園芸用語辞典/あ行

意外と専門用語が多い園芸用語。ぜひガーデニングライフにお役立てください。

赤玉土(あかだまつち)用土
関東ローム層の黒土の下にある赤土を乾燥させたもの。大・中・小の粒に分けられて販売されています。通気性に優れていますが、有機分をほとんど含んでいないので腐葉土や牛糞などの有機分を1/3程度混ぜて使うのが一般的です。
アブラムシ(あぶらむし)病害虫
発生時期:3~10月
寄生植物:ほとんどの植物
被害症状:新芽や葉裏などに群生し、口針で樹液を吸ってその生育を妨げる。ウィルス病の媒介者でもある
生態:体長1~5mmの卵形で長い口針と触角をもつ。
防除方法:薬剤散布
行燈仕立て(あんどんじたて)植栽
アサガオ、クレマチスなどのつる性植物をらせん状に誘引して、花鉢に仕立てる方法のこと。鉢の周囲に3~4本の支柱を立て、これに竹や針金で作った輪を3~4段水平に固定し、そこにつるを誘引していきます。
育苗(いくびょう)育て方
優良な苗を作るために、生育初期の植物を特別に管理して育てること。花きの多くは育苗を行い、ある程度成長してから本ぽに移植します。育苗の目的は、幼植物を環境条件の変化や病害虫から保護する、不良個体を除去して育成をそろえる、施設やほ場の利用効率を高める、などです。
移植(いしょく)育て方
苗を成長に応じて植えかえること。小さい苗は軟弱ですので、移植する場合は、根を傷めないように注意しなければなりません。
一年草(いちねんそう)植物
タネをまいてから一年のうちに発芽、成長、開花・結実し、結実を終えると世代の役割を果たして枯れてしまう草本植物のこと。春にタネをまき、夏から秋にかけて開花・結実し、冬がくるまでに枯れてしまうものを「春まき一年草」、秋にタネをまき、翌年の春に開花・結実して夏までに枯れてしまうものを「秋まき一年草」といいます。
一季咲き(いっきざき)植物
ある季節に限って花が咲く性質を意味する。これに対して、温度や日長など、一定の環境条件が整えば、季節に関わりなく、1年のうちに何度でも咲く性質を「四季咲き」といいます。その性質を持った種または品種を「四季咲き種」あるいは「四季咲き品種」とあらわします。
陰生植物(いんせいしょくぶつ)植物
日陰(ひかげ)植物ともいい、光の弱い環境でなければ成長ができない植物。ある程度以上の光量では成長が抑制されます。おおよそ戸外の10%未満の日射量でよく成長し、弱光環境下では、葉肉が薄くクロロフィル(葉緑素)含量が高い葉(陰葉)を形成します。
イングリッシュガーデン(いんぐりっしゅがーでん)植栽
イギリスで生まれた庭の形を意味する。整形式花壇、風景式庭園、コテージガーデン、ボーダーガーデンなど、庭にはさまざまなスタイルがあるが、非整形式の自然な庭を指していう場合が多いです。
ウイルスフリー植物(ういるすふりーしょくぶつ)植物
無ウイルス植物、ウイルスに感染していない植物のことを表す。サントリーフラワーズの苗はすべてウイルスフリーを基本に生産されています。一般にウイルスに感染してしまった植物は成育が悪く、葉のモザイク病斑、花弁の斑(ふ)入りなどの症状が現われたりします。種子で伝染するウイルスは少ないですが、球根や挿し木、接ぎ木などによって増殖した植物で特に問題となります。育成されたフリー苗はウイルスに抵抗性があるわけではないので、再び汚染しないようにすることが大切。
ウィンドウボックス(うぃんどうぼっくす)その他
窓の外側に設置された細長い箱型のコンテナ。ヨーロッパではハンギングバスケットなどと組み合わせて飾ることが多くみられます。
植えかえ(うえかえ)育て方
栽培期間が長くなるにしたがい、鉢やプランターいっぱいに根が回ってしまい水や養分を吸収できずに、根腐れをおこすのを避けるために行います。植物の種類によっては、時期が異なるが、多年草は花が終わった頃を目安に、春か秋に行います。根を傷めないように土を少し湿らせた後に鉢から抜き取り、腐った根と3分の1ほどの古い土を落とした後に、鉢の底に少し用土を入れて、株を中央においてから鉢と根の間に新しい用土を詰めていきます。株が大きくなってしまった場合は、ひと回り大きな鉢に植えかえるか、株分けをして植えかえをします。
ウォールバスケット(うぉーるばすけっと)その他
壁掛け式のハンギングバスケットを指す。吊り下げタイプと壁掛けタイプがあります。
ウドンコ病(うどんこびょう)病害虫
発生時期:4~11月
被害症状:ウドンコカビの寄生によって起きる。葉にうどん粉をまいたような白い模様ができ、放っておくと葉や枝の奇形、落葉などの生育障害が起こる
発生しやすい条件:乾燥状態、風通しが悪い、日が当たらないなどの環境、肥料のやり過ぎで樹木が軟弱に育っていると感染しやすい
防除方法:薬剤散布
栄養繁殖(えいようはんしょく)育て方
無性繁殖またはクローン繁殖と同意語。種子を経由せずに、植物体の一部(葉、茎、根など)を用いて無性的に繁殖すること。株分け、挿し木、取り木、接ぎ木、木子、むかごなどによる繁殖法の総称。
腋芽(えきが)植物
わき芽。茎の先端に生じる「頂芽」に対し、葉液に発生する側芽のこと。普通は各葉液に1個ずつ形成されます(単芽)が、ウメなどのように複数形成される種類もあります(複芽)。一般的には頂芽のほうが発育がよく、これを頂芽優勢といいます。
頂芽を取り除くと、腋芽の発育がよくなります。「摘芯」は、この性質を利用した作業で、成育のおう盛な頂芽を早めに摘み取ることで、腋芽の発育をよくし、側枝の発生を促します。
液体肥料(えきたいひりょう)肥料
原液や粉末を水で薄めて施す化成肥料のこと。「液肥」と略称される。施すとすぐに根から吸収され効果を表しますので、最も速効性の肥料といってよく、追肥向きです。ただし、希釈を誤り、濃すぎるものを施すと、根に濃度障害(根焼け)が生じますので、必ず所定の濃度に薄めたものを施すなどの注意が必要です。
エクステリア(えくすてりあ)植栽
建物の内部を指すインテリアに対して、建物の外部を指す言葉。通常は庭というより、建物の外観を引き立てるような門、塀、垣、フェンスおよび植栽植物の一切を指します。インテリアデザインが室内装飾と同義に用いられるのに対して、エクステリアデザインは造園と同義に用いられます。
液肥(えきひ)肥料
液体肥料の略。
壊死(えし)生長
植物の一部が死ぬこと。
枝変わり(えだがわり)生長
植物体の一部に突然変異や染色体数の増減が生じて、そこから伸びた枝の葉、花、果実等に本来のものと異なる形質が生じること。芽条変異(がじょうへんい)とも呼ばれる。この枝を挿し木や接ぎ木繁殖すると、新品種を育成することができます。
枝張り(えだばり)生長
枝が左や右に張り出し、芽数が多く見ごたえのある盆栽の姿を「枝張りがよい」といいます。庭公園樹では枝が左右へ伸びた枝長をいいます。
枝物(えだもの)植物
花店が扱う切り花を大きく3分類して、花物、枝物、葉物としています。農林水産省の統計でも切り花の各種の後に切り枝、切り葉という項目があります。
エディブルフラワー(えでぃぶるふらわー)植物
観賞用の花でありながら、食用に利用される種類の花のこと。食用花。食用花の種類には、カーネーション、プリムラ、バラ、パンジー、デンファレ、その他いわゆるハーブ類の花などがあります。
園芸品種(えんげいひんしゅ)植物
原種を、花色や花つきなどの面から、園芸的に改良した種。一般には園芸種という。
園芸療法(えんげいりょうほう)その他
園芸に携わることや、植物を鑑賞することなどを通して、身体的および精神的な向上をはかること。1798年アメリカの医師が、庭で働くことである精神病患者の症状が軽減されると述べたのが最初の報告例で、特に第二次世界大戦後、アメリカで傷痍(しょうい)軍人のリハビリや職業訓練に、園芸が作業療法として取り入れられてから注目されるようになりました。
置肥(おきひ)肥料
固形の肥料を用土の上に置いて与える肥料のやり方。水で溶け出した肥料成分を少しずつ根に吸収させます。ハンギングバスケットの追肥に有効な方法です。
お礼肥(おれいごえ)肥料
花を観賞したあとや果実を収穫したあとに施す肥料のこと。花や実をつけたあとは株が疲弊しているので、栄養分を補給し、回復をはかり、次の成長に備えます。化成肥料や液体肥料など効き目の早い肥料を用います。
オンシツコナジラミ(おんしつこなじらみ)病害虫
発生時期:4~10月(冬季室内に取込む場合などは一年中発生)
被害症状:葉裏に寄生して樹液を吸うので葉緑素が抜けて白くカスリ状になる。大量に発生すると生育が抑制されるほか排泄物の上にすす病が発生して葉が黒くなる
生態:体長約1.2mmで白色の羽に淡黄色の体色
防除方法:薬剤散布
温周性(おんしゅうせい)生長
植物は、一定の温度環境よりも、周期的に変化する温度環境下に置かれるほうが成長、花芽分化、開花などが速やかに行われるものが多く、これは原産地の気候に適応したものと考えられます。このような温度変化の周期性に対する反応を温周性と呼びます。周期の長さにより、日温周性および年温周性があります。多くの球根類、宿根草、花木等は強い年温周性をもっています。

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