私たちの身近に暮らしている野鳥は、
カラスやハト、
スズメだけではありません。
実は、もっといろいろな
種類の
野鳥たちが
暮らしています。
まずは“いるかも”と
意識することから
はじめてみましょう。
海のように遠くまで見渡せるところであれば、話はまた別です。
しかし、緑地のように木に囲まれた場所では、まず“聞く”ことが基本になります。
耳を澄まします。鳥の声が聞こえたら、声がする方向を向きます。
その後、目で鳥を探すのですが、その時ちょっとしたコツがあります。
それは、どこか一点に注目しないで、全体を漠然と見ること。
そうすると、視野を広く使えて、鳥の動きに気づきやすくなります。
あ、何か動いた。鳥!今、あそこの枝の方に…。
そんな様子を目でとらえて、鳥がどこかの枝に止まったことが分かったとします。
そこで、双眼鏡の出番ですが、使い方には、やはりコツがあります。
鳥を見たまま顔を動かさずに、双眼鏡を目にあてるようにすること。
双眼鏡をのぞきながら上下左右に動かすのでは、鳥の姿を視界にとらえることが、なかなかできません。
双眼鏡で、くっきり鳥の姿を見るには、あらかじめ視度などを調整しておく必要があります。
左右の視力に差がある場合には個別に調整することをお勧めします。取り扱い説明書等を参考に下準備をしてください。
そして、太陽が双眼鏡の視界に入るのはとても危険です。くれぐれもご注意ください。
いろいろお話しましたが、バードウォッチングを難しく考える必要はありません。
まずは、気軽にはじめてみましょう。
実は、山の奥地に行かなくても、都市部でもたくさんの鳥たちに出会うことができますよ。
まずは、近くの公園でバードウォッチングをしてみましょう。
ぽっかり空が見える場所で
冬に葉っぱを落としてしまう木が多い、明るめの林
林を抜けた、見晴らしの良い広場
冬でも葉っぱをつけたままの木が多い、暗めの林
越冬のために日本にやってくるシロハラ。枯れ葉の裏や地中にいる虫の幼虫やミミズなどを探して、地面を跳び歩きます。
池、湖、川などの水辺の近く
水面にいたかと思うと水中に潜り、また別の場所に浮かび上がり、また潜る。水の底にいるタニシや二枚貝などの餌を探すための行動です。
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その日出会った鳥を、2・3種類覚えるようにしてください。 一度に全て覚える必要はありませんよ。
かわいいとか、かっこいいとか、きれいとか、理由は何でもかまいません。
印象に残った鳥のことを、2つ、3つ、覚えておけば、次のバードウォッチングに行った時に、
覚えておいた鳥とは違う鳥のことも分かるはずです。
そこでまたいくつかの鳥を覚える。そうやって、少しずつ覚えていきましょう。
わからない鳥がいたら「日本の鳥百科」の特徴や鳴き声検索を使って探してみてください。
最後に、公園でも、河原でも、海岸でも、
どこか訪ねやすいところをひとつ、マイ・フィールドにしておくことをお勧めしたいと思います。
同じ場所に通い続けていると、
季節ごとの違いや年月が経つことによる変化なども分かるようになっていきます。
鳥の名前を覚えやすくなるだけではありません。
鳥を見ること、見続けることで、鳥のことに限らない、いろいろな気づきや発見が、きっとあります。
身近なところにも、思いの外、いろいろな鳥たちの姿があります。
あなたにも、鳥たちとのすてきな出会いがありますように。
ちょっとしたコツを知っておけば、鳥を見つけることは難しくありません。まず、はじめてみることです。