバランス良い!欲を言えば、もう少し高い17℃くらいがベスト!★

 

A, B:このワインは、低い温度でも香りの要素や果実味がきちんと感じられました。とはいえ、香りや果実味の中身は、ブルーベリーのような小さい黒系果実やスミレのような花の印象と、少し地味な印象でした。

 

C:黒系果実やスミレのような香りに加えて、杉やハーブのような植物系の香りや、赤系果実の華やかな印象、カカオのような上品な香りを感じられるようになりました。果実味もかなり豊かになって、A,Bの温度で飲んだものより格が上がった印象でした。ただ、まだ少しボディがスマートで物足りない印象なので、ちょっと温度を上げて17℃くらいにして、肉付きのよいボディで飲みたいところ。

 

D:やっぱりアルコール感や樽の香りが強く出すぎて、香りや味わいの焦点が定まらない印象。

編集後記(やってみてわかったこと!!)

【結局のところは??】
今回試した赤ワインでは、どのタイプも15℃前後でおいしく飲める結果に!さらに理想を言うと、ワインのタイプごとの最適な温度は13~17℃の間で異なる結果になりました。10℃以下や20℃以上はどちらも、味わいのバランスが良くない印象でした。一般に室温と言われている温度では少し高すぎるようです。「赤ワインは室温で飲むもの」というのは、日本の気候では当てはまりにくいのかもしれません。
 
【家庭ではどうやって温度調整すればいいの?】
ご家庭ごとに環境も異なりますのであくまで目安ですが、飲みたいタイミングの1時間くらい前に、常温から冷蔵室に入れて冷やしておくと14~15℃くらいになります。料理を作り始める前に冷蔵庫に入れておいて、料理ができるタイミングで冷蔵庫から出すとちょうど良いくらいでしょう。
 
ちなみに今回の実験では、冷蔵庫の野菜室の温度:8℃で保管したものを、室温に1時間程度出した後にグラスに注ぐと15℃くらいになりました。(瓶からグラスに注ぐ際にも温度変化します。今回の実験で使用したグラスでは2℃程度上がりました。)
 
【味わいの傾向は?】
温度が高くなるとともに、味わいの感じ方は↓のような傾向がありました。
 
<果実味>
17℃くらいまではどんどん豊かに感じるように。そこから感じにくくなっていく。
<甘味>
どんどん豊かに感じるように。
<渋味>
しだいに穏やかに感じるように。
<酸味>
徐々にまろやかに感じるように。
<香りの強さ>
どんどんボリュームが増していく。
<香りの複雑さ>
17℃くらいまでは感じられる香りの要素が増えていく。
温度上昇とともに、果実⇒スパイス⇒花や植物⇒樽の順に現れてくる感じ。そこからしだいに香りの要素が減っていく。
<アルコール感>
どんどん強く感じるように。とくに20℃前後で一気に強く感じる。
 
【この次。】
今回は赤ワインので検証してみましたが、白ワインの飲み頃の温度も気になるところ!ご家庭では冷蔵庫でキンキンに冷やして飲んでいる人もいるのでは??次回は白ワインで試してみます!お楽しみに!
 
  • [第44回]2019年04月

    レストランって難しい?決まりごととかマナーはあるの? ~予約から注文まで 初心者編~

[次号予告]

※タイトル、内容が一部変更になることがあります。ご了承ください。

来月は…『レストランって難しい?決まりごととかマナーはあるの? ~注文した後のワインの楽しみ方 初心者編~』です。

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