主催公演

サントリーホール クリスマスコンサート 2020
バッハ・コレギウム・ジャパン「聖夜のメサイア」

「第九」と並ぶ冬の風物詩、『メサイア』全曲演奏会。キリストの降誕、受難、そして復活に至る生涯を描く壮大な作品で、クリスマスシーズンには世界中で演奏されます。サントリーホールではバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)の演奏により2001年から毎年開催している名物コンサートです。BCJは今年の英グラモフォン賞(合唱部門)を受賞し、国際的な評価をますます高めています。今年も指揮はBCJ音楽監督の鈴木雅明がつとめ、ソリストにはソプラノ:松井亜希、アルト:青木洋也、テノール:櫻田 亮、バス:加耒 徹を迎えてお届けします。
※昨年の『メサイア』公演よりハレルヤ・コーラスの演奏動画を下欄にてご覧いただけます。

【ソリスト歌手たちのメッセージ/『メサイア』を知るキーノート】
『メサイア』公演には、素晴らしいソリストたちの歌を聴く歓びがあります。今年出演するソリストに、歌手の立場から見た聴きどころや、今年ならではの『メサイア』への期待について伺いました。
また、BCJが奏でる上質な『メサイア』をより深くお楽しみいただこうと、これまでのプログラムの中から作品を楽しむヒントとなる読み物をご用意しました。
『メサイア』が250年以上にもわたって熱心に演奏されてきた「特別な魅力」を紐解きます。

ソリスト歌手たちのメッセージ

松井亜希 (ソプラノ) 
初めてBCJに参加したのがメサイアで、毎年恒例のメサイア公演は私にとって巷の「第九」のような存在です。『メサイア』の魅力は明暗のコントラストが見事に描かれている点ですね。例えば第1部でバスが“The people walk in darkness”(第10曲)を長々鬱々と歌った後、合唱が歓びに溢れて歌う“For unto us a Child is born”(第11曲)のコントラストは、明瞭で清々しい気持ちになります。
素晴らしい事に今年はライブ配信も予定されていますので、それぞれのお好みに合わせて、BCJの「聖夜のメサイア」をお楽しみください♪

【プロフィール】
岩手県出身。東京藝術大学声楽科卒業、同大学院修士課程・博士課程修了。プーランクの歌曲作品研究で博士号取得。在学中に日仏声楽コンクール優勝、友愛ドイツ歌曲(リート)コンクール優勝、日本音楽コンクール入選。バロックから現代まで広範なレパートリーで活動しているが、近年はBCJのソリストとして数多くの国内外の公演および録音に参加し、高い評価を得ている。中でも2020年3月ケルンでの『ヨハネ受難曲』の歌唱は絶賛された。東京オペラシティ リサイタルシリーズ「B→C」、NHK-BS「クラシック倶楽部」、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」出演。東京藝術大学音楽学部非常勤講師。

青木洋也 (アルト) 
今年は想像もしていなかった受難の年になりました。このような年の12月24日にメサイアを歌うことは来年に向けての大きな光となるのではないでしょうか。メサイアは、その1曲でイエス・キリスト到来の預言・誕生・受難・復活という、キリスト教における重要なシーンを一気に体感することができます。アルトにとっては受難のシーンの最初に歌われるアリア“He was despised”(第20曲)は特別なものです。クリスマス・イブの日、ヘンデルの素晴らしい音楽を通して、イエスの誕生を一緒にお祝いできればと思います!素敵なクリスマスを!

【プロフィール】
東京藝術大学大学院で古楽演奏、エリザベト音楽大学で宗教音楽学を学ぶ。ダブリンやハレでの『メサイア』、ライプツィヒ・ニコライ教会での『ミサ曲 ロ短調』、『クリスマス・オラトリオ』のソリストに招かれ好評を博す。バッハの「マタイ」「ヨハネ」の両受難曲やカンタータなどの独唱を務め、BCJではライプツィヒ・バッハ音楽祭での『マタイ受難曲』独唱などで喝采を浴びた。近年は指揮者としても高く評価されている。「パーセル・プロジェクト」代表。ソロCDは『トスティを歌う~英語による歌曲を集めて~』など5枚をリリースし、レコード芸術特選盤に選ばれるなどいずれも好評を得ている。

櫻田 亮 (テノール) 
素晴らしい楽曲と美しいフレーズに満ち溢れた『メサイア』ですが、僕が最も魅力を感じるパッセージの一つは、アルトのアリア“Thou art gone upon high”(第32曲)の“might dwell among them”のところの跳躍音型を含んだゼクエンツ。カッコイイです。歌いたいです(笑)。それから“He trusted in God”(第25曲)の合唱も好きです。テノールのアリオーゾとレチタティーヴォに挟まれているので、いつもは立ったままで聴いていますが、だんだん気持ちが昂って自然と身体が動いてしまいます。
今年は演奏家にとってはまさに受難の年でした。イエス・キリストの物語に自分自身を重ね、特に第3部はきっと思いのこもった、熱い演奏になることでしょう。お楽しみに!

【プロフィール】
2002年ブルージュ国際古楽コンクール第2位(声楽最高位)など受賞多数。アカデミア・ビザンティーナ、ヴェニス・バロック・オーケストラなど一流の古楽アンサンブル、国内外のモダン・オーケストラなどと多数共演するほか、クレモナ音楽祭『ウリッセの帰郷』、エディンバラ音楽祭『オルフェオ』などオペラでも活躍。日本イタリア古楽協会運営委員長としてイタリア・バロック音楽の普及に務める。16年4月にウィーンやアムステルダムで行われたBCJ EUツアーに出演。18年6月のライプツィヒ・バッハ音楽祭のBCJ公演でもソリストを務め、喝采を浴びる。二期会会員。東京藝術大学教授。

©Ribaltaluce

加耒 徹 (バス) 
ヘンデルの『メサイア』は、聖書を題材にしたオラトリオではありますが、教会ではなく大きな歌劇場で演奏される事を想定して作曲されました。オペラのように名前の付いた役が歌うことはありませんが、合唱とソリスト、そして管弦楽から紡がれる生き生きとした音楽の中に居ると、聴く側がいつの間にかオペラの舞台に立っている錯覚を起こすような、ライブ感満載でドラマティックな作品です。宗教曲を聴くという心構えよりかは、音楽のお芝居を楽しみに行くつもりでリラックスして過ごしていただくのが良いのではないでしょうか?難しい時代ですが、クリスマスに生の音楽を皆様と共有出来る事に感謝しつつ、私自身心から楽しんでその時間を過ごしたいと思います。

【プロフィール】
東京藝術大学大学院修士課程を首席で修了。二期会オペラ研修所マスタークラスを総代で修了。第20回友愛ドイツ歌曲(リート)コンクール第2位。シャネル・ピグマリオン・デイズ2014アーティスト。歌曲や宗教曲の演奏に定評があるほか、オペラでは日生劇場『ドン・ジョヴァンニ』題名役、『コジ・ファン・トゥッテ』グリエルモ、二期会オペラ公演『ナクソス島のアリアドネ』『金閣寺』などに出演。CD『Kaku Toru Début』『加耒徹×ドイツ歌曲』をリリース。NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」出演。洗足学園音楽大学非常勤講師。二期会会員。

  • バッハ・コレギウム・ジャパン『メサイア』 ハレルヤ・コーラスより
    サントリーホール クリスマスコンサート 2019年12月23日開催

  • 『メサイア』2019年の公演より

『メサイア』を知るキーノート

『メサイア』2019年の公演より

2001年よりサントリーホールで毎年開催している『メサイア』公演のプログラムの中から、作品を楽しむヒントとなる読み物をご用意しました。
ヘンデル研究の第一人者・三澤寿喜による執筆では、曲目解説をはじめ、ハレルヤ・コーラス起立の由来、ヘンデルの人物像などの“こぼれ話”もご覧いただけます。
また、同じくヘンデル研究者の河村泰子が、クリスマスの風物詩『メサイア』の日本初演と演奏記録をご紹介。
ヨーロッパ文化史研究家の小宮正安は、「時代の申し子? 『メサイア』の誕生」と題して、メサイアが作曲された当時の社会状況に迫ります。
山野雄大(ライター〈音楽・舞踊評論〉)による “『メサイア』はやわかり” では、初めて聴くかたにもわかりやすく聴きどころを紹介しています。

『メサイア』2019年の公演より