チーズとワイン

気軽にマリアージュ

カジュアルなワインとカジュアルなチーズの相性を
担当 柳原が独断で評価します

バター焼きりんごとベーコンとブルーチーズ

第86回 2022年02月

バター焼きりんごとベーコンとブルーチーズ

チーズの味わい

火を加えて甘くなる酸っぱいりんごに、塩気の効いたベーコンとブルーチーズ。異なるものを組み合わせて出来る旨味の塊の様な1品です。塩気のある素材を使うのでバターは無塩で。

準備するもの
酸っぱいりんご(紅玉など)1個、無塩バター20g、ベーコン(出来ればブロック)100g、ブルーチーズ(今回はブルースティルトンを使用)50g

つくり方
(1)りんごは皮をむき、薄くスライスする。ベーコンは厚めの一口サイズにカットする。ブルーチーズは崩して細かくしておく。
(2)りんごを無塩バターで、少し焼き色がつくまで炒める。ベーコンを加えこんがりと炒める。最後にブルーチーズを加え、余熱で少し溶かす。


よく合うワイン

ファルケンベルグ マドンナ アウスレーゼ 2020

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

白い花 白桃 はちみつ

最初から最後まで美味、双方良しの素晴らしい組み合わせ。

「マドンナ」は日本におけるドイツワインの代表銘柄の一つですが、こちらはその上級品。アウスレーゼ(=房選り収穫)の名前の通り、より完熟したぶどうを使用しています。マドンナならではのフレッシュでピュアな果実味や華やかに広がる白い花を思わせる甘い香りだけでなく、より熟した豊かな果実味や、より深みのある繊細な甘さを持ちます。甘口ワイン=デザート用というイメージもありますが、ドイツらしい爽やかな酸味も併せ持つため、実は食卓でも活躍します。
料理と合わせると、まずはワインのピュアさが際立つ感じがありました。ワイン単体で飲むよりも、料理と合わせた方がワインが軽やかで香りの要素がクッキリと出て来る感じがあります。ワインが良くなるだけでなく、ドイツのワインだけに豚肉との相性も抜群ですし、りんごの風味もワインにもしっかりありますし、さらに甘口とブルーチーズの相性の良さは良く知られているところだけに、料理の味わいもグンと伸びる気がします。さらに、このヘビー級のコッテリ感のある料理の後口をワインの酸が爽やかにしてくれる感じもあります。最初から最後まで美味しい。素晴らしい組み合わせだと思いました。

サンタ ゴールド ディープ レッド ブレンド 2020

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

ブラックチェリー ミックススパイス バニラ

料理のクセをワインが埋める、補完的な組み合わせ。

定番のサンタ バイ サンタ カロリーナから新発売※になる、甘やかで濃厚な、ワンランク上の味わいを表現したシリーズです。何と言っても大きな差は、フレンチ&アメリカンの2種のオーク材をワインに漬け込む「ダブルオーク製法」で実現した、オーク由来のヴァニラやカフェラテを連想させる甘い香り。収量制限したぶどうからの完熟したリッチな果実味も魅力です。ぶどう品種はシラー70%、カベルネ・ソーヴィニヨン20%、マルベック10%のブレンド。
料理と合わせると、ワインの果実のまろやかさや、オーク由来のヴァニラを思わせる甘い風味が、料理を包んでいく感じがありました。塩気も香りも強いベーコンとブルーチーズのシャープさを、ワインが受け止めて全体の味わいバランスを取っている印象です。ブルーチーズの少しクセのある香りや、ベーコンのスモーキーさと、このワインの主要品種である甘いスパイシーさのあるシラーとの相性もかなり良いと思います。料理のクセの凸凹部分をワインが綺麗に埋めて、美味しく感じさせる、補完的なペアリングだなと思いました。しっかりコクが感じられるので満足度が高いです。
※2022年3月15日発売予定の新商品です

バルデュボン クリアンサ 2014

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

ドライプルーン 針葉樹 樽

ここはレストランかと錯覚する、繊細かつ奥行の出る組み合わせ。

バルデュボンは1997年設立の比較的若いワイナリー。1999年からフレシネグループの傘下に入っています。クリアンサ用のぶどうは低収量にコントロールされた樹齢25年以上のぶどうを使用し、高めの温度で長期間の発酵を行った力強い味わい。オーク(フレンチとアメリカン併用)の小樽で12ヶ月熟成させています。長期熟成タイプだけに、2014年ヴィンテージは数年前に試した時はガチガチだったのが、この日はまさに飲み頃の芳醇なブーケを放っていて嬉しくなりました。
料理と合わせると、とても複雑な風味が口の中に広がりました。チェリーリキュール、ビターチョコレート、ヴァニラ、八角、炭、鹿肉の煮込み、なめし皮、ドライフラワーなどを連想させる繊細かつ豊かな香りです。普段の食事ではあまり感じない奥行がありつつも軽やかな味わいの出方で、料理の風味も一体感ありつつ細やかに感じられます。「こういう感覚ってどこかで体験したなあ」と思い出してみると、これはレストランで料理とワインを合わせる時の感覚。こんなに簡単に出来る料理でそれが感じられる事にビックリしました。

サンデマン トウニーポート 20年

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

干しあんず クルミ はちみつ

要素の共通点が良くわかる、コクが倍増する組み合わせ。

マントを羽織った特徴的なキャラクター「ドン」のラベルで知られるポートワインのトップブランドの一つがサンデマン。トウニーポートは、長期の木樽熟成を経る事で赤い色素が褪色して黄褐色(トウニー)になったタイプ。これは中でもスペシャルタイプとして知られる熟成年数表記トウニーの20年ものです。ドライフルーツやハチミツ、クルミなどのナッツを連想させる複雑な香りと、滑らかな口当たり、穏やかなコクは長期熟成のお酒ならではの魅力です。
料理と合わせると、チーズとワインの熟成感を強く感じるようになりました。トウニーポートならではの酸化熟成によるクルミを思わせる風味が、ブルースティルトンの少し刺激的な風味と驚くほどに一体化します。かなり濃厚で塩気も強い料理ですが、強いからこそポートのアルコールの高さ(20%)としっかりとした甘さと見事にマッチしている感じがありました。ベーコンのスモーキーさもアクセントとして全体の複雑さに貢献している感じがあり、甘くて強いワインの味わいをまろやかにするなと思いました。強さと強さのぶつかり合いですが、それゆえに味わいが大きくなる素敵な組み合わせでした。ブルースティルトン×ポートはやはり鉄板の相性です。

チャレンジまとめ

バター、ブルーチーズ、ベーコンと、旨味の塊の様な素材を合わせて(脂肪分と塩分タップリで健康の事は全く考えていない組み合わせですが...)、りんごの力でまとめた1皿です。正直、美味しすぎるくらい美味しい料理で、特にブルーチーズ好きには最高なのですが、どうしても濃厚すぎて重いところはあります。そこを爽やかにしてくれるのがワインの酸味だったり、タンニンだったりで、今回合わせた4つのワインどれも素直に「美味しいな」と思いました。やっぱり料理が美味しいと、全体の満足度も上がりますね!
トップはマドンナのアウスレーゼになりました。ブルーチーズと鉄板の相性を誇る食材にドライフルーツがあります。チーズのパンチの効いた塩気とドライフルーツのコクのある甘さをぶつけ合う対比のペアリングの代表的な成功パターンです。同じ理由で、今回のポートやドイツのアウスレーゼのような甘口のワインはとても良く合うと思います。塩味や旨味の強い食べ物に甘口と言うのは一つの成功する選択肢ですね。甘じょっぱいは好きな人が多い気がします。そもそも甘口ワインが美味しいので、満足度が高いですし。肉とチーズだし赤がいい!という方は、是非バルデュボンのクリアンサを。本当にレストランを思わせるハーモニーを奏でてくれます。

柳原 亮 (やなぎはら りょう)

野菜と穀物(ライ麦パンが好き)、豆腐が主食の草食系。
ヤギ乳製チーズをこよなく愛する、通称ヤギ原。
年間3,000種類超のワインをテイスティングし、お小遣いの総てをワインに投じる徹底したワイン愛好家。

(一社)日本ソムリエ協会認定シニアソムリエ
NPO法人チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナル
第9回(2013年)全国ワインアドバイザー選手権大会準優勝

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