ワインって難しい・・・?
世の中で広く言われるワインの常識を、ワインのプロが実際に検証!
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  • 実験編「赤ワイン」

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ワインはぶどう品種によってどう違うの??
~赤ワイン編~

2017年05月

前回、白ワインについて品種による違いを検証しましたが、今回は赤ワインについても実験してみたいと思います。
同じチリ産の4種の異なるぶどう品種のワインを比較してみました。
さて、結果やいかに!?

目次
  1. ▼ さっそくやってみた!!
  2. ▼ ざっくりと結果まとめ!!
  3. 【ワイン1】ビニャ マイポ レセルバ ビトラル カベルネ・ソーヴィニヨン 2015
  4. 【ワイン2】ビニャ マイポ レセルバ ビトラル カルメネール 2015
  5. 【ワイン3】ビニャ マイポ レセルバ ビトラル シラー 2015
  6. 【ワイン4】サンタ カロリーナ ピノ・ノワール レセルヴァ 2015

▼ さっそくやってみた!!

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まずはワイン!次の4つのワインで試してみました。
 
ワイン1.
ビニャ マイポ レセルバ ビトラル カベルネ・ソーヴィニヨン 2015
 
ワイン2.
ビニャ マイポ レセルバ ビトラル カルメネール 2015
 
ワイン3.
ビニャ マイポ レセルバ ビトラル シラー 2015
 
ワイン4.
サンタ カロリーナ ピノ・ノワール レセルヴァ 2015
 
使用したグラスは小ぶりのティスティング用のグラスです。
検証の仕方は、4人のメンバーで試飲して、味わいの要素を最高5点で数値化して比較しました。
 
さてさて、ぶどう品種によってどんな違いがあるんでしょうか??
 

▼ ざっくりと結果まとめ!!

いきなり今回のざっくりした結果ですが、
★★カベルネ・ソーヴィニヨン★★
 すべての要素がバランスよく高くて、引き締まった味わいのワイン
★★カルメネール★★
 どっしりした果実味と渋味が特長の、力強い味わいのワイン
★★シラー★★
 スパイシーさを強く感じる、まろやかな味わいのワイン
★★ピノ・ノワール★★
 いろんな香りの要素をもった、軽快な味わいのワイン
 
ということに!
 
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同じチリ産のワインでもぶどう品種によって、けっこう味わいが違う結果になりました。
前回の白ワインの方が品種ごとの違いが大きかった印象でしたが、赤ワインもそれぞれの品種の個性がしっかり感じられました。
これを参考に自分好みの品種を探してみては!?
 
 
 
品種ごとの特徴など、詳しくは「検証結果をくわしく!」で。
※一部製品における実験であり、テイスターの主観的な感想です。

【ワイン1】ビニャ マイポ レセルバ ビトラル カベルネ・ソーヴィニヨン 2015

▶終売しました

この品種の一般的な特徴についてはこちら
 

このワインの味わい:グラスに注いだばかりの時は少し閉じた印象で、香りがあまり感じられなかったけれど、少し空気に触れさせることで、カシスや黒コショウ、ミントや針葉樹のような香りがしっかり感じられるように。味わいは渋味と酸味がともにしっかり感じられて、引き締まった味わい。

バランスよくいろんな要素が感じられる、引き締まった味わいのワイン。

 

このワインの外観:濃い紫色。若くてよく熟した果実の印象がある。

 

【ワイン2】ビニャ マイポ レセルバ ビトラル カルメネール 2015

▶終売しました

この品種の一般的な特徴についてはこちら
 

このワインの味わい:カシスのような黒系の凝縮した果実の香りが感じられて、少しエスプレッソのような乳とコーヒーが入り混じったような香りやクローブのようなスパイスの香りも感じられる。渋味はしっかり感じられるが酸味は穏やかで、どっしりとした力強い味わい。

どっしりした果実味と渋味が特長の、力強い味わいのワイン。

 

このワインの外観:かなり濃い紫色。若くてよく熟した果実の印象がある。

 

【ワイン3】ビニャ マイポ レセルバ ビトラル シラー 2015

▶終売しました

この品種の一般的な特徴についてはこちら
 

このワインの味わい:ブルーベリージャムのような果実の香りが中心ながら、その中に黒コショウのような香りがしっかりと感じられる。また少しベーコンのような肉のニュアンスも感じられる。味わいは渋味や酸味がしっかり感じられるものの、ワイン1と比べると穏やかな印象で、まろやかな口当たり。

黒コショウのようなスパイシーさを強く感じる、まろやかな味わいのワイン。

 

このワインの外観:濃い紫色。若くて熟した果実の印象。

 

【ワイン4】サンタ カロリーナ ピノ・ノワール レセルヴァ 2015

▶終売しました

この品種の一般的な特徴についてはこちら
 

このワインの味わい:さくらんぼのような果実やバラの花のような香りの中に、なめし皮や少しクローブやアニスのようなスパイスのニュアンス、植物の茎のような香りも感じられる。味わいは、今回のワインの中では渋味が一番少ないけれど、酸味が一番しっかりと感じられる。軽やかでなめらかな口当たり。

いろんな香りの要素をもった、酸味豊かで軽やかな味わいのワイン。

 

このワインの外観:少し淡い赤みがかった紫色。少し熟成が入ってきている印象。

 

編集後記(やってみてわかったこと!!)

【結局のところは??】
 
★★カベルネ・ソーヴィニヨン★★
 バランスよくいろんな要素が感じられる、引き締まった味わいのワイン。
 
★★カルメネール★★
 どっしりした果実味と渋味が特長の、力強い味わいのワイン
 
★★シラー★★
 黒コショウのようなスパイシーさを強く感じる、まろやかな味わいのワイン
 
★★ピノ・ノワール★★
 いろんな香りの要素をもった、酸味豊かで軽やかな味わいのワイン
 
同じチリ産の赤ワインでも、ぶどう品種によって違う味わいが感じられました。前回の白ワイン編と比較すると、白ワインの方が違いがわかりやすかった印象でしたが、赤ワインでもしっかり違いが感じられました。前回と今回を参考に、是非好みのぶどう品種を見つけてみてください!
きっとワインがもっと愉しめるようになります。
今回試したワイン以外にもいろんな品種がありますので、気になる方はこちらからチェック!
 
【ピノ・ノワールは少しだけ色が淡いように見えるけれど】
これはピノ・ノワール品種の特徴で、ぶどうの粒自体がカベルネ・ソーヴィニヨン等と比較するとやや大きくて、ワインの色素成分を出してくれる果皮の割合が少ないためです。また、果皮が色づきにくい特徴もあります。ワインの色と渋味はだいたい比例関係にあるので、ピノ・ノワールは渋味も穏やかなことが多いです。
他の品種では、ボジョレー ヌーヴォーの原料品種ガメも色が淡くて渋味が穏やかな特徴があります。
 
【この次。】
ちょっと方向性を変えて、ワインと一緒によく食べられるおつまみ的なものとの相性を検証してみたいと思います。パンやチーズ(チーズとワインの相性はこちら)、ナッツなどは王道ですが、チョコを合わせたりする人もいます。次回はまずパンとの相性を実験してみたいと思います。
パンといってもいろいろなパンがありますが、スーパーやコンビニで買えるもので試してみます。乞うご期待!

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