サントリーホール Presents
古坂大魔王と行く! 奥深~いオルガンの世界 トーク&コンサート 第1回
1992年お笑い芸人「底ぬけAIR-LINE」でデビュー。ピコ太郎プロデューサー。文部科学省・CCC大使、UNEPサステナビリティアクションアドバイザー。現在は、バラエティ番組をはじめ、コメンテーターとして情報番組への出演、世界のトップランナーと音楽、エンターテインメント等についてトークセッションを行うなど、幅広い分野で活躍中。
東京藝術大学音楽学部作曲科卒業、同大学別科オルガン科修了、同大学大学院修士課程音楽研究科(オルガン)修了。2006年文化庁新進芸術家海外研修員としてフランス(パリ)に留学。現在、横浜みなとみらいホール・ホールオルガニスト。東京藝術大学、国立音楽大学非常勤講師。日本オルガニスト協会会員。
■近藤岳(1973~ ):「きらきら星」の主題による変奏曲
2003年横浜みなとみらいホールの委嘱作品で、オルガンの様々な⾳⾊(ストップ)の個性を楽しく効果的に聴いていただくために、皆さんがよくご存知の「きらきら星」のメロディーを⽤いて作曲しました。曲全体は、前奏曲(プロローグ)と5つの変奏曲(ヴァリエーション)によって構成されています。
1.プロローグ(前奏曲)
「きらきら星」のメロディーの紹介。
2.「プリンシパル」のための
オルガンの基本的な⾳⾊である「プリンシパル系」のパイプのためによるヴァリエーション。最初は8フィートのみで、徐々に1オクターブ⾼い4フィート、さらに1オクターブ高い2フィート、最後に輝かしいミクスチャーが加わり、明るさが増していきます。フランス序曲⾵の付点のリズムと、近代的な和声に彩られた、フランス17〜18世紀へのオマージュ(讃歌)です。
3.「フルート」のための
星たちの輝く夜空へ、汽⾞に乗って⼩旅⾏。汽笛の⾳が鳴ったら、いざ出発進⾏! フルートのメロディーが装飾⾳符を伴いながら、軽やかに歌い始めます。4フィートと2フィートの様々なフルートの⾳⾊が⼤活躍するスケルツォです。
4.「ストリング」のための
オルガンには弦楽器を模倣した「ストリング系」のストップがあります。このヴァリエーションはそれらを使ってロマンティックな弦楽合奏をイメージして書かれています。6/8拍⼦のゆったりとしたテンポは、まるで星のゆりかごに揺られて眠る、やさしい⼦守唄のよう。
5. インテルメッツォ(間奏曲)
ナザール(2 2/3')やティエルス(1 3/5')などの倍⾳管(ミューテーションストップ)のためのヴァリエーションです。ちょっと不思議で現代的な響きの中に、「きらきら星」のメロディーが隠れています。夜の闇に浮かぶ、星のささやきをイメージしています。
6.「リード管」のための
リード管とは、トランペットやトロンボーンなどの名前を持った、リード(⾆)を振動させて発⾳するパイプです。その⾳⾊はまさに⾦管楽器そのもの!終曲であるこのヴァリエーションは、たくさんの種類のリード管のために書かれています。冒頭に登場するのどかなバグパイプのメロディー、そして⼒強いトランペットのファンファーレが鳴り響くと、いよいよ祝祭的なマーチの始まりです。曲が進むにつれて、だんだんと⾳の厚みが増していき、最後にもう⼀度ファンファーレが鳴り、曲は堂々と幕を閉じます。
■近藤岳:『花の歌(献華偈)』
『花の歌』は、2011年に東京・築地本願寺の委嘱によって書かれたオルガン作品です。仏教讃歌を基にした作品を…というご依頼で、数ある讃歌の中から、東洋的な5音音階が特徴で、伸びやかなグレゴリオ聖歌を思わせる伊藤完夫作曲の「献華偶(けんかげ)」を選びました。作曲にあたっては、原曲のメロディーをいささかも損なわずに用い、そこから派生する様々なモティーフや断片を対位法的に展開させています。旋法的で近代的な美しいハーモニーを醸し出す工夫もなされています。
2011年3月、未曾有の東日本大震災が日本を襲い、その年の夏、まるで見えない何かの力に突き動かされるかのように、曲はあっという間に出来上がりました。元来、花を手向ける際に歌われるこの仏教讃歌に、私自身が祈りや安らぎ、平和を希求する強い想いを重ね、託したかったのだと思います。
■モーリス・デュリュフレ(1902~86):『前奏曲、アダージョと「来たれ、創り主なる聖霊」によるコラール変奏曲』作品4
今年没後40年を迎えたデュリュフレは、著名なオルガニストにして、ガブリエル・フォーレと並び称される稀有な「レクイエム」を残した作曲家でもあります。1902年にノルマンディー地方ルーヴィエに生まれ、ルーアン教会合唱学校で歌唱、オルガン、ピアノを学び、さらにパリでシャルル・トゥルヌミールとルイ・ヴィエルヌ、1920年パリ音楽院入学後にはウジェーヌ・ジグーにオルガン、またポール・デュカらに作曲を師事しました。1930年にパリのサン・テティエンヌ・デュ・モン教会の正オルガニストに就任、1943年にはパリ音楽院の教授となりました。演奏家として多忙だったことに加え、音楽に関して完璧主義者であったこと、晩年の交通事故の後遺症が長引いてしまったことから、わずか生涯で14の作品を残すのみでしたが、そのいずれもが高度に洗練された精緻な作品ばかりです。
『前奏曲、アダージョと「来たれ、創り主なる聖霊」によるコラール変奏曲』は1930年に書かれたデュリュフレ初の大きなオルガン作品。20世紀にあって、グレゴリオ聖歌や教会旋法の本質的な回帰を、精緻で洗練された書法の中で息づかせていました。師であるヴィエルヌに愛情と敬意をもって捧げられ、同年にデュリュフレ自身によって初演され、「オルガン友の会」作曲賞を受賞しています。
グレゴリオ聖歌「来たれ、創り主なる聖霊」のメロディーを巧みに使用し、曲は全体で3部からなっています。『前奏曲』は、聖歌のメロディーから巧みに取り出した音形が連鎖し、終始絶え間なく美しい流れを構築しています。途中、聖歌の節の断片が見え隠れしますが、その全貌はまだ登場しません。続く『アダージョ』は、「天上の声」の意を持つ“ヴォワ・セレステVoix céleste”の音色に導かれ、聖歌の冒頭メロディーが登場します。しかしそのメロディーの全貌はここでもまだ歌われません。穏やかで慈愛に満ちた楽想ですが、次第に様相が変化し、来るべき時を予感させるようにドラマティックな高揚を見せ、まばゆい光が見えたのも束の間、遠ざかり短い沈黙が訪れます。その沈黙を破り、空間を満たす堂々とした『コラール変奏曲』が始まります。ここで初めて聖歌の全貌が朗々と歌われ、4つの個性豊かで色彩的な変奏が続きます。4つ目の最後の変奏は、曲全体を締めくくる壮麗なトッカータで、歓喜に包まれ輝かしく圧倒的な大団円を迎えます。
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