育林材プロジェクト。森を育むために伐った木を有効に利活用しています

育林材プロジェクト(約2分)

撮影地 各地の「天然水の森」・福山市・京都府相楽群他
撮影時期 2010年5月〜2015年10月

育林材(いくりんざい)。聞き慣れない言葉ですね。それもそのはず。「天然水の森」の活動を通じて、サントリーがあみだした造語です。では、育林材とは何なのでしょう? 答えはこのムービーでどうぞ。ナレーターがどなたかも当ててみてください。

育林材プロジェクト

森を育むために伐った木を有効に利活用しています

豊かな森を育んでいくためには、
木を伐ることも必要です。

森を育てるためには、木を伐る必要もある。そう聞くと、意外に感じる方も少なくないでしょう。けれども、数十年先、百年先を見つめた“水と生命(いのち)の未来を守る”森づくりでは、さまざまな理由で木を伐ることが欠かせません。

その理由とは、どのようなものなのでしょう……。

整備が遅れて混みすぎたスギやヒノキの人工林では、 木を間引く“間伐”作業が必要であることは、ご存知の方も多いと思います。でも、それだけではありません。

かつて里山は、人が利用することで健全性が保たれていました。けれども人の手が入らなくなり、常緑樹が繁って真っ暗になってしまった森林が各地に見られます。そういう場所では、林内を明るくして多様な草木の生長をうながすための“除伐”という作業を行う必要があります。
また、広葉樹を根際から伐って“萌芽(ぼうが)更新”をうながすことは、森を若返らせることになりますし、今ではすたれつつある循環型の里山管理を取り戻すをすことにもなります。

放置されて巨木化し病害虫に狙われやすくなったナラやクヌギの林では、病害虫の蔓延を防ぐために “予防伐採”という処置をとらざるをえない場合もあります。

森の整備に欠かせない作業道づくりでも、残すべき木をしっかりと見極めながらではありますが、支障となる木は伐る必要があります。

森を育むために伐る木から
生まれてくる材。だから<育林材>。

「天然水の森」の活動を通じて伐る木に、私たちは名前を付けることにしました。森を育むためにこそ伐る木々で、その木々から生み出される材だから<育林材>です。そして、そのひとつひとつを大切にして無駄にすることなく有効活用することにしています。

「育林材」で育みたい、もうひとつのこと。
地元の方々の継続的活動のきっかけになる、仕組みづくり。

数十年後、百年後を見据えて、森と山を育む活動の中から授かった木の材。だから<育林材>なのですが、 私たちには、この“育”の部分に込めたもうひとつの思いがあります。 <育林材>の利活用によって生み出されるモノ・コトが、「天然水の森」の森づくりに関わってくださる方々の継続的な活動につながる仕組みを育むことです。例えば、失われがちな伝統的な木工技術の新たな下支えになるなど、さまざまな分野の方々と共に、さまざまな可能性を創って行きたいと考えています。

<育林材>。
さまざまな分野の職人さんやメーカーの方々と共に、
例えば、こんなカタチで利活用。

■「ナラ枯れ」、「鹿問題」などへの対応で生まれた<育林材>で

「天然水の森 奥大山」には、ミズナラの巨木の林がありました。ところが、そのごく近くで、ナラ枯れが発生。いずれその林にも、ナラ枯れがおよぶことが予想されました。ナラ枯れにあうと、ミズナラは、ほぼ100%枯死してしまいます。そこで、被害の拡大を未然に防ぐために、“予防伐採”という処置を行うことにしました。伐採したミズナラは、貴重な材として、樽材にする他、サントリーの新たな研究・開発拠点SWR(サントリー ワールド リサーチセンター)の床、壁、テーブル等に、広く利活用されています。
東京・台場にあるSWH(サントリーワールドヘッドクォーターズ)のロビーに置かれた、テーブル&スツール。材料は、鹿によって皮を剥がれ、枯れて朽ちていくのを待つばかりだったミズキです。「天然水の森 赤城」の地元のロクロ職人の手で作られました。

■スギ・ヒノキの人工林の整備で生まれた<育林材>で

  • サントリー・京橋オフィスで使われている椅子。「天然水の森 ぎふ東白川」の森林整備にともなって得られたヒノキを使っています。ちなみにデザインをしたのは、<サントリー木曽川工場>の社員です。
  • サントリー・お台場オフィスの社員食堂に置かれたテーブル。素材は、「天然水の森 ぎふ東白川」産のヒノキです。

■コナラやクヌギの林の里山管理で生まれた<育林材>で

  • “サントリー梓の森工場”に隣接する社有林で行っている循環型の里山管理で得られたコナラ材は、ショップの床などにも使われています。
  • 同じく“梓の森”のクヌギからは、伝統的な菊炭なども。

■作業道の設置から生まれた<育林材>で

  • 「天然水の森・東京大学秩父演習林プロジェクト」。東京大学とサントリーが協働して、さまざまな調査・研究を行う森に作業道を設置する際に得られたさまざまな種類の木からは、器が。平安時代以来600年におよぶ小田原のろくろ挽きと寄せ木の技法に、斬新なアイディアをプラスして生まれた器です。