竹林問題。拡大竹林を本来の雑木林へ

竹林問題

撮影地 大阪府三島郡島本町
京都府乙訓群山崎町他
撮影時期 2010年5月〜2011年9月

雑木林に侵入して樹々を枯らすなど、
さまざまな問題をおこしている拡大竹林。
異常なまでにはびこる竹に対する、
「天然水の森」の対応をご紹介します。

竹林問題

拡大竹林を本来の雑木林へ

最近、日本の山を見ると、「あれ? こんなに竹が多かったかな」
と思うことはありませんか。
いま、日本中で、竹がどんどん増えて、雑木林を枯らしています。

竹という植物は、毎年3メートルほどの地下茎を伸ばし、
そこからタケノコを生やします。雑木林に隣接して放置竹林があると、
竹は、雑木林の中にどんどん地下茎を伸ばして陣地を拡大していきます。
タケノコは、わずか2・3ヵ月で10数メートル、
元気な竹の場合には、20数メートルの高さまで育ち、
内側の雑木から光を奪って枯らしていきます。
こうして、雑木林は、次々に竹藪に変わっていってしまうのです。

しかも急斜面の竹林は、崖崩れの危険性を高めます。
雑木林で崖崩れが起こりにくい秘密は、「根」にあります。
様々な樹種が混じり合う雑木林では、
深くまっすぐに根を伸ばして「杭」の役割を果たす木と、
横に根を張り土を抑える「ネット」役の木が協力しあって、
崖崩れを防いでくれているのです。
一方、竹の地下茎は、横に広がります。
つまり土を押さえるネットの働きには優れているのですが、
「杭」の役割がありません。当然、大雨などの際に
ずり落ちる危険性が高くなるのです。

そこでサントリーでは、特に急斜面の竹藪を対象にした整備を行っています。
まだ雑木が生き残っている場所では、侵入した竹を全伐。
雑木が枯れてしまった場所では、ヘクタールあたり
1万本以上になっている竹を、とりあえずは3千本ほどまで間伐して、
自然に生えてくる広葉樹を育てたり、場合によっては植樹するなどして、
もとの雑木林に戻していく活動をしています。

  • 斜面を覆いつくすように広がる竹林
  • 筍の収穫や材としての利用など、適切な手入れがされなくなると、竹は、樹々を枯らしながら周囲の雑木林に侵入。どんどん勢力を拡大していきます。
  • 竹の根は、横に広がるばかり。竹しか生えていない急斜面は、一気に崩れてしまう危険性があります。
  • まだ雑木が残っている場所では、
    竹を全部伐採。雑木が枯れずに育つ環境を整えます。
  • 雑木が枯れてしまった場所では、
    竹の約2/3を伐る、間伐を行います。雑木がない斜面で全て竹を伐ってしまうと、崩壊の危険性が高まるからです。

竹の植木鉢で「カブト虫の森」づくりー地元の小学生の活動

サントリーもメンバーとして参加している
「天王山周辺森林整備推進協議会」では、地元の小学生たちが、
ユニークな活動を行っています。
4年生の秋に、天王山でドングリなどの木の実を拾い集め、
天王山の竹で作った植木鉢に植えて苗を育てます。
そして翌年の春、育てた苗を天王山にかえしてあげる。
そうすることで、竹薮から広葉樹への樹種転換を図り、
「かぶと虫の森」に 育てていこうというものです。
森を育てるお手伝いをすることで、地元の山を自分たちの手で守る心も育てる。
とても素敵な活動だと思いませんか。