チーズとワイン

気軽にマリアージュ

カジュアルなワインとカジュアルなチーズの相性を
担当 柳原が独断で評価します

チーズせんべい

第40回 2018年04月

チーズせんべい

チーズの味わい

本当に簡単に出来るチーズのおつまみです。カリカリの食感と焦げたチーズの香ばしい香りがたまりません。ハーブやスパイスを載せても美味しいです。

準備するもの
とけるチーズ(ここではスライスタイプを使用)
クッキングシート

つくり方
クッキングシートにとけるチーズを載せ、電子レンジで600Wで1分30秒加熱※する。チーズから出てきた脂が落ち着くまで待つ。

※加熱時間は機種によっても異なるので、はじめのうちは様子を見ながらつくってみて下さい。2~3回やればコツがつかめて、カリカリ度合いも自由自在になります。


よく合うワイン

ワインの特徴を強化する、ゆったりまろやかなマリアージュ。

サンタの新商品。完熟したシャルドネを主に使用した、ふくらみやコクのある味わいが特長です。そこにソーヴィニヨン・ブランをブレンドする事で、後口の爽やかさを出しています。
チーズせんべいと合わせてみると、ワインのまろやかさや果実のボリュームが強く感じられるようになりました。ワインのトロリとした粘性が広がって口の中全体がゆったりとした滑らかさに包まれます。
チーズの香ばしさや乳脂肪の甘さもワインに引っ張られるように前に出てきて、お互いの良い部分がよく見える組み合わせだと思いました。余韻にもワインとチーズ両方の旨味が心地よく残って、後を引く味わいです。気軽にリッチさを愉しめるいい組み合わせだと思います。

レゾルム ド カンブラス
ロゼ サンソー/シラー 2017

フランス
レゾルム ド カンブラスロゼ サンソー/シラー 2017

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

さくらんぼ ラズベリー 白胡椒

辛口ロゼの良さを感じる、ほんのりホロ苦いマリアージュ。

レ ゾルム ド カンブラスは、南仏のフルーティな魅力たっぷりの辛口ロゼワイン。
世界約40ヶ国、約4,000種のワインがエントリーする国際コンクール、チャレンジ インターナショナル デュ ヴァンで金賞を受賞した実力派です。
チーズせんべいと合わせてみると、ワインのドライさが引き立つ感じになりました。ワイン単体の時よりも、ワインの酸味や苦味が前に出てきて、シャープな印象になります。果実のフレッシュさが際立つとも言えると思います。
チーズの方は乳の旨味と香ばしい感じがしっかりと出てきました。
僕は個人的に辛口のロゼの美味しさにはホロ苦さがとても重要だと考えていますので、この合い方は結構好きでした。天気の良い昼下がりに、チーズせんべいをつまみながら、チビチビとこのワインを飲むと最高でしょう。

ワインのぶどう感が強く出て来るマリアージュ。

デリカメゾンのスパークリングワインが新登場です。日常的に気軽に愉しめる、やや辛口であまり渋くないタイプの赤ワインです。持ち運びに便利で再栓も可能な280mlのボトル缶に詰まっています。しっかり冷やしてお飲み下さい。
チーズせんべいと合わせると、ワインのぶどう感が強く前に出てきました。改めてなのですが、「ワインってぶどうからつくられてるんだよなー。」と納得する感じです。何を当たり前のことをと思われるかもしれないですが、実はワインはぶどうを原料とするお酒ながら、ぶどうの香りがほぼしないお酒ですので、ぶどうを感じるというのは珍しい事なんですね。味わいはチーズの乳脂肪の甘さが強く出て、ゆったりまったりという感じになりました。スナック菓子にぶどうジュースを合わせるような感覚に近いと思います。

カルロ ロッシ レッド

独断!マリアージュおすすめ度

味わい

アロマ

ブラックベリー ナツメグ 干しあんず

ワイン・チーズの双方に複雑さとまとまりが生まれる、良いマリアージュ。

長らく皆様に愛されているカルロ ロッシが味わい新たにリニューアルしました。収穫後90分以内圧搾による「もぎたてのコク旨」な味わいです。
チーズせんべいと合わせると、ワインの良く熟した甘い果実味が強く感じられるようになりました。元々かなりジューシーに感じる果実感タップリのワインですが、さらにそれが強調される感じです。それに加えて、ワインの味わいに単体で飲んだ時には感じなかった、鰹節やビーフジャーキー、夕張メロン、プラムなどを思わせるニュアンスが出てきて、より複雑に美味しさを感じるようになりました。チーズの味わいにも広がりが出て、優しいまとまり感が生まれるいい組み合わせだと思いました。

チャレンジまとめ

チーズせんべいは電子レンジとクッキングシートさえあれば、失敗の可能性もほとんど無く1分少々で出来てしまうおつまみで、とても優秀だと思いました。今回使ったチーズも、どのスーパーでも売っている国産メーカーさんの7枚入りのとろけるスライスチーズです。これで十分美味ですが、シュレッドチーズやパルメザンチーズなどでも美味しいです。そして、このように簡単に出来るおつまみに合うのは気軽なワイン。サンタやカルロ ロッシなど、身近で手に入るワインとシンプルに愉しむといいですね。
相性の良さにもう一つ影響を与えたのが、チーズの加熱具合でした。しっかり加熱して褐色かつパリパリになったものは香ばしさが強く出て、ワインの味わいに旨味感やホロ苦さが見られるようになり、あまり加熱しなくて黄色っぽい感じのものはワインのフルーティーさが強く出てきます。食べるものによってワインの味わいが変化するという、マリアージュの不思議をとても簡単に体感出来る例なので、試していただくと面白いと思います。

柳原 亮 (やなぎはら りょう)

野菜と穀物(ライ麦パンが好き)、豆腐が主食の草食系。
ヤギ乳製チーズをこよなく愛する、通称ヤギ原。
年間3,000種類超のワインをテイスティングし、お小遣いの総てをワインに投じる徹底したワイン愛好家。

(一社)日本ソムリエ協会認定シニアソムリエ
NPO法人チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナル
第9回(2013年)全国ワインアドバイザー選手権大会準優勝

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