チーズとワイン

毎月連載

チャレンジ!気軽にマリアージュ

カジュアルなワインとカジュアルなチーズの相性を、
担当:柳原が独断で評価します!!

第65回

2020年05月

焼きクロタンのサラダ

チーズの味わい

山羊は春に子供を産むので、4月~5月頃になると、その年の山羊のチーズが出て来ます。山羊のチーズのキメ細かさと爽やかな酸味はこの季節にピッタリで、4月になると、僕はこのサラダが食べたくてウズウズしてきます。山羊のチーズには独特の香りがあります(僕はそれも好き)が、葉野菜の香りとバゲットの香ばしさで、そのあたりが穏やかになって、食べやすくなります。

準備するもの
クロタン1個、バゲットスライス2枚、サラダ用の葉野菜適宜、夏みかん1/2個、塩、胡椒、オリーブオイル各適宜

つくり方
(1)クロタンを上下半分に切り、バゲットの上に載せてトースターで焼き色が少しつくまで焼く
(2)その間に夏みかんの果汁を搾り、塩・胡椒、オリーブオイルと混ぜてドレッシングをつくる。
(3)洗った葉野菜とドレッシングを和え、その上に焼けたチーズを載せる。

焼きクロタンのサラダ

  • 独断!マリアージュおすすめ度
    4.5
    サンタ カロリーナソーヴィニヨン・ブラン レセルヴァ 2019
    味わい
    アロマ
    • グレープフルーツ
    • パッションフルーツ
    • アスパラガス

    軽やかなのに、多層的。複雑さの出る理想的なマリアージュ。

    自社管理畑のぶどうを使用してつくられ、プレミアムワイン専用のワイナリーで生産される、サンタ カロリーナのレセルヴァクラス。ソーヴィニヨン・ブランは、寒流のフンボルト海流が流れるチリの海岸からわずか数Kmの、とても冷涼なD.O.レイダ・ヴァレー産。柑橘を連想させる鮮やかな香りを持つ、キレのある辛口です。
    クロタンサラダと合わせると、ワインの柑橘系の爽やかな風味がさらに強調される感じになりました。生の柑橘をギュッと搾って頬張っているような爽やかさです。かと言って、軽くなるわけではなく、果実の厚みも増しているように感じられ、全体の味わいの力強さも出て来ました。サラダのフレッシュさや、ドレッシングに使った夏みかんの香りもしっかり感じられます。さらにそこに山羊乳チーズの軽やかな酸味が一体化してきて、軽やかで爽やかでありつつ、多層的な味わいが愉しめる、レベルの高いマリアージュになりました。食べる時は一口で沢山のサラダを食べて頂くと、よりこの爽やかを実感出来ると思います。

  • 独断!マリアージュおすすめ度
    4
    ファルケンベルクマドンナ オーガニック 2019
    味わい
    アロマ
    • 白桃
    • 青リンゴ
    • はちみつ

    クロタンの味がドンと前面に出る。山羊好き向けのマリアージュ。

    日本で40年以上愛されるロングセラーブランド「マドンナ」から、オーガニックが新発売。ラインヘッセン地方のミュラー・トゥルガウとシルヴァーナーを使用し、マドンナらしい白桃やハチミツを連想させる香りと、瑞々しい果実味が特長です。通常のマドンナよりも穏やかな甘さで、気軽に色々な料理に合わせて頂けます。
    クロタンサラダと合わせると、ワインの味わいに円みと重さがうまれて来ました。ワイン単体で飲むと、フレッシュでやさしい果実味と、イキイキとした酸味が特長の味わいですが、サラダと合わせると、酸味よりも滑らかさや厚みを感じる味わいになります。サラダの方はというと、葉野菜の清々しさや、パンの香ばしさは奥の方に引っ込んで、クロタンの山羊乳の香りや、乳脂肪のまろやかなコクが強調されるようになりました。山羊乳チーズ好きにはたまらない味の出方だと思います。同じ白ワインながら、初めに試したソーヴィニヨン・ブランと全く異なる結果になるのが、マリアージュの不思議さであり面白さです。

  • 独断!マリアージュおすすめ度
    3
    メゾンカステルロゼ ダンジュ 2018
    味わい
    アロマ
    • さくらんぼ
    • オレンジ
    • キャンディ

    予想もしないスパイシーさ。謎の変化を生むマリアージュ。

    メゾン カステルは、フランスNo.1※ワインメーカーであるカステル社の、社名を冠したブランドです。ロゼ ダンジュはフランス各地の名産地のワインを集めたA.O.C.シリーズの一つ。ロワール地方アンジュ地区のグロロー種からつくられる、フルーティでチャーミングな、ほんのり甘いロゼワインです。
    クロタンサラダと合わせると、ちょっと想像していなかった味わいが出てきました。チャーミングな果実味が特長のこのワインと、爽やかさが特長のクロタンサラダの掛け合わせなのに、口の中に産まれる味わいは、白胡椒やコリアンダーシードに加えて、アーシーなすりおろし生姜を連想させるスパイシーさです。チャーミングな果実味は後からやさしく追いかけてきてそれらを包む感じで、元々のベリー感よりも飴をかけたオレンジのような印象が強くなりました。美味しいか、美味しくないか?と問われると、「まずくはないけど、特別美味しくもない。」という感じなのですが、こういう予期せぬ味の変化は、実際に試してみてみないとわからない面白さです。

    ※フランス企業で2018年売上数量が最大(IWSR2019)

  • 独断!マリアージュおすすめ度
    3_5
    ロバート ヴァイル ジュニアシュペートブルグンダー 2017
    味わい
    アロマ
    • ラズベリー
    • 赤いバラ
    • シナモン

    山羊チーズのキメ細かさが良く伝わる、山羊を活かすマリアージュ。

    サントリーグループのドイツの名門ロバート ヴァイルが、購入ぶどうからつくる新シリーズ。シュペートブルグンダーは、ドイツでのピノ・ノワールの呼び名。ブルグンダーは「ブルゴーニュの」という意味です。ドイツらしい繊細な果実味と、キメの細かい酸味が特長のエレガントな味わいです。
    クロタンサラダと合わせると、ワインのトップの香りに一気に複雑さが出てくるのが感じられました。バラの花、ラズベリー&チェリーのリキュール、鮮やかなルビーグレープフルーツなどを連想させる香りと、繊細な山羊乳のタッチがいい感じで馴染んでいきます。口の中では香りの華やかさと比較するとよりタイトな印象。ワインの細やかな酸味や上品な果実感と、サラダ&山羊チーズの酸味がしっかり強調されて来る感じでした。僕は山羊チーズの魅力は、キメ細かなテクスチュアと余韻の香りにあると思っているのですが、山羊チーズのその点の魅力が最も良く表現されたのは今回の4本の中ではこのワインだったと思います。

チャレンジまとめ

クロタンの正式名称は「クロタン・ド・シャヴィニョル」。この名前の中にあるシャヴィニョルは、フランス ロワール地方でソーヴィニヨン・ブラン種からつくられる有名なAOCワイン「サンセール」を生産する村の一つです。というワケで、このサラダに合わせるワインはサンセールの白が鉄板なのですが、それが合うのはわかりきっていますので、今回は別の4つのワインを合わせています。
結果としては、サンセールと同じ、ソーヴィニヨン・ブランからの白ワインが最も合うという事になりました。山羊乳チーズにはソーヴィニヨン・ブランという一つの勝ちパターンのようなものがある事を改めて確認した気がします。ただ、サンセールを合わせた時には山羊乳チーズの持っている細やかなテクスチュアと、サンセールの土壌から来る白いミネラル感みたいなものがしっかりと余韻で繋がり合う事で、さらに味わいの複雑さを増していたような記憶があります。やっぱり同じソーヴィニヨン・ブランのワインの中でも、クロタンとベストマッチなのはサンセールという事なのかも知れません。
今回はドレッシングにも夏みかん果汁を使うなど、柑橘系を強調する味わいにしており、このあたりもこの結果になった理由かと思います。このサラダの場合、使うヴィネガーはワインヴィネガーでも、バルサミコ酢でも美味しく出来ますので、赤と合わせたいなと思った時は、赤ワインヴィネガーとかバルサミコを使うとより良いかと思います。
繊細なピノ・ノワールと山羊乳チーズの組み合わせは、昔、チーズの専門家の方に「最高に合いますよね。」と言ったら「え?」と真顔で聞き返された事がありますが、個人的には大好きです。

柳原 亮 (やなぎはら りょう)

野菜と穀物(ライ麦パンが好き)、豆腐が主食の草食系。
ヤギ乳製チーズをこよなく愛する、通称ヤギ原。
年間3,000種類超のワインをテイスティングし、お小遣いの総てをワインに投じる徹底したワイン愛好家。

(一社)日本ソムリエ協会認定シニアソムリエ
NPO法人チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナル
第9回(2013年)全国ワインアドバイザー選手権大会準優勝

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