ワインって難しい・・・?
世の中で広く言われるワインの常識を、ワインのプロが実際に検証!
毎月1つのテーマに絞って連載していきます。

[第4回]

ワインは開けたらその日のうちに飲みきるべき??
~白ワイン編~

2015年09月

ワインって、みんなで飲んでもけっこう残ってしまうことがありますよね。

よく「ワインは開けたらその日に飲みきらなきゃ」 とか、「開けてからも2,3日はおいしく飲めるよ」 とか言われています。でも、それって本当?実際のところ味わいはどう変わっていくの??

前回は赤ワインを試してみましたが、今回は『白ワイン』で栓を抜いてからの【味わいの経時変化】と【保管方法の違いの変化】を実験です!
赤ワインは開けてから1週間経っても楽しめるものがありましたが、さて白ワインはいかに!?

▼ さっそくやってみた!!

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まずはワイン!次の2種類で試してみました。
 
●すっきりした味わいの輸入ワイン:
ロス ヴァスコス ソーヴィニヨン・ブラン
 
●リッチな味わいの輸入ワイン:
ビニャ マイポ ビトラル シャルドネ
 
 
【実験1 ワインの経時変化】
検証の仕方は、4人のメンバーで「開けた当日、翌日、3日後、1週間後、2週間後」に試飲して、味わいの要素を最高5点で数値化、時間変化を追っていきました。なお、毎日少量ずつ飲むシチュエーションを想定して、試飲した各日に100mlずつ減らしていきました。また、スクリューキャップのものはキャップを閉め直して、コルクの栓のものはコルクを差し直して、冷蔵庫で保管しました。
 
さてさて、白ワインはいつごろまでおいしく飲めるものなのか??
 
 
【実験2 ワインの保管方法の違い】
赤ワインと同様に、常温で保管した場合と冷蔵庫で保管した場合の比較実験も行いました。実験を行ったのは、8月中旬~下旬にかけてのまさに真夏。。
 
『冷蔵庫に保管』  冷蔵庫に入れて保管しました。
『常温で保管』  冷蔵庫に入れずに常温で保管してみました。
 
結果やいかに!!

▼ ざっくりと結果まとめ!!

【実験1 ワインの経時変化】
今回も実際に実験をやってみると、ワインの味わいの変化をかなり感じることができました!どうやら白ワインは早めに飲みきった方がよさそうです。
 
さっそく今回のテーマの結論は、
★★ その日のうちに飲みきる必要はない!★★
★★ ただ、おいしく飲めるのは3日まで!! ★★
ということに!
 
今回試した2つのワインは味わいのタイプは違うものの、【味わいの経時変化】と【保管方法の違いの変化】はどちらも同じような傾向でした。
 
経時変化は、3日後まではほとんど変化を感じず、おいしく飲める印象でした!が、1週間後に飲んでみると、味わいが変わってしまったなあ、と感じてしまいました。メンバー全員、1週間以上経ったものは楽しめないという結論です。
 
  • 【実験1 ワインの経時変化】~すっきりした味わいの輸入ワイン~
    ★開けて、3日後まではおいしい★
    基本的に開けてからすべての要素が弱くなっていく傾向で、当日が一番おいしい。ただ、3日後までは気になるレベルではなくておいしく飲める。それが1週間経つと、いろんな要素が弱くなってワインの魅力である香りや酸味が薄まってしまった感じ。2週間後にはさらにいろんな要素が弱くなって、味わいが抜けてしまった印象に。
  • 【実験1 ワインの経時変化】~リッチな味わいの輸入ワイン~
    ★開けて、3日後まではおいしい★
    こちらもほとんど同じ傾向で、基本的にすべての要素が弱くなっていく傾向。若干香りの複雑さと果実味が、開けた当日より翌日の方が良い印象で、当日か翌日が一番おいしい。3日後でもほとんど変わらず、これまで感じなかった香りを感じることも。 これまた、1週間後には香りや酸味が薄い印象に。2週間後もやはり楽しめない感じでした。
 
 
【実験2 ワインの保管方法の違い】
ワインの保管方法の違いは、どちらの保管方法でも3日間後まではほとんど変わらない結果になりました。常温保管の方が少し酸味がぼけて、甘味を強く感じましたが、まだまだおいしく飲める印象でした。常温保管ではすぐに味わいが落ちると思っていたのですが、意外な結果になりました。
ただ、1週間後は一気に味わいが落ちてしまいました。冷蔵保管も味わいが変化したのがわかるレベルでしたが、まだ飲もうと思えば飲めるという感じ。一方、常温保管のものは正直「飲みたくない!」と思ってしまうほどでした。すべての要素が弱々しく、傷んだ印象に。。2週間後にはさらに弱々しくなり、雑味だけが残ってしまった感じでした。
 
ワインにはかわいそうなことをしてしまいました。。
 
  • 【実験2 ワインの保管方法の違い】~すっきりした味わいの輸入ワイン~
    なんと、冷蔵保管と常温保管で3日後までは大きな違いは見られず。常温保管は酸味が少しだけぼやけた感じになって、果実味の印象が変わって感じるものの、冷蔵保管と変わらずおいしく飲めました。ただ、1週間後では、冷蔵保管したものと比較にならないほど、常温保管のものの変化が大きく、傷んだ印象になってしまいました。もはや抜け殻のようです。。
  • 【実験2 ワインの保管方法の違い】~力強いワイン~
    こちらも冷蔵保管と常温保管で3日後までは大きな違いは見られず。常温保管は酸味が少しだけぼやけた感じになって、果実味の印象が変わって感じるものの、冷蔵保管と変わらずおいしく飲めました。1週間後には、常温保管のものがひどく弱々しく、苦味と甘味だけが残ってエグイ印象になってしまいました。

 

味わいの変化の仕方など、詳しくは「検証結果をくわしく!」で。
※一部製品における実験であり、テイスターの主観的な感想です。

【実験1 ワインの経時変化】
~すっきりした味わいの輸入ワイン~
ロス ヴァスコス ソーヴィニヨン・ブラン

【ワインの特長】  ブランドサイトはこちら 

青草や柑橘、青いりんごのような爽快な香りと、キレの良い酸味が特長です。飲み口がすっきりしたワインで、持っている要素も多くないため、開けてからの変化も早そうです。

 

【検証結果】

このワインは開けたてが一番おいしい!日を追うごとにどの要素も減っていく傾向でした。その日のうちに飲みきる必要はないけれど、3日後くらいまでには飲みきった方がよさそうです。

 

  • 『翌日』
    開けたてとほとんど変わらず☆
    グレープフルーツやりんごのようなフレッシュな果実味が印象的。少し苦味を感じるけれど、味わいに厚みを与えてくれている感じでおいしい。
  • 『3日後』
    引き続きほとんど変わらず☆
    酸味がやや落ち着いた感じはあるけれど、フレッシュな果実味は変わらずおいしく飲める。
  • 『1週間後』
    一気に味わいが変化。飲もうと思えば飲めるけれど、
    香りや果実味、酸味が弱くなって、「味が抜けてしまった」印象。魅力的だった柑橘系の印象がかすかに感じられるかな、という印象。イキイキした酸味も弱くなって、しまりがない飲み口。味わいに厚みを与えてくれていた苦味も目立って感じるようになってしまいました。
  • 『2週間後』
    さらにスケールダウン。
    1週間後からはそれほど変化は大きくないけれど、さらに味わいが落ちてしまった感じ。フレッシュな果実味や酸味の印象がかなり薄くなって、甘味と苦味だけが目立って感じてしまうように。

【実験1 ワインの経時変化】
~リッチな味わいの輸入ワイン~
ビニャ マイポ ビトラル シャルドネ

【ワインの特長】  ブランドサイトはこちら 

熟れたりんごや洋ナシのような果実の香りと、ナッツのような香りも感じられる香り豊かな白ワインです。また、爽やかな酸味と飲み口にコクを感じるリッチな味わいです。香りの要素が多いワインなので、開けたてよりもしばらく経った方がいろんな要素が楽しめることもありそうです。

 

【検証結果】

こちらは開けた当日から翌日が一番おいしい!どの要素も基本的に減っていく傾向だけれど、果実味や香りの複雑さは翌日に少し豊かになった印象。3日後まではおいしく飲める。

 

  • 『翌日』
    開けたてとほとんど変わらず。おいしくなったようにも感じる☆
    果実味や香りの複雑さが少し華やかになった印象。熟れた洋ナシや黄桃のような豊かな果実の印象が強くなってきた感じ。
  • 『3日後』
    ほとんど変わらず。ぜんぜんおいしく飲める☆
    やや果実味の印象が穏やかになった感じがあるけれど、これまで果実の印象に隠れていたナッツのような香ばしさをしっかり感じられるようになってきた。まだまだおいしい。
  • 『1週間後』
    見た目も味わいも変化。飲めるには飲めるけれど、
    外観で色あいが変化したことがわかるレベルに。これまでの果実味の印象が弱くなって、少し化学的なゴムのような香りを感じるように。酸味や飲み口のコクも弱く感じて、飲んでいて少し物足りなさを感じる。
  • 『2週間後』
    さらにスケールダウン。
    外観が褐色がかってきて、見た目にもかなり変化した印象。ゴムのような香りの印象が強くなって、酸味や飲み口のコクがさらに弱くなり、相対的に、甘味と苦味を感じやすい印象。

【実験2 ワインの保管方法の違い】
~すっきりした味わいの輸入ワイン~
ロス ヴァスコス ソーヴィニヨン・ブラン

【実験前の予想】すっきりとした味わいのワインで持っている要素も多くないので、保管状態による影響が大きそう。常温保管ではあっという間に傷んでしまうんじゃないか。。

 

【検証結果】

なんと、3日目までは冷蔵も常温も大きな違いは見られず!果実味や香りの要素の内容はやや違うものの、同程度においしく飲めました。1週間後はさすがに違いが出てきました。冷蔵保管は少し「味が抜けてしまった」感じだったのに対して、常温保管は「傷んでしまった」感じでした。冷蔵保管は、悪い印象はないので飲める感じでしたが、常温保管の方は、エグミや雑味が目立ってしまっていて、「これは飲めない」と思ってしまいました。

【実験2 ワインの保管方法の違い】
~リッチな味わいの輸入ワイン~
ビニャ マイポ ビトラル シャルドネ

【実験前の予想】リッチな味わいの白ワインなので、すっきりした味わいの白ワインよりは保管の仕方による影響は少なそう。けれど、さすがに真夏に常温だとすぐに傷んでしまいそう。。

 

【検証結果】

このワインも3日目までは冷蔵も常温も大きな違いは見られず!果実味や香りの要素の内容はやや違うものの、同程度においしく飲めました。1週間後はさすがに違いが出てきました。冷蔵保管は少し「物足りない」感じだったのに対して、常温保管は「傷んでしまった」感じでした。色合いもかなり褐色がかってしまいました。冷蔵保管はまだ飲める感じでしたが、常温保管の方は、ひねた甘味やエグミを感じて、「これは飲めない」と思ってしまいました。

 

編集後記(やってみてわかったこと!!)

【結局のところは??】
「開けてその日のうちに飲みきる必要なし!」
「けれど、2,3日くらいまでに飲みきった方がよさそう」
白ワインは赤ワインと違って、あまり時間を置いても引き出される要素が少なそうです。すぐに飲みきってしまった方がよさそうです。
 
リッチな味わいの白ワインでは、翌日の方が若干良い要素もありましたが、基本的には日を追うごとにどの要素も減少していく傾向でした。
 
 
【赤ワインと少し違う傾向だけれど?】
赤ワインと比較すると、白ワインの方が変化しやすい傾向がありました。これは、グラスの違いの実験でも触れましたが、一般的に赤ワインをつくる際にはぶどうの果皮や種を使うのに対して、白ワインをつくる際には使わないことが影響しているのかも。
ぶどうの果皮や種は、濃い色素成分や渋味、苦味を感じる成分を多く含んでいますが、これが酸化を防いでくれているのかもしれないですね。赤ワインでも、色が薄くて渋味の少ないカジュアルなワインは変化しやすい傾向がありました。
 
 
【味わいはどう変わっていくの?】
今回のワインでは各要素、次のような傾向がありました。揮発性の違いや酸化の仕方などが影響していそうです。
 
<果実味>基本的に減少傾向↓。リッチなワインでは翌日に若干強く感じたけれど、赤ワインのときのように1週間持続したりはしない。
<酸味>量はあまり変わらず→。性質が変わってまろやかに感じる傾向。
<甘味>量はあまり変わらず→。他の要素が弱くなるにつれて、感じやすくなる傾向。
<香りの強さ>基本的に減少傾向↓。
<香りの複雑さ>3日くらいは持続するけれど、基本的に減少傾向↓。
 
 
【白ワインは変化が楽しめないの??】
今回実験したワインでは、日を追うごとによくなることはほとんどなく、できるだけ早く飲んだ方が良さそうな結論になりました。
 
とはいえ、ワインによっても変化の仕方はさまざまになりそうなので、今後もいろんなタイプの白ワインを試してみたいと思います。みなさんも一度、ゆっくり白ワインを味わってみては!?いつも飲んでいるお気に入りのワインの違う顔が楽しめるかもしれません!
 
 
【保管方法について】
今回は実験のために常温保管でも試しましたが、一度開けたら原則冷蔵保管するのがいいと思います。
 
 
【この次。】
前回と今回で、ワインは開けてから良くも悪くもかなり変化するものだと実感しました。きっと酸化や揮発が影響しているんだと思いますが、世の中にはそれを防ぐツールやうんちくをたくさん目にします。次回は、そういったツールでどれくらい変化を抑えられるのか!?実際に試してみます!お楽しみに!!
 
  • [第44回]2019年04月

    レストランって難しい?決まりごととかマナーはあるの? ~予約から注文まで 初心者編~

[次号予告]

※タイトル、内容が一部変更になることがあります。ご了承ください。

来月は…『レストランって難しい?決まりごととかマナーはあるの? ~注文した後のワインの楽しみ方 初心者編~』です。

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