華やかにワインが香り立ちつつ、後口スッキリの組み合わせ。
ワイシリーズはヤルンバのエントリーライン。オーストラリアのリースリングらしいキリっと引き締まった酸味と、クリアな果実味が印象的な1本です。完全なドライスタイル。
マラコフと合わせるとリースリングのフローラルなカモミールを連想させる香りが際立つように思いました。マラコフにもわりとしっかりめにワインが入っていますが、そのワインの香りと呼応して、フワッと香りの膨らみが増す感じです。元々が香り高いワインですが、よりその特徴が引き出されます。口の中ではリースリングのキレのある酸味が後口をすっきりとさせてくれて、次の一口をおいしくしてくれる、ウォッシュアウト効果が強く出る様に思いました。カリカリとしたベースのパンの香ばしさも食を進ませ、マラコフとこのワインの組み合わせは、食事のスターターとして素晴らしいと思いました。
癖がないからこそ良くわかる、お互いの味わいを伸ばす組み合わせ。
辛口シャブリの代名詞シャブリを代表するブランドの一つがウィリアム フェーブル。シャブリのお手本と言える1本です。2022年は暑かったヴィンテージの影響を受けて、しっかりとしたボディ感と厚みのある果実味が印象的。シャブリらしいミネラリーさはきちんと表現しつつ、かつての様な酸っぱいワインではありません。
マラコフと合わせると。ワイン単体で飲むよりもしっかりとワインの果実感を感じるようになりました。チーズのまろやかなコクと、ベースのパンの香ばしさが、近年のシャブリが持つ果実の厚みを引き出してくれる様です。とろけるチーズの食感とキリっと冷えたワインの組み合わせも、チーズフォンデュに通じるピッタリ感。マラコフもシャブリも、基本的には素材の味わいを素直に引き出した癖のないものたちですが、だからこそと言っても良いお互いの味わいを尊重しあいながらも、それぞれの味が伸びていく良さがありました。ついつい、食べ過ぎてしまいそうです。
マラコフのコクをワインがドンと受け止める、甘さ感じる組み合わせ。
黒いボトルとラベルでお馴染みの、世界No.1※カヴァメーカー、フレシネ社の看板商品で、辛口カヴァの代名詞とも言える1本です。コルドン ネグロは「黒いリボン」の意味。シャンパンと同じ本格的な瓶内二次発酵製法でつくられた、しっかりとした辛口の味わいとリーズナブルな価格で、世界の食卓の定番となっています。
マラコフと合わせると、ワインの瓶内二次発酵とそれに続く澱との接触期間(このワインの場合は18ケ月以上)によって生まれるトーストを連想させる香ばしさに、焼栗のような甘いコクが加わるように思いました。しっかりとしたボディ感が感じられ、チーズの持つゆったりとしたまろやかなコクをドンと受け止める感じがあります。全体に口の中が甘いと感じる心地よい組み合わせだと思いました。しかもワインのしっかりとした泡立ちとレモンを思わせる柑橘の爽やかな風味によって後口はさっぱり。揚げ物とスパークリングワインの相性の良さも改めて感じさせてくれるマリアージュでした。
※The IWSR 2021 スペインスパークリングワイン販売数量
ブシャール ペール エ フィス ブルゴーニュ ピノ・ノワール ”ラ・ヴィニエ” 2021
※終売しました
赤系果実が口の中で爆発する、果実広がる組み合わせ。
創業1731年の全ブルゴーニュの中でも老舗中の老舗と言って良い大メゾン、ブシャール ペール エ フィス社。土地の味わいを表現する事に定評があり、「テロワールの確かな指標」とも言われています。キュベ名のラ・ヴィニエはブルゴーニュの昔の言葉で、一人が一日に耕せる畑の広さの単位。畑仕事を重視するブシャールらしい名前の付け方です。
マラコフと合わせるとワインの持つチャーミングなベリー系の赤い果実感が口の中で大きく広がる感じがありました。マラコフの乳脂肪の力によってワインの酸とタンニンがまろやかに包み込まれる様で、その結果として果実の甘さがクローズアップされる感じになります。マラコフの方はどちらかと言うとワインの引き立て役という感じにはなりますが、ワインと馴染みつつ全く引っ掛かりがないその自然な存在感は潔いほどです。マラコフのワインの友としての幅の広さを感じさせてくれる組み合わせでした。