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サントリーグループのサステナビリティ

Our Focus Areas 人的資本

背景(Context)

「人本主義」と成長の源泉

サントリーグループは、1899年の創業以来、「人」こそが最も重要な経営基盤であるという「人本(じんぽん)主義」という考え方を大切にしています。

サントリーグループの成長の源泉は、いつの時代も「人」です。「人財は原酒と一緒や。短期で決めつけたらあかん。長い目で見てやらなあかん。」 この二代目社長・佐治敬三の言葉にも表れるように、サントリーグループでは 人財育成を中長期的な視点でとらえてきました。一人ひとりが「やってみなはれ」精神のもと、自身のキャリアを主体的に考えられるよう、学び続けられる機会や多様な経験の機会を提供しています。

パーパスの実現に向けた人・組織の最大化

サントリーグループは、「人と自然と響きあい、豊かな生活文化を創造し、『人間の生命(いのち)の輝き』をめざす。」というパーパスを掲げています。

パーパス実現のためには、「一人ひとりが個性と能力を最大限に活かし、失敗を恐れず挑戦し続けること」が大切です。そのために、ONE SUNTORY One Familyとしての一体感醸成と、自分らしくイキイキと挑戦し続けられる環境整備を進め、「やってみなはれ」を発揮できる組織づくりを行っています。

ガバナンス

サントリーグループでは、人的資本に関する戦略および各種施策が企業の持続的な成長に確実に寄与するよう、経営のトップレベルから現場に至るまで、実効性の高い強固なガバナンス体制を構築しています。
グループ全体の経営および各事業の状況に応じた人事戦略の検討・実行を図るため、代表取締役社長を委員長とする「人事委員会」を設置し、重要人事および人事制度改定について審議しています。グループ全体の人事戦略の立案・推進および人事関連活動の統括を担う人財戦略本部が中心となり、国内外の主要グループ会社の人事部門責任者と定期的に意見交換および情報共有をする場を設け、グループ全体で人事戦略を着実に推進・実行できる体制を整えています。
また、タレントマネジメント、人財育成・キャリア開発、エンゲージメント向上に向けた施策の立案実施、人権問題への対応、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DEI)および健康経営に関する方針・戦略の立案実施など、さまざまな取り組みにおいて、国内外のグループ各社と情報を共有し、議論・連携できる体制を構築しています。

戦略とリスク管理

サントリーグループの人的資本への取り組みは、「経営戦略と連動した人財戦略方針」と、「事業活動における潜在的リスクへの適切な対応」の両面から進めています。

人財戦略方針

サントリーグループは、社員の「多彩な個」の力を磨き、ONE SUNTORY One Familyの総合力で新たな価値を創造し続ける「やってみなはれ」集団を目指しています。
そのために、すべての社員が失敗を恐れず挑戦し続ける組織づくりと、「多彩な個」の成長支援とグループの総合力発揮に繋げる人財育成に力を入れています。人財育成では、一人ひとりが自身のキャリアを主体的に考えられるよう、学び続けられる機会や多様な経験の機会を提供しています。また、「経営戦略をリードする人財」も計画的に育成しています。

人的リスク管理の徹底と公平な処遇

一方で、イノベーションと価値創造を妨げる要因を未然に防ぐため、人財流出や健康阻害などの人的リスクを把握・管理し、必要なサポートを行うことで、事業継続の基盤を強固にしています。さらに、自社の従業員にとどまらず、生産現場や物流などの最前線を担う協力会社の皆さまを含め、事業活動に関わるすべての人々の安全と健康に配慮しています。これらの安全と健康を確保することは、事業継続リスクを低減し、サプライチェーンの強靭性を保つ上で欠かせない前提条件です。
各国の法令を遵守することはもちろん、従業員が安心して働けるよう、適正な労働条件・報酬の確保にも努めています。
こうした適正かつ公平な労働環境の整備は、サントリーグループの人権デュー・ディリジェンスにおける重要な予防・是正の仕組みと密接に連動しており、社会的責任を果たす上でも重要な柱となっています。

詳細は「人権デュー・ディリジェンスの取り組み」をご覧ください。

指標と目標

サントリーホールディングス(株)とサントリービバレッジ&フード(株)は、人的資本が創出する価値について客観的な評価を得るため、25年12月に人的資本開示の国際ガイドラインである「ISO 30414」の認証を取得しました。

人的資本情報開示の国際ガイドライン「ISO 30414」認証を取得

さらに、人的資本による価値創造の進捗を可視化するため、以下の重要指標を設定し、その進捗を継続的に管理しています。
なお、サントリーグループは、グループ各社がそれぞれ独自に人事制度を整備・管理していること、特に海外グループ各社においては各国の法規制・慣習を含む地域の特性および事業形態・事業規模なども異なることから、当社グループに属するすべての会社では人的資本管理関連指標のデータ管理を行っていません。

指標 目標 2025年実績 対象範囲
人財育成方針 当社グループで自分自身のキャリアを築いていくさまざまなチャンスの機会についての好意的回答割合 2030年目標
80%
71% ※1
当社グループの企業理念の意味合いの理解についての好意的回答割合 2030年目標
95%
89%
社内環境整備方針 DEI推進 女性管理職比率 2030年目標
30%
13.0% ※2
男性育休取得率 2025年目標
100%
108.2%
健康経営の推進 再検査・精密検査受診率 2030年目標
100%
92.1% ※4
プレゼンティーイズム※3 2030年目標
90%
78.3%
従業員エンゲージメント 当社グループで働く誇りについての好意的回答割合 2030年目標
90%
87% ※4
  • ※1サントリーホールディングス(株)およびサントリービバレッジ&フード(株)の雇用する従業員(一部の海外グループ会社への出向者などを除く)が対象
  • ※2サントリーホールディングス(株)およびサントリービバレッジ&フード(株)の正規雇用従業員(両社から他社への出向者を含み、他社から両社への出向者を除く)が対象
  • ※3病気やケガがない時を100%とした場合の仕事の生産性 4週間の平均
  • ※4サントリーホールディングス(株)、サントリービバレッジ&フード(株)、サントリーフーズ(株)、サントリープロダクツ(株)、サントリー(株)、サントリーウエルネス(株)、サントリービジネスシステム(株)、サントリーグローバルイノベーションセンター(株)の雇用する従業員(一部の海外グループ会社への出向者などを除く)が対象

人的資本を構成する各施策の詳細な活動内容や、拠点別・属性別のデータについては人的資本レポートPDFを新しいタブまたはアプリケーションで開きます。をご参照ください

取り組み

サントリーグループでは、「人本主義」の考えのもと、従業員一人ひとりが持てる力を最大限に発揮し、「やってみなはれ」の精神で挑戦し続けられるよう、以下の重点テーマに沿って人的資本への投資と環境整備を推進しています。

人財育成

人財育成を「中長期的な視点」で捉え、性別や国籍、年齢などにかかわらず、すべての従業員が「自らの旗を立て、挑戦し、やりぬくことができる強い個」(=キャリアオーナー)になることが、競争力のある強い組織・会社づくりに繋がるという考えのもと、さまざまな取り組みで個人の成長を支援しています。

企業理念の浸透と学び続ける機会の提供

サントリーグループは人が育つための、日常の学びの仕組み・学びの風土づくりを強化するため、2015年4月に企業内大学「サントリー大学」を開校しました。「サントリー大学」は、「サントリアン一人ひとりの可能性を引き出す」「サントリーの文化と企業理念の醸成」「事業を成功に導くリーダーの育成」という3つの柱を軸に、当社グループに属する従業員にさまざまなプログラムを開発、提供しています。

「企業理念の浸透」「グローバル経営人財の育成強化」に向けたプログラム Beyond Borders / Global Leadership Development Program / 次世代経営者研修 / グローバルチャレンジ / トレーニー制度 / COMPASS – Suntory Leadership Fundamentals Programなど、国境を越えた真の“Global One Suntory”を実現し、事業の枠を超えてサントリーグループ全体を牽引するリーダーを育成することを目的としたプログラムの数々を実施
学習プラットフォーム
  • 「My SU(My Suntory University)」国内外の当社グループの従業員がいつでもどこでも自発的かつ効果的に学習できる環境を整備
  • 「寺子屋」国内グループ会社従業員を対象に、業務に関することから一般教養までさまざまな内容で、講義を受講したり、自らが講師として講義を行ったりする、「学ぶ」「つながる」「教えあう」をコンセプトとした環境を整備

キャリアを考え続けるための機会の提供

従業員一人ひとりがキャリアオーナーシップを持ち、自身のキャリアを考え挑戦し続けられるよう、キャリアビジョン面談を中心に据えた多様な施策を通じて支援しています。

キャリアビジョン面談 従業員一人ひとりが自身の成長にむけ、上司とキャリアについて考える機会として年に1度キャリアビジョン面談を実施
上司との双方向のコミュニケーションにより中長期視点を持ったキャリアビジョンを作成。育成・配置に繋げる、従業員・上司・人事部門三位一体の取り組みを推進
部署紹介フォーラムBUSHOFO 異なる部署の業務への知識を広げ、自身のキャリアを考えるきっかけ作りとして、キャリアビジョン面談や社内公募の時期に合わせ、従業員同士が自部署を紹介する合同説明会「部署紹介フォーラム BUSHOFO」を開催
キャリアオーナーシップキャラバン 従業員が自らのキャリアを考え続けられるよう、従業員本人だけでなく上司を含めたサポートを行うべく、人事担当者が約1カ月拠点に滞在し、集合セミナーや個人面談などを複層的に実施

多様な経験や挑戦をし続ける機会の提供

サントリーグループは、清涼飲料・スピリッツ・ビール類・ワイン・健康食品・外食・花など、さまざまな分野に事業を展開しています。また、日本から世界へフィールドを拡げ、米州・欧州・アジア・オセアニアにおいて、メーカーとして幅広いバリューチェーン・機能を有しています。このような幅広いフィールドで従業員一人ひとりが多様な経験を通して、挑戦・成長し続けられる機会を提供できるよう努めています。

全部門育成会議/
Talent Review
各社・各部門・各組織において年間を通じて育成会議/Talent Reviewを実施。複数・多様な視点で一人ひとりの今後のキャリアの方向性・育成ポイントについて議論を重ね、個人・組織の成長を支援
戦略的
ローテーション加速
事業・リージョン・職種を跨いだ戦略的ローテーション加速により、多様なキャリアの拡大を促進。組織の活性化や事業間のシナジーの創出

以上の人財育成方針を各現場で浸透・実行できるよう、サントリーグループでは、サントリーリーダーシップ考動項目(Suntory Leadership Spirit)(SLS)を設定し、リーダー層に求められる考動をグローバル共通で明確化しています。
SLSは、「やってみなはれ」「お客様志向 現場発想」「組織の壁を乗り越える」「中長期視点も踏まえた、機敏な判断・考動」「人を育てる 自らも育つ」の5項目からなり、サントリーグループならではのバリューやユニークネスを生み出すリーダーシップの基盤となっています。
とりわけ「人を育てる 自らも育つ」という項目では、中長期視点で部下の育成計画を定め、成長を積極的に支援すること、マネジャー自らの成長を常に意識し、不断の努力を行うことを求めています。

DEI推進

当社グループは、グループ共通の「DEIビジョン」に基づき、性別、国籍、年齢などにとらわれることなく、一人ひとりが持つ経験や観点によって互いに刺激し合い、学び合い、融合することで、成長の原動力とすることを目指しています。多様な個性や視点、強みをチームとして活かし、新たな価値を創造し続けることで、お客様へより良い製品・サービスを提供できるように努めています。

主な取り組み

女性の登用・活躍推進 ストレッチ機会提供による意識・考動変革、ライフイベントとの両立にむけた制度・環境整備、グローバルでの啓発活動、部門ごとの状況・課題に応じた目標設定とサクセッション・パイプライン形成
男性育休推進
  • 5日間の有給育休制度の活用(ウェルカム・ベビー・ケア・リーブ)、男性従業員の第一子が出生した際のwelcome babyセミナーへの参加必須化
  • 子女の誕生を控える従業員は性別にかかわらず「仕事と育児の両立計画書」を作成し、両立に向けた計画を早めに立てるプロセスを導入することで、育休を取得しやすい環境の整備
  • 出生時の育児休職期間中の就業の条件付き認可
LGBTQ+に関する活動の展開 同性パートナーを配偶者に加えるなどの制度改定、相談窓口設置、グローバルでの啓発活動、東京・九州のレインボープライドへスポンサーとして協賛し体験を通じた理解促進を推進
障がい者の活躍推進 職域を限定しない採用活動、「コラボレイティブセンター」の活躍とコラボる体験(コラボレイティブセンターのメンバーの仕事を学ぶ体験)を通じたインクルーシブな風土の醸成、面談などの従業員へのサポート施策
  • コラボレイティブセンターとは、特別支援学校などを卒業した知的障がいのある社員が全国のサントリーグループ各社から多岐に渡る業務を受託し、さまざまな事業に貢献する組織。
シニア層の多様な働き方支援 制度改定、キャリアワークショップの実施、地方創生人財支援、リスキリング支援(生成AI活用研修など)

健康経営の推進

サントリーグループは、従業員・家族の健康がサントリーの挑戦・革新の源であるという考えのもと、全従業員が心身ともに健康でやる気に満ちて働いている状態を目指しています。
2016年に「健康経営宣言」を掲げ、Global Chief Health Officer(健康管理最高責任者)が中心となり、健康保険組合や労働組合と連携しながらさまざまな取り組みを進めています。

生活習慣病対策 食事、運動、睡眠、禁煙、適正飲酒などの観点で、従業員が主体的、継続的に健康増進に向けて取り組むための支援
メンタルヘルス対策 セルフケア、ラインケア、事業場内産業保健スタッフなどによるケア、事業場外資源によるケアの4つの観点での支援
安全衛生管理体制の整備・推進 事業所ごとに健康課題に対する目標を計画し実行するPDCAサイクルを推進
女性の健康支援 女性活躍支援の一環として、女性が健康で安心して働ける環境を整備するため、婦人科専門の相談窓口を設置

エンゲージメントの強化

世界に4万人超の従業員を有する当社グループは、さまざまな個性やバックグラウンドを持つ従業員同士が仲間として積極的に繋がり、ミッションに向かってともに成長していく上で、「エンゲージメントの強さ」が重要であると考えています。

One Suntory Walk 健康×社会貢献×一体感醸成の3つの価値を持ち合わせた、世界27カ国から8,000人以上が参加するユニークなイベント
ソフトバレーボール大会 全国8会場にて、国内グループ会社従業員とその家族約20,000人が参加する一大イベント
組織風土調査 エンゲージメント、企業理念の理解、コンプライアンスについてどのような意識を従業員が持っているのかを毎年調査
有言実行やってみなはれ大賞
  • 企業理念を体感・表現するチャレンジングな事例共有・表彰の場
  • 自ら旗を掲げ、従来のやり方にとらわれないまったく新しい発想に基づくチャレンジングな活動によって「やってみなはれ」を実践したチームを表彰する取り組み

(人的資本の基盤)サプライチェーン全体における人権の尊重

人的資本への積極的な投資(価値創造)と表裏一体となる基盤(リスク管理)として、サントリーグループの全事業活動およびサプライチェーンにおいて、関わるすべての人々の人権を尊重しています。

人権デュー・ディリジェンスの実践と救済メカニズム

国際的な労働基準に基づき、バリューチェーン全体で潜在的な人権リスクの評価・是正を行うとともに、国内外の従業員やビジネスパートナー、地域社会がアクセスできる通報窓口(グリーバンス・メカニズム)を整備し、実効性の高い運用を行っています。

社内の救済制度

従業員向けに「コンプライアンス・ホットライン(内部通報制度)」を国内外で設置し、人権に関する問題を含むあらゆる相談・通報を受け付けています。通報者が不利益を被らないよう、就業規則で報復禁止を規定し、通報後もフォローアップを含め保護を徹底しています。