アーティスト・インタビュー

『Hibiki』Vol.13 2020年11月1日発行

特集:今こそ、オーケストラ! ~音楽を届ける仕事 その2

サントリーホールには、“世界最高峰のオーケストラ”と称されるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団がほぼ毎年来日。
「ウィーン・フィルハーモニーウィーク イン ジャパン」は今年で18回目を迎えます。写真は2019年の演奏風景。

「こんなにも音楽を求めていたんだ、と感動」
「今この時のコンサートでしか味わえない特別な高揚感がある」
演奏者からも客席からも、そんな声が溢れています。
2020年秋、音楽を共にする幸福感はひとしおです。
大勢が様々な楽器を奏で、ひとつの大きなハーモニーを届けてくれるオーケストラは
音楽のエネルギーそのもの。

今号は、その魅力と素顔に迫ります。
オーケストラって、どんな団体?
指揮者/オルガン・チェンバロ奏者/音楽祭プロデューサーとして様々なオーケストラと共演している鈴木優人さん、また、サントリーホールで定期的に演奏会を行っている9つのオーケストラの団員の皆さんにお話を伺いました。日本フィルハーモニー交響楽団新日本フィルハーモニー交響楽団NHK交響楽団オーケストラ・アンサンブル金沢札幌交響楽団東京交響楽団東京都交響楽団東京フィルハーモニー交響楽団読売日本交響楽団の順にご紹介します。

サントリーホールには、“世界最高峰のオーケストラ”と称されるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団がほぼ毎年来日。
「ウィーン・フィルハーモニーウィーク イン ジャパン」は今年で18回目を迎えます。写真は2019年の演奏風景。

鈴木優人 インタビュー

最初の音
 「個々のプレーヤーが幼い頃から研鑽を積んできた楽器の能力と譜面を読む力が重なり合い、『音楽って楽しい!』というひとりひとりの原点が集まっている。オーケストラには、無限の可能性があります」
と語るのは、指揮者、オルガン・チェンバロ奏者、音楽祭プロデューサーとして国内外様々なオーケストラと共演している鈴木優人さん。コンサートを楽しむツボはまず、最初の瞬間にあると言います。
 「その日ならではのコンディション、呼吸、緊張感が人数分。たとえばベートーヴェンの交響曲第5番『運命』の出だしは、皆で揃って同じ音(ユニゾン)を同時に奏でなければならず、その緊張感こそが名曲たらしめていると思います。同じメンバー、同じ指揮者、同じホールでも毎回違う音がする。演奏会のいちばん最初の音には必ず新鮮さがあります。ぜひ注目(耳)して聴いてみてください」

オケと指揮者
オーケストラと指揮者のマッチングも、最大の聴きどころです。
 「色々な指揮者がやって来て、同じ楽譜でもそれぞれ異なる読み方を提案するわけです。オーケストラは、どんな指揮者の要求にも自在に応えられるプロフェッショナルな存在、職人集団です。指揮者のやりたい音楽を実現しようという良心を持ち、意図がきちんと伝われば、音で返してくれる。指揮者とオーケストラの関係は、理想的には友だち以上恋人未満という感じかな(笑)*。 程よい緊張感が大切です。数日間のリハーサルの間に音楽のアイデアを交換し、そのコミュニケーションによって信頼関係を築き、本番に臨みます」
鈴木さんにとってオーケストラは、鏡のような存在でもあると言います。
 「客席を背にしている指揮者は、オーケストラを通してお客様を見ています。聴衆の反応、呼吸感によって空気が動き、演奏が動くからです」
そして、ホールが音楽でひとつになります。
*客演指揮者は1回ごとの関係性。「音楽監督」や「常任」「首席」など称号がつく指揮者は、いわばオーケストラと恋人関係を公言している間柄で、定期演奏会を軸に複数のコンサートで長期的にストーリーをつくっていきます。

どのオケで聴く?
サントリーホールには、日本中、世界中から数多のオーケストラがやって来ます。
20人前後の室内オーケストラから、百人超20種以上の楽器によるフルオーケストラまで、演奏曲や目指す音楽性によって編成は異なり、オーケストラごとに音楽の方向性も組織の成り立ちも様々。
 「初めて聴く曲をどのオーケストラで聴くかによって、印象は大きく変わります」
それは偶然の出会いのようなもの。
 「同じオーケストラでも、コンサートマスターや各パートの奏者が変われば、音も雰囲気もずいぶん変わります」
では、どんな人々がどんな思いでハーモニーを奏でているのでしょうか。サントリーホールで定期的に演奏会を行っている9つのオーケストラに伺います。


©Marco Borggreve
鈴木優人 Masato Suzuki バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)首席指揮者、読売日本交響楽団指揮者/クリエイティヴ・パートナー、アンサンブル・ジェネシス音楽監督

日本フィルハーモニー交響楽団 「とっておきアフタヌーン」でおなじみ

コンサートマスターは激しく動く
交響曲を中心に演奏活動をするオーケストラ(管弦楽団)は弦楽器、木管楽器、金管楽器、打楽器パートからなり、主にメロディーを受け持つ第1ヴァイオリンが、客席から見て舞台左側前方に並びます。中でも指揮者に近い最前列トップに座るのがコンサートマスター(通称コンマス)。これは世界中どの楽団も、ほぼ共通です。
日本フィルハーモニー交響楽団のその席には、扇谷泰朋さんがいます。(日本フィルハーモニー交響楽団にはソロ・コンサートマスターが2名、コンサートマスター1名、アシスタント・コンサートマスター1名が在籍しています。) 演奏直前にひとり立ち上がって音合わせ(チューニング)の合図をする人がコンマスですが(最初に音を出すのはオーボエ奏者)、具体的にどんな役割をしているのでしょう?
 「リハーサルでは、オケの代表として指揮者とやりとりします。指揮者の意向や音楽性を、自分たちのオケのカラーとしてどのぐらいまで引き出し合えるか、探るのです。そしてどんなに練習を積んでも本番では事故が起こるもので、常に全体を見て聴いて、アンサンブルが乱れそうな気配を瞬時に察知し、道を示すというか、身体の動きで皆に合図します。だからコンマスは、他の奏者より動きが大きいんです」
と、温かな笑顔で話す扇谷さん。
 「危険な時、コンマスは指揮者より指揮している感じ。とても大事な存在です」
と言うテューバ奏者の柳生和大さんは、最も離れた最後列右奥で巨大な楽器を吹きながら、コンマスからのサインをキャッチ、周囲の金管パートやコントラバスなどと連携しあいます。

(写真右)コンサートマスター 扇谷泰朋 Yasutomo Ogitani
2006年4月、ソロ・コンサートマスターに就任。現在、九州交響楽団のコンサートマスターも務めています。
(写真左)テューバ奏者 柳生和大 Kazuhiro Yagyu  
2009年入団。モーツァルトやベートーヴェンの曲には登場しないテューバですが、次回「とっておきアフタヌーン」『展覧会の絵』の「ビドロ(牛車)」に注目!
(撮影・森口奈々/撮影協力・杉並公会堂)

金管奏者はお腹が空く
テューバ奏者はオーケストラにひとりしかいません。それゆえの緊張感も人一倍。
 「出番も少なく休んでばかりに見えるかもしれませんが、流れに乗ってうまく皆に合流できるよう、常にシミュレーションしています。長い休符の間に口が乾いたり筋肉が強張っているかもしれず、身体を温め直して、どういう音が出るか……本番の緊張感がいい作用を及ぼし、いい音が出せるような気もします」
楽器は重さ18㎏超、一気に5ℓ以上の息を吹かなければ音が出ないそうです。
 「お腹も胸も、全身の筋肉をフルに使うので、交響曲1曲吹くとめちゃくちゃお腹が空くんです。
演奏前もちゃんと食べて重石にするので、アークヒルズの食べ物屋さんは網羅してます」
金管パートは型にはまらない人が多く、楽屋はまるで小学生のようなノリだと言います。
 「テンションを上げる楽器だからですかね。テューバは地味ですが、低音の響きでテンポを司り、皆を導いているんだと気づいて以来、ハマりました。1年に1度ぐらい、極たまにメロディーが回ってくるとすごく嬉しいです」

温かくて刺激的な場所
来春、創立65周年を迎える日本フィルは、芸術性と社会性を兼ね備えた「市民とともに歩むオーケストラ」。本拠地東京・杉並区での活動はもとより、九州全県を巡る九州公演は46年目、東北の被災地での音楽活動は間もなく300回を数えます。
 「地元の人たちとの繋がりを大事にしています。間口が広く、温かいところがあるオーケストラかな」(扇谷)
 「団員の仲間意識も強いですね」(柳生)
サントリーホールとの共催企画「とっておきアフタヌーン」は5シーズン目、名曲コンサートながら毎回新しいチャレンジで、音楽の楽しさを表現しています。
 「サントリーホールは大好きなホール。響きはもちろん、お客様を近くに感じて安心感のある空間です。緊急事態宣言下を経て、少し違う形でもコンサートを再開できた時、ああ、お客様はこんなに待っていてくださったんだと身に滲みました。あの拍手は忘れません」(扇谷)
 「生はいいなと本当に思いました。あの経験は一生の糧になります。コンサートの場はいろいろな発見があり、知的好奇心が刺激されると思います。ぜひ聴きにいらしてください」(柳生)

「とっておき アフタヌーン」リハーサル風景。
指揮は初共演の齋藤友香理さん。
(撮影・森口奈々/撮影協力・杉並公会堂)
「とっておき アフタヌーン」Vol.14(10月5日)では、バリトン歌手「ハンサム四兄弟」と共演。

新日本フィルハーモニー交響楽団 「サントリーホールのクリスマス2020」に登場

リモート合奏という新たな試み
すべてのコンサートが開けなくなった数カ月間、それでも音楽を届ける方法はないかと世界中の音楽家たちが模索しました。なかでもオンラインでのリモート合奏にいち早くチャレンジし、注目されたオーケストラが、新日本フィルハーモニー交響楽団です。
 「いろいろ考えた末に、トロンボーン奏者山口さんの発案で、リモート合奏してみようと。声をかけたらあれよあれよと集まり、ほぼ全員参加。驚きました。これが新日本フィルの力だなと改めて思いましたし、皆の意識が高まりました」
と首席第2ヴァイオリン奏者のビルマン聡平さん。
首席ファゴット奏者の河村幹子さんも、絆を再認識したと言います。
 「普段から部活みたいなノリで。もっとうまく演奏したいとか、もっといい音楽をやりたいという、小さい時から同じ思い。自分が準備してきたものをコンサートでしっかり出せないと、心にチリが積もってしまうんです。めちゃめちゃ楽しいことを仕事にしているんだなと、ブランクを経て改めて、幸せに感じました」

揃える “弦” とハプニングを楽しむ “管”
オーケストラで最も人数が多いのは弦楽器で、音域の高い順にヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス。さらにヴァイオリンは第1・第2とパートが分かれます。第2ヴァイオリンの役割は?
 「よりうまい人が第1ヴァイオリン、ということでは決してありません(笑)。第2のパートを喩えて言えば、登場人物の背景をつくる、その人がどこに立っていてどういう風景の中にいるのかを音楽で表す喜びです。和音を変えていくことに生きがいを感じるタイプが、第2ヴァイオリン奏者かな」(ビルマン)
木管・金管楽器奏者はソリスティック。
 「管楽器パートは、本番でノッてくると面白いことをやりだす人があちこちにいるんです。リハーサルでつくりあげた土台の上で、また違うことを仕掛けてくる。おっ、そうきたかと受けとめつつ、自分ももっと面白いことをやらなければと頭がくるくる回転しています」(河村)
 「弦楽器はみんなで同じ波に乗るのが重要。管楽器が仕掛けてきても、みんな同じところを聴いてさえいれば、一緒に大きなひとつの波に乗れます」(ビルマン)
 「本番ならではの揺らぎ感、良い意味でのハプニングを楽しみつつ、まとめていく。皆で手を繋ぎながら転ばないよう走っている感じです」(河村)

(写真右)首席ファゴット奏者 河村幹子 Motoko Kawamura
1998年入団。音色に魅了され13歳からファゴットを始める。「サントリーホール周辺はコンサート前後も楽しめる空間。幸せな気分の1日を!」
(写真左)首席第2ヴァイオリン奏者 ビルマン聡平 Sohei Birmann
2016年入団。「コロナ禍を経て演奏家は強くなったと思います。より自分から発信しなければ!」。11月28日の定期演奏会にソリストとして出演。
(撮影・森口奈々/撮影協力・みなとみらいホール)
山口尚人YouTubeチャンネル
《新日本フィル》テレワークでパプリカやってみた!~最終回~より

同じ時代を生きる音楽
1990年から続く「芥川也寸志サントリー作曲賞選考演奏会」で、ほぼ毎年公開演奏を行っているのも新日本フィルです。 “わが国の新進作曲家の清新にして将来性に富む” 候補作品と、2年前の受賞者に委嘱された作品を世界初演します。
 「同じ時代を生きている人の作品を最初に演奏できるというのは、とても嬉しいことです。反面、初めての作曲家なので全体像が見えず、パート譜だけでひとりで練習していてもどんな曲なのか、どんな意味が込められているのかわかりにくい。皆で合わせてみて初めて、こんな響きになるのか!と。新しい曲を知る喜びがあります」(河村)
 「そのリハーサルの場に作曲家がいてくれて、直接なんでも聞けて一緒に音楽をつくれるという、こんな恵まれたことはないです」(ビルマン)
未来に伝え継がれていくであろう音楽、その基となる演奏を「みんなでつくっていく」。それは、指揮者・小澤征爾氏らの 「一緒に音楽をやろう!」という呼びかけで1972年に創立された、このオーケストラの姿勢をよく表している気がします。
今年は「サントリーホールのクリスマス」公演にも登場。どんな演奏でどんな世界に巻き込んでくれるのか、とても楽しみです。

©K. Miura
本拠地の「すみだトリフォニーホール」にて

楽団員にきく 個性あふれるオーケストラ
NHK交響楽団/オーケストラ・アンサンブル金沢/札幌交響楽団/東京交響楽団/東京都交響楽団
東京フィルハーモニー交響楽団/読売日本交響楽団 

多くの演奏家が集まって音楽を紡ぎだすオーケストラ。それぞれに個性的です。
いつもは演奏を通して感じるその個性を今回は特別に、楽団員の方からアンケートを通じて教えていただきました。
オーケストラの特徴や、コロナ禍を経て感じること。またサントリーホールでの公演エピソードや公演後の過ごし方など、
オーケストラの素顔の一端をお伝えします。 (掲載は五十音順)

NHK交響楽団 首席トランペット奏者 菊本和昭

 「いつもサントリーホールで演奏できたらいいのになあ!(笑) かつてサントリー山崎蒸溜所の近くに住んでいたこともあり、 ウイスキー『山崎』が恋しいです。」

これが個性!
「別格の集中力を持つオーケストラ」です。入団前にテレビで見るN響の方々は「怖そうな人ばかりだなあ」と思っていたのですが、入団してから自分の経験を通して「極限まで集中すると、こんな顔になるんだな」と実感しました。それだけ演奏にかけるメンバーひとりひとりの思いが強いのです。本番中は指揮者やコンサートマスターのリーダーシップのもと、ものすごい集中力で演奏に没入します。それだけに演奏後の達成感も格別です。同時にもぬけの殻のようになってしまいます(笑)。
サントリーホールでの忘れられないエピソード
私がまだN響試用期間中の2011年9月のことです。桂冠名誉指揮者のヘルベルト・ブロムシュテット氏の指揮でブルックナー『交響曲第7番』を2日間にわたって演奏したコンサートの初日は、台風の影響で、いつもならほぼ満員の客席が、2、3割程度の入りだったのです。このような空席が多い時のサントリーホールの響きが独特で、ブロムシュテット氏の素晴らしい音楽づくりとあいまって、今でも強く印象に残っています。
今後の注目!
新型コロナウイルスの影響で、海外の演奏家との共演や大編成の公演が難しい今ですが、こんな時だからこそ実現する日本人指揮者、ソリストとのコラボレーション、そして小編成の作品でこそ際立つN響メンバーの親密なアンサンブルをお楽しみいただければ幸いです。今まで以上に1回1回の本番を大切にしたいです。

菊本和昭 Kazuaki Kikumoto

オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK) ヴァイス・ゼネラルマネージャー 床坊 剛

 「終演後片付けを済ませサントリーホールを出ると、自然に赤坂方面へ足が向きます。おいしい韓国料理も楽しみです。」

これが個性!
1992年からほぼ毎年サントリーホールで東京定期公演を開催しています。私たちのオーケストラを目の前にして、「あら、小さなオーケストラね」「海外の演奏家も多いのね」「新しい音楽も演奏するのね」と感じる方もいらっしゃると思います。皆さんが感じたこと、それが私たちの特徴です。38名の室内オーケストラとして活動し、海外公演や外国人メンバーも多く、現代音楽も積極的に演奏する。創設音楽監督の岩城宏之さんが、OEKにこれらの個性を与えてくれました。前音楽監督の井上道義さんの時代から今も、この個性を大切に活動しています。
コロナ禍を経て
フェイスブック上に「OEK'sMembers&Fans」というグループを立ち上げ、自宅での演奏や、多重録音を駆使した動画を投稿し、ファンの皆さんに楽しんでいただきました。今後も続けてまいりますので、是非ご参加ください!
今後の注目!
新シーズンのテーマは「ベートーヴェンとモーツァルト」。その中心となるのが、現在、芸術監督を務めるマルク・ミンコフスキによるベートーヴェンの交響曲全曲演奏。残念ながら10月に予定していた第1回は渡航制限のため実施出来ませんでしたが、来年3月には第2、第3回を予定しています。『運命』『田園』はサントリーホールでの東京定期公演でも演奏予定です。ミンコフスキ初となるベートーヴェン・チクルスは海外からも注目を集めていますので、ぜひお楽しみに!

床坊 剛 Tsuyoshi Tokobo

札幌交響楽団 チェロ 小野木 遼

 「以前サントリーホールの室内楽アカデミーに在籍していたこともあり、当時は特別な緊張感を感じていましたが、今ではサントリーホールで楽団メンバーに合流すると、ホームのようにリラックスして演奏できます。」

これが個性!
来年で創立60周年。本拠地である札幌コンサートホールKitaraや、練習場のアートホールは美しい自然のなかにあります。ヨーロッパのようなのびのびとした環境で活動しており、透明感のあるサウンドとパワフルな表現力は北海道のオーケストラらしさのように思います。サントリーホールでの公演は年1回ですが、のびのびと演奏している我々を観に来ていただけると嬉しいです!
コロナ禍を経て
コンサートや楽団内アンサンブルの動画配信などを通して、より多くの方々に興味を持ってもらえたことはとても嬉しいことでした。ただ、生の音楽とは差がありますし、同じ空間で早く生演奏をお届け出来るようにと願っていました。
サントリーホールでの公演後は
オーケストラのメンバーで飲みに行くことは多いです(笑)。私は赤坂の「海舟」という居酒屋が気に入っていてよく行きますね。
今後の注目!
首席指揮者マティアス・バーメルトの、茶目っ気たっぷりで、それでいて気品あふれる音楽に注目して欲しいところです。いまは入国規制のため、私たち団員もお会いできていない状況ですが、事態が収束したら、ぜひバーメルト×札幌交響楽団の演奏を聴きにいらしてください。

小野木 遼 Ryo Onoki

東京交響楽団 首席ティンパニ・打楽器奏者 清水 太

 「高校生のときクラシック音楽を聴き、その世界に魅了されました。 多くの方々に音のつくる奇跡体験を楽しんでいただきたいです。」

これが個性!
「とりあえずやってみる」チャレンジ精神です。良い音楽を目指すためなら何事も常識に捉われないのが特徴です。またどんなに忙しくても、どんなに難しい作品に取り組むときも常にポジティブなところが強みだと思います。
コロナ禍を経て
7月の定期演奏会では、リモート指揮の演奏など普通ではなかなか実現し難いことを経験した、価値ある時間でした。ベートーヴェン・イヤーに、ベートーヴェン自身が『第九』を指揮したときのような状況を体験できたと思います。そうしたなかで、指揮者に依存することなく自発的に音楽をつくることの重要性を再認識。オーケストラの自発的な音楽を指揮者の音楽と融合させていく、それこそがオーケストラ音楽の醍醐味であると思いました。
サントリーホールと東京交響楽団
サントリーホールは世界中の超一流オーケストラが集まる場所で、常に音楽祭が行われているような感覚です。そのラインナップのひとつとして定期演奏会を行っていることは誇らしいことであると同時に、プレッシャーに感じることもあります。
今後の注目!
年末に予定されている、ジョナサン・ノット音楽監督による2年目の『第九』です。去年演奏をしていた私達自身が度肝を抜かれたノット監督の『第九』がどのように変革していくのか、予想もつかず考えるだけでワクワクと緊張が入り乱れます。東京交響楽団&サントリーホール「こども定期演奏会」の来シーズンもお楽しみに!

清水 太 Futoshi Shimizu

東京都交響楽団 第2ヴァイオリン首席奏者 遠藤香奈子

 「入団を決断した時〈一人では辿り着けない、広がる宇宙的な空間を感じたい!〉という思いでした。そして都響が繰り広げる世界は私の予想を遥かに超えたものでした。」

これが個性!
常にフレッシュ、フレキシブル、フリーな頭と心で臨む姿勢です。個々が大切にしている事はしっかり意思表示しながらも、仲間の演奏スタイルや意見を尊重し、丁寧に音を重ねていきます。また、サントリーホール主催の「作曲家の個展」シリーズや、「サントリーホールサマーフェスティバル」へ参加しているように、近現代曲の演奏も多く、現代を生きる作曲家の、文字通り「今生まれる音楽」をたくさん手掛けています。
コロナ禍を経て
今まで次々と予定される公演に向け、「準備しては本番」の繰り返しで、一心に走り続けてシーズンが過ぎていきました。コロナでたくさんの公演が中止や延期となり、自分が続けてきた音楽活動が世の中に「不要だ」と言われているようで心が不安定になることもありました。一方で、ひとつの公演を作り上げるためにどれだけ多くの方々の労力と思いが込められているかということや、コンサートホールにお集まりのお客様の期待感や温度感を感じ取り、その場で音楽を紡いでいく一期一会の醍醐味は、お客様が居なくては成り立たないことなどを痛感しました。音楽は、人の心に響く時、それをそれぞれの人生に重ね、懐かしんだり希望を見出したり、生きているからこその心の動きを感じさせてくれると信じています。舞台表方、裏方ともに、安全安心に音楽を心から楽しめる環境を整え、お待ちしております。

遠藤香奈子 Kanako Endo

東京フィルハーモニー交響楽団 コンサートマスター 三浦章宏

 「サントリーホールはオーケストラの真の響き、その魅力が伝わる場所だと思います。格調高い雰囲気も含めて、コンサートをお楽しみいただけると思います。」

これが個性!
オペラやバレエでの演奏経験が豊富なことから、とにかく柔軟性が高いオーケストラです。音楽に対しても、共演する指揮者に対しても、柔軟性のあるオーケストラだと思います。
コロナ禍を経て
お客様の前で演奏する機会が減り、無観客公演を経験したり、演奏会にお越しいただいているお客様の数も少なくなり、たとえば演奏の前後の拍手の響きや、ブラヴォーなどが制限されていることなどで寂しいと感じることはありました。しかし演奏し始めれば、目の前の音楽に向き合い、良い音楽をお客様にお届けしたい、という思いは何も変わらないものです。
サントリーホールでの演奏
オーケストラらしい、クラシカルな響きを実現できるホールだと思います。私はサントリーホールが開館した時から知っていますが、この年月でとても良くなってきたと思います。訪れた世界中の素晴らしいオーケストラがホールの響きを育て上げ、熟成してきたことを実感します。
今後の注目!
2020年は世界中のオーケストラが活動を止めていた、歴史的な事件の起きた年でしたが、そこからの復活を期して東京フィルならではの演目で新しいシーズンを2021年1月からお届けします。名誉音楽監督のマエストロ、チョン・ミョンフン、首席指揮者のアンドレア・バッティストーニ、特別客演指揮者のミハイル・プレトニョフ、そして桂冠指揮者・尾高忠明の各氏を中心に、充実の演目です。

三浦章宏 Akihiro Miura

読売日本交響楽団 ソロ・ヴィオラ奏者 鈴木康浩

 「今、演奏会に来てくださる方は大変な勇気をもって聴きに来てくださっていると思っています。そのようなお客様のために、魂を燃やして音楽を届けます!」

これが個性!
まずは楽団員それぞれの個性が強いところ。その個性を全体に溶け込ませて読響の音楽をつくっています。なので、ボリュームのある音を出せます。もうひとつは、とても仲が良いこと。リハーサル中にも冗談が飛び交います。本番では音楽による会話が成立し、個々の能力を超えた「200%の演奏」が生まれます。
コロナ禍を経て
今は、弦楽器も間隔を空けています。この配置ですと、それぞれの音がよく聴こえ、より“個性が聴こえる”ようになりました。良い音楽を目指すなかで、音楽家も最大限の努力と順応が必要だと考えています。
サントリーホールでの演奏
私はベルリンに留学していたので、「サントリーホールの響きは、ベルリンのフィルハーモニーと似ている」というのが第一印象でしたが、数多くの演奏会を経て、やはりこのホール唯一の個性があると感じるように。ヴィオラの弦を弓で擦った際に、ホールが優しくフォローして、ホールの中に響きわたるようにどんどん音を膨らましてくれるのです。2015年にヒンデミットの『白鳥を焼く男』のソロを弾いたときの記憶が鮮明にあります。ヴィオラの冒頭の音がホールの後ろまで響いていくのが、はっきりと見えたのです!
今後の注目!
2021年3月に山田和樹さん指揮で、ソリストとして別宮貞雄『ヴィオラ協奏曲』を演奏します。滅多に演奏されないヴィオラの協奏曲です。サントリーホールに響くヴィオラの音色を、ぜひお聴きください。

鈴木康浩 Yasuhiro Suzuki

【コンサート案内】

バッハ・コレギウム・ジャパン「聖夜のメサイア」 12月24日(木) 18:30開演
2001年より毎年開催している名物企画。キリストの降誕、受難、そして復活に至る生涯を描く壮大な作品で、クリスマスシーズンには世界中で演奏されます。
【出演】 指揮:鈴木雅明 合唱・管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン ソプラノ:松井亜希 アルト:青木洋也 テノール:櫻田 亮 バス:加耒 徹

サントリーホールのクリスマス 2020 12月25日(金) 19:00開演
バレエやディズニー映画でもお馴染みの曲を、心躍る生演奏で、物語を思い浮かべながら楽しんでいただくクリスマス・コンサート。
【出演】 指揮:大友直人 新日本フィルハーモニー交響楽団 ナビゲーター:森川智之

日本フィル&サントリーホール とっておき アフタヌーン Vol. 15 2021年2月3日(水) 14:00開演
誰もが楽しめるトークを交えた名曲コンサート。YouTubeチャンネル登録者数約50万人の話題のピアニスト角野隼斗、指揮者に若手マエストロ横山奏、ナビゲーターには俳優の高橋克典を迎えます。
【出演】 指揮:横山 奏 ピアノ:角野隼斗 ナビゲーター:高橋克典 日本フィルハーモニー交響楽団