鳥を守る活動は、
人々の未来も明るくする。そう信じて1973年から愛鳥活動を
行ってきた
サントリーは、
その歩みのなかで、
夢をもって懸命に野鳥保護に
取り組む
数多くの素敵な
団体と出会いました。もっとたくさんの
野鳥たちを救うために、
彼らを応援したい。そんな想いを形にしたのが、
公益信託「サントリー世界愛鳥基金」です。
公益信託「サントリー世界愛鳥基金」の助成金が、どのように役に立ち、どのような成果が生まれているかを伺いに、サントリー社員と基金運営委員が現場を訪ねました!
サントリーは、公益信託「サントリー世界愛鳥基金」を通して、国内外の幅広い野鳥保護活動を応援しています。2025年に助成した団体の活動内容をご紹介します。
大型助成を通じて、水辺環境の整備を長期的にサポートします。
ナベヅル・マナヅルの越冬地分散プロジェクト
当協会では全国で野生生物を指標とした生態系ネットワークの推進に取り組んでいます。本助成では、鹿児島県出水市に集中するナベヅル・マナヅルの越冬地分散を目的に、地域団体等と連携し、ツル類の越冬に適した環境の創出や、ツル類の飛来を歓迎する社会環境の整備に取り組みます。
新たな越冬環境づくりに向けた、立体デコイの設置
長崎、佐賀、熊本、徳島の4県にわたる計8地域11カ所で、ツル類の越冬用人工ねぐらの整備やデコイ設置、モニタリングを継続しました。 あわせて、ツルにGPS発信機を装着し、データの公開や目撃情報を共有するウェブサイトを開設し、SNSによる情報発信も実施しました。出水市では、鳥類の専門家や気象予報士、地域の子どもたちが参加するシンポジウムを開催しました。
本州でのトキ野生復帰・定着支援プロジェクト
野鳥保護団体に助成し、
保護活動をバックアップします。
絶滅の恐れのあるサイチョウ類の営巣機会の向上
私たちはアブラヤシプランテーションの旧開発により野生動物の生息環境が激変したボルネオ島北部キナバタンガン川流域で熱帯雨林保護、生物多様性保全の活動を行っています。熱帯雨林で種子散布者として森林再生などに重要な役割を持つサイチョウ類。その営巣環境を改善するために人工巣箱の制作と設置、自然の樹洞の改良と修復をしています。
天然の樹洞に出入りするツノサイチョウ
2025年5月、サバ州キナバタンガン地域においてサイチョウ保全を目的に取り付けた巣箱の確認と調査および新規の巣箱設置を実施し、5種類のサイチョウの来訪が確認できました。既存巣箱のモニタリングと新設作業を通じ、利用実績や課題を確認するとともに、専門家による講義を通じて保全活動の重要性と継続支援の必要性を再認識しました。
希少野鳥繁殖地保全のための普及啓発
モンゴル国内を中心に鳥類をはじめとする動植物の調査研究を請け負っているほか、独自事業として標識調査による長期的な渡り鳥モニタリングも実施しています。ツル類が多く繁殖する一帯を保護区とすることに成功しましたが、過放牧による植生破壊など大きな問題が残っています。地元住民や子供への啓発活動も行っています。
ジオロケータを装着したシマアオジ(オス)
ブータン王国の絶滅危惧鳥シロハラサギの飼育下繁殖技術の確立
ブータン王立自然保護協会は、1987年設立の非政府組織で、シロハラサギ飼育繁殖のための拠点施設であるシロハラサギ保全センターを設置して同種の保全に取り組んでいます。シロハラサギ保全チームは、日本の研究者や獣医師らで構成される任意団体で、2019年から、ブータンのシロハラサギ保全活動を支援しています。
保全センターで飼育されているシロハラサギ
2025年度は、本助成金により日本の鳥類飼育繁殖専門家1名がブータンに派遣されました。これまでの初期育雛のみへの支援から、モデル予測を用いた飼育繁殖全体の計画見直し、個体管理、餌の供給への支援に発展しました。6月に王立自然保護協会との戦略会議を持ち、8月には日本国内で同センター職員2名に対する研修が日本動物園水族館協会等の協力で行われました。
カンムリウミスズメの個体数推定法の確立をめざして
海鳥とその生息域の保全を目的とし「海鳥のベースライン調査の提案・実施」、「国内外の研究者との情報交換〕、および「海鳥に対する啓発活動」を行っています。2011年以来取り組んできた、カンムリウミスズメの個体数推定法は野生生物の予期せぬ行動パターンの変化で、だいぶ苦戦致しましたが、完成も間近です。
巣で抱卵中のカンムリウミスズメ
近年、カンムリウミスズメは、3月中旬に巣立ちを開始する傾向にありますが、その予期せぬ変化のため、個体数推定法完成に向けて2025年も調査を継続実施しました。その結果、本種の個体数推定には、アメリカで用いられている「補正係数」を用いるのは難しく、「夜間の洋上の個体数密度」から求めることが最も妥当であると結論付けられました。
亜種アカモズ人工育雛個体の野外放鳥へ向けた取り組み
当園は、日本在来種(和鳥)を中心とした小型鳥類の飼育や繁殖に長年注力しており、多数の種で飼育下繁殖に成功してきました。この知見と技術を活かして、大学等と共同で亜種アカモズの保全に取り組んでいます。また、ヤマトサンショウウオやアカハライモリの渥美種族などの地域に生息する野生生物の保全活動や調査活動も行っています。
(野生復帰に向けて)馴化訓練中のアカモズ(2025年孵化個体)
放棄卵を用いた人工孵卵・育雛個体の野外への放鳥へ向けて、放鳥場所で利用できる組み立て設置可能な仮設鳥舎を作製しました。これを試験的に園内に設置して今年巣立ったアカモズ複数羽を飼養し、鳥舎内での行動を観察・記録することで、機能面や技術面の問題が無いことを確認しました。次年度以降、今回の設備と知見を活かして、繁殖地での放鳥に取り組みます。
世界自然遺産登録地に生息するアマミヤマシギの保全のための調査・研究(2年目)
奄美野鳥の会は、奄美に生息する野鳥の観察や普及啓蒙を目的として、1988年に創設されました。2003年にNPO法人化してからは、環境省のアマミヤマシギとオオトラツグミの保護増殖事業に参画したり、上野動物園と共にルリカケスの域外保全に取り組み、固有種を中心とした調査研究や保護活動に力を入れています。
捕獲したアマミヤマシギに装着したGPSタグをテスト中
日本鳥類保護連盟と共同で、沖縄島で主に冬季に確認できるアマミヤマシギの繁殖地を探るべく、捕獲しGPSタグを装着して衛星経由で位置情報を取得しています。2025年12月には2羽の捕獲に成功し、位置情報が得られはじめたところです。また、過去に記録のある伊平屋島でも2025年5月と12月に生息確認調査を行いましたが、残念ながらアマミヤマシギは確認できませんでした。
絶滅危惧種アホウドリの保全に資する利用海域の特定
山階鳥類研究所は鳥の研究を専門にしている研究機関です。アホウドリやヤンバルクイナなど絶滅危惧種保全の研究や、鳥の渡りや寿命などを知ることができる鳥類標識調査、海鳥のモニタリングに関わる調査なども実施しています。さらに、鳥学に関する図書や鳥類標本を収集・管理し、多くの研究者の研究活動に供しています。
背中にGPSを装着したセンカクアホウドリ
絶滅危惧種アホウドリは別種ほどに異なる2つの集団からなるため、それぞれの独自性を保つ保全策の検討が急務となっています。本活動目的は、尖閣諸島個体群のセンカクアホウドリの周年の利用海域を明らかにすることです。2025年度は洋上捕獲した3個体に新たに衛星追跡型GPSを装着しました。これまでに利用海域が個体や季節ごとに異なることが明らかとなりました。
コウノトリの国内全繁殖地における繁殖状況調査および新たなコウノトリ保全方針の作成
IPPM-OWSは、コウノトリの飼育・放鳥施設、放鳥地・繁殖地自治体等で構成され、関係省庁と連携して国内のコウノトリの保全(生息域内保全・生息域外保全)に取り組んでいます。ワンプランアプローチにより飼育・野外個体群を一元的に管理し、2025年末の野外個体数が552羽まで増加したことを確認しています。
佐賀県白石町でのヒナへの足環装着
2025年度は、国内の全繁殖地で造巣から巣立ちまでの状況を調査し、14府県56カ所(新規9カ所)で147羽に足環を装着しました。また、2020年策定の「コウノトリ保全方針」の改訂を行ったほか、保全活動に関する普及啓発イベントの開催、野外での事故の発生状況や域内・域外個体群の遺伝的状況の把握、飼育下個体群の管理計画推進などにも取り組みました。
シジュウカラガンの歴史的越冬地・七北田低地への群れの復元とその普及啓発活動
古来より国民に親しまれ、近年急速にその生息地が減少したガンを含むガンカモ類とその生息地の保全・復元,調査研究、啓発普及活動を主目的としています。ガン類の渡来数のモニタリング、希少種のシジュウカラガンとハクガンの羽数回復事業、ふゆみずたんぼによる生息地復元、行政への提言、次世代育成も行なっています。
「蕪栗沼(シジュウカラガンの最大級のねぐら)・周辺水田ラムサール条約湿地登録20周年祭」で活動報告する仙台育英学園高等学校生
現在、シジュウカラガンは15,000羽程度まで増えています。2025年は、仙台育英学園高等学校1年生を対象に、「七北田低地とシジュウカラガン」の講義および化女沼での塒(ねぐら)入り観察会を実施しました。今後、同校で行うワークショップで、この取り組みを活かしていく予定です。また、八木山動物公園で開催されたイベントでも、同校の生徒を支援し、シジュウカラガンの普及活動を行いました。2026年3月には仙台で、「よみがえれシジュウカラガン ふるさと仙台へ!」のシンポジウムを開催する予定です。
コウノトリ繁殖支援活動
ヤマセミの環境保全活動を未来へつなぐ
当団体は、「100年後に生態系の保たれた地域を届けたい」と三段峡を中心に「調べる」「伝える」「つなぐ」の事業を行っています。専門家と鳥類・両生類・植物などを調査し、希少蝶類やヤマセミの保全活動を行っています。また、三段峡を野外博物館と捉え、次世代に活躍する子供達が自然を体験し学ぶ場を提供しています。
人工巣穴に入るヤマセミ
2023年度に設置した人工巣穴に初めてヤマセミが出入りしました。繁殖には至らなかったものの、人工巣穴の有効性が示され大きな成果となりました。放棄した要因を考察し、改良を加えた人工巣穴を新たに1基設置しました。また、モニタリング調査や専門家による河川調査の報告会、活動報告会を開催しました。町内の小学校では製作した紙芝居を用いて普及啓発活動を行いました。
傷病保護個体等のリハビリテーション技術の確立
当園は1951年の開園以来、円山の森に隣接する市民の憩いの場として親しまれてきました。ホッキョクグマやアジアゾウなど動物福祉に配慮した展示に加え、ニホンザリガニや猛禽類など道産動物の飼育繁殖技術や野生復帰技術の確立に取り組んでおり、動物園の立場から生物多様性の保全への貢献を目指しています。
リハビリに備えてノスリの羽の状態を確認
2025年11月に衝突事故で保護されたノスリが、治療を経て当園でリハビリ中です。当初の拒食を乗り越え、現在は順調に回復しています。春の野生復帰時には本助成金で購入した発信機を装着し、放鳥後の行動や狩りの成否を追跡調査します。このデータ収集を通じて、放鳥個体の生存率を高めるリハビリ手法の確立や、猛禽類の保全技術向上に繋げることで、助成事業の成果を社会に還元して参ります。
学校のクラブや自治体、
ボランティア団体などへの支援を行います。
福島潟の観察と野鳥との共生
潟の学校
2025年6月8日、福島潟で環境学習イベント「潟の学校」を開催しました。子どもたちはレンジャーの解説を聞きながら自然観察や創作活動を体験し、潟の魅力を五感で学びました。当日はNHKで全国放送され、参加者の95%以上が「また参加したい」と回答するなど、高い満足度と今後につながる成果を得ました。
白鳥の保護・観察・世話
白鳥と日差し除け
2025年は、傷病白鳥1羽を校内の白鳥小屋で保護し、毎日の餌やり、小屋の掃除、池の水替えなど、お盆やお正月も欠かすことなく行いました。昨今の猛暑による日差しから白鳥を守るため、助成金で白鳥池の日除けネットを設置しました。白鳥がシベリアに帰る2月末頃まで、佐潟に飛来する白鳥の数をカウントするなどの調査活動にも取り組みました。
サシバの里を体験しよう!
里さんぽで雑木林の生きものを観察(9月20日)
社会のお役に立ちたいという志を持つ個人または法人が、一定の公益目的のために財産を銀行に信託します。受託した信託銀行はその財産の管理・運営を行い、定められた公益目的を実現するための活動に役立てます。
※公益事業の執行
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