ワインって難しい・・・?
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レストランって難しい?決まりごととかマナーはあるの?
~注文した後のワインの楽しみ方 初心者編~

2019年05月

「レストランって敷居が高くて、守らないといけない決まりごとやマナーが多そう・・・。」というイメージを持っている人も多いのでは?
前回は、あまり高級なレストランを利用したことがない方向けに、事前の予約からお店でワインを注文するまでのアドバイスをまとめましたが、今回は注文した後の楽しみ方(ワインっぽくいうと嗜み方)のアドバイスをお届けします!

目次
  1. まずは、注文したワインを味見
  2. いよいよ乾杯
  3. ワインを楽しむポイント

まずは、注文したワインを味見

【おさえるポイント!】

 

①試飲

レストランでワインを注文すると、店員さんがワインを開けてくれた後、味わいに問題がないか少量だけ試飲して確認してくれます。その後、注文した人(ホスト)にも確認を求められます。これはあくまで、ワインに不良がないかを確認するためのものです。イメージしていた味わいと違うからといって、他のワインに変えてもらえるわけではありませんのでご注意ください。ワインの不良の代表例としては、明らかにカビのような臭いがする「ブショネ」というものがありますが、こういった香りと感じた場合は店員さんに確認しましょう。

「ブショネ」について詳しくはこちら

「コルク臭について」をご覧ください。

 

②デキャンタ

若いワインやスクリューキャップのワインの場合、開けてしばらくの間は少し香りを弱く感じたり、渋味や酸味を強く感じる場合があります。この場合は、デキャンタという作業でワインを空気に触れさせることで香りが華やかになったり、渋味や酸味をまろやかに感じられるようになることがあります。

また、古いワインの場合、オリとよばれるものがワインの中に発生していることがあります。飲んでも身体には問題はないのですが、口当たりや味わいに影響することがあります。デキャンタでこのオリを除くことができます。

どちらの場合も店員さんが提案してくれることが多いですが、気になる人は店員さんに相談してみるとよいと思います。

デキャンタによる味わいの変化についてはこちら

 

いよいよ乾杯

【おさえるポイント!】

 

①ワインを注いでもらう

基本的に店員さんに注いでもらいます(乾杯用も2杯目以降も)。店員さんもその前提ですので任せましょう。注いでもらう際は、ビールのようにグラスを持ってかまえるのではなく、テーブルにグラスを置いたまま注いでもらいましょう。

 

②グラスの持ち方

細い脚のところか、ボウルの部分を持ちましょう。あまりワイングラスに慣れていない方はボウルの部分を持った方がしっかりと安定して持てると思います。ワインを昔から飲んでいるヨーロッパの国々でも、ボウル部分を持っている人が多いようです。

ボウルの部分だとワインの温度が上がってしまう、という人もいるけれど、そこまで気にすることはないと思います。

 

③乾杯の仕方

ビールやハイボール等で乾杯するときは、近くの人とジョッキをぶつけたりしますが、ワインはグラスが繊細で欠けたり割れたりしやすいものもありますのでやめましょう。レストランでやると店員さんに嫌な顔をされることもあります。また、大きな声で「乾杯!」と言うのもあまり好ましくありません。「グラスをぶつけない」「大きな発声しない」ということだけ抑えれば、あとは特に決まりはありません。

よくされる乾杯の仕方は、グラスの脚の部分を持って、自分の顔あたりの高さまで上げて「乾杯」と発声することが多いです。

ワインを楽しむポイント

【おさえるポイント!】

 

①香りを楽しむ

ワインは、香りが特徴的で個性の違いがわかりやすいので、どんな香りがするかをとくに意識すると楽しめます。あとは、色や味わい(酸味や甘味、渋味など)も意識するともっと楽しめます。

 

②飲みすぎには注意

ワインはアルコール度数が低いものでも10%以上あることがほとんどで、高いものでは15%程度もあります。ビールやハイボールの2~3倍もあります。アルコール飲料全般に言えることですが、ゆっくりと楽しむこと、飲みすぎないこと、を意識しておいた方が懸命です。

 

③料理と楽しむ

ワインは食べ物と合わせて飲むとまったく感じ方が変わるので、いろんな食材を意識しながら合わせて味わってみると、もっと楽しめると思います。

ワインと料理の合わせ方のポイントはこちら

 

④無理してグラスをまわさない

ときどきワイングラスをくるくるとまわしてワインを飲んでいる方がいますが、慣れない人はこぼす可能性もあるのでやめておきましょう。グラスをまわすことでワインの香りが引き出されたり、少し空気に触れさせることで味わいがまろやかになるという効果もありますが、まわしすぎると逆においしくなくなることもあります。

グラスをまわすことでの味わいの変化についてはこちら

編集後記

前回に引き続き、高級レストランでのワインの楽しみ方のアドバイスをまとめましたが、文章だけではなかなかイメージがわきにくいと思います。前回もお伝えしましたが、悩んだときは予約の段階でも、レストランを利用している最中でも、店員さんに聞いてみましょう。きっと優しく教えてくれます。

 

【この次】

前回と今回は、あまりワインに詳しくない方向けのレストランでのアドバイスをお届けしました。次回は、少しワインの知識がある方向けにワインを注文する際のアドバイスをお届けします。いくつかのワインを飲む場合の美味しく愉しむ順番や、ワインのタイプごとのおすすめシーンなどをお伝えしたいと思います!

 

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