ヘルスリテラシーとセルフケアとは?
企業が健康経営施策を実施する際のポイントを解説
ヘルスリテラシーとセルフケアは、従業員の健康維持に欠かせない土台です。健康施策を実施しても、従業員がその意義を理解していなかったり、自分に必要だと思えなかったりすると、行動につながりにくくなります。
この記事では、それぞれの基本的な概念と関係性を整理し、企業が従業員の健康意識を高めるために取り組むべき施策を分かりやすく解説します。
目次
ヘルスリテラシーとは?基本と重要性
ヘルスリテラシーとは、「健康や医療に関する正しい情報を入手し、理解して活用する能力」のことです※1。この能力は、自身の健康を維持・向上させるために、必要な情報を収集した上で、その情報を基に適切な意思決定や行動を行う基盤となるものです。
出典(※1): 東京都医師会 ヘルスリテラシーって何?
https://www.tokyo.med.or.jp/healthliteracy
ヘルスリテラシーを測定する代表的な指標に「ヘルスリテラシー尺度(HLS-14)」があります。この尺度は以下の3分野に分けられています。
1.機能的ヘルスリテラシー
医療や健康に関する情報を理解するために必要な基礎的な読解能力。たとえば、健康に関するパンフレットや記事を読み、基本的な情報を理解する力
2.伝達的リテラシー
情報を入手、伝達、適用する能力。たとえば、保健師とのやり取りやその他の情報源から、自分に必要な情報を引き出し、活用する力。また、医師に自分の症状を詳しく伝え、相談できる力
3.批判的リテラシー
情報を批判的に吟味する能力。たとえば、SNSで見かけた不確かな健康情報をうのみにせず、誰が発信しているか、根拠はあるかなどを確認できる力
現代はインターネットを通じて、誰もが膨大な健康情報に触れられる時代です。しかし、その中には科学的根拠に乏しい情報も混在しています。従業員には自己判断に頼ったり問題点を放置したりせず、健診結果に基づいて産業保健師や産業医に相談を行うなどの行動が求められます。現代のビジネスパーソンにとって、ヘルスリテラシーの向上は必須だといえるでしょう。
セルフケアとは?基本と実践方法
セルフケアとは、医療従事者や介護従事者の支援の有無にかかわらず、個人や家族、地域社会が、自らの健康を促進・維持し、病気を予防し、病気に対処する能力を指します。なお、この定義はWHO(世界保健機関)が提示しているものです。
日本では人生100年時代と言われる中、健康寿命を延ばすことや、医療費の増大を抑える観点からも、セルフケアの重要性が非常に高まっています。
セルフケアの実践例には、以下のようなものがあります。
・バイタルデータの記録
体温や体重、血圧、血糖値などを日常的に確認し、体調の変化に早く気付くようにする。
・生活習慣の改善
主食・主菜・副菜を意識した食事や、ウォーキングなどの無理のない運動を継続し、健康的な生活習慣を維持する。
・メンタルケア
自身のストレス状態に気付き、休息や趣味の時間を取り入れることで、心身の負担を軽減する。
また、セルフケアと関連が深い言葉に、セルフメディケーションがあります。
これは「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」を指します(WHOの定義による)。
たとえば、風邪のひき始めに適切な市販薬を飲んだり、栄養のある食事を取ってゆっくり休んだりする行動がそれにあたります。セルフメディケーションを意識することで、病気や薬に関する知識を自発的に学ぶ機会が増え、病院で診察を受ける際の予備知識を得られるなどのメリットもあります。
ヘルスリテラシーとセルフケアの関係
ヘルスリテラシーとセルフケアは、別々の概念でありながら強く結び付いています。セルフケアを「行動」とするなら、ヘルスリテラシーはその行動を支える「判断力」です。健康情報を正しく理解し、批判的に検討できる「ヘルスリテラシー」が備わって初めて、効果的な「セルフケア」が可能になります。
治療方法や薬の飲み方、検査結果などを正確に理解できれば、自己判断で薬をやめるなどの行動を防げます。また、自分の病気や治療方法について何が分かっていないか理解できれば、医師に適切な質問ができるでしょう。
つまり、ヘルスリテラシーが高ければ自分の健康状態を客観的に判断しながらのセルフケア、いわば適切な自己管理ができるようになり、結果として治療効果も高まりやすくなります。
一方で、ヘルスリテラシーが低い人は、自身の健康管理において大きなリスクを抱えがちです。たとえば、次のようなことが懸念されます。
・病気の初期兆候(予兆)に気付けず、症状を悪化させてしまう
・長期的または慢性的な病気の管理ができず、生活の質を低下させる
・健診結果の見方が分からず、異常があっても放置してしまう
このように、ヘルスリテラシーはセルフケアの土台であり、従業員の健康状態を左右する重要な要因になるといえます。
健康行動のばらつきをなくすヘルスリテラシー向上とセルフケアの重要性
企業側が健康施策を充実させたとしても、従業員によって参加率や健康への意識に差が出てしまい、問題となるケースは少なくありません。従業員全体の健康行動を促進するためには、ヘルスリテラシーを高め、セルフケアを促す取り組みが求められます。
ヘルスリテラシー不足が招く従業員の健康行動のばらつき
企業の健康施策が充実していく一方で、ヘルスリテラシーが十分でない従業員の場合、「情報はあるが、自分ごととして理解できず、行動につながらない」ということが起こります。結果として、健康意識が高い一部の層だけが施策に参加し、多くの無関心層は置き去りになりがちです。担当者側も「何をやっても響かない」と感じてしまい、従業員の間で意識や行動の差が広がることがあります。
従業員全体のヘルスリテラシーを高め、セルフケアを後押しすることで、健康意識が低い層にも健康施策や情報提供が「自分事」として認識されやすくなり、参加の裾野を広げる土台が整います。
行動変容についてはこちら
https://www.suntory.co.jp/softdrink/jihanki/solution/column/suntoryplus_07.html
無関心層へのアプローチに悩んでいる方はこちら
https://www.suntory.co.jp/softdrink/jihanki/solution/column/suntoryplus_01.html
企業にとってのメリット
ヘルスリテラシーやセルフケアを高める取り組みは、健康経営®の実践そのものです。これらの取り組みは「健康経営優良法人」の認定取得・維持においても評価対象となります。
また、企業が適切なヘルスリテラシー教育を行うことで、従業員は健康情報を理解しやすくなります。「なぜそれが自分に必要か」が腑に落ちるため健康意識が高まり、自発的に行動を変えるようになります。さらに、健康意識の向上は生活習慣病やメンタル不調のリスク低減につながり、欠勤や休職を減らす可能性も期待できます。
健康経営についてはこちら
https://www.suntory.co.jp/softdrink/jihanki/solution/column/suntoryplus_06.html
健康経営優良法人についてはこちら
https://www.suntory.co.jp/softdrink/jihanki/solution/column/suntoryplus_03.html
企業が取り組むべきヘルスリテラシー向上とセルフケア促進施策
ヘルスリテラシーとセルフケアは、片方だけを強化しても成果が出にくい領域です。正しい理解(ヘルスリテラシー)を整えたうえで、日常で実行できる仕組み(セルフケア)を用意することが、継続と定着の近道になります。企業側は「伝える」だけで終わらせず、従業員のレベルに合わせて「理解→実践→継続」の導線を設計することが重要です。
ヘルスリテラシー向上施策
ヘルスリテラシー向上施策を考える際は、その目的を明確にすることが重要です。たとえば「健診結果の読み解きと受診勧奨を強化したい」「メンタル不調の予防行動を増やしたい」など、狙いに応じて健康施策を設計します。そのうえで、従業員のヘルスリテラシーのレベルに合わせた取り組みを検討することで、効果が高まりやすくなります。
なお、信頼できる情報を提供し、理解する場としてワークショップやセミナー、オンラインコンテンツの配信などを組み合わせると効果的でしょう。難しい専門用語を避け、図解やよくある誤解を示すなど、理解のハードルを下げる工夫があるとより分かりやすくなります。
セルフケア促進施策
セルフケア施策は、ヘルスリテラシー向上施策で正しい知識を身につけた後に行うことで、納得感が高まり継続につながりやすくなります。また、施策には無理なく実践できる仕組みが必要です。ポイントは「やるべきこと」を増やすのではなく、「やりやすい環境」をつくることです。以下の施策例を参考にしてください。
食生活の改善を促す
・社員食堂で健康的なメニューを提供する(選び方の表示や「今日のおすすめ」で迷いを減らす)
・オフィスコンビニや自動販売機で健康食品を取り扱う(低糖質食品、トクホ飲料など選択肢を用意)
運動習慣を醸成する
・福利厚生として、フィットネスクラブ利用の補助金を出す(利用のハードルを下げる)
・チーム対抗ウォーキングイベントを開催する(競争や褒め合うことで楽しさを演出)
サントリープラスで実現する、ヘルスリテラシー向上とセルフケア促進
健康に関する取り組みは、「つらい」「ストイック」といったイメージが先行し、どうしてもハードルが高く感じられがちです。さらに、「情報が多過ぎて何をすればよいか分からない」「忙しくて習慣化が難しい」といった悩みも少なくありません。
サントリーの健康経営サービス「サントリープラス」は、こうした心理的・物理的な壁を取り除き、従業員が“気軽に・楽しく・前向きに”健康行動へ踏み出せるよう設計された仕組みです。
ヘルスリテラシー向上:日常の“気づき”を育てる仕組み
健康行動は「難しそう」「時間が取れない」と感じられやすいものです。
サントリープラスでは、こうしたハードルを下げるために、日常の中で取り組める約60種類の“超低ハードルな健康タスク”を用意しています。小さな行動を積み重ねる中で、
「これだけでも健康行動になる」「このくらいならできそう」といった気づきが得られ、健康への理解が少しずつ深まっていきます。
また、「適正飲酒」や「女性の健康」などをテーマとしたセミナーもあります。健康タスクとは異なる角度から従業員がヘルスリテラシーを高める機会として開催が可能です。
セルフケア促進:続けやすさを意識した工夫
健康に関する取り組みは、日々続けることが重要です。
サントリープラスでは、「簡単・褒める・思い出す」という3つの工夫を取り入れ、日々のセルフケアが続きやすい環境を整えています。
・簡単:日常に取り入れやすいタスク設計
・褒める:タスク達成時に前向きなフィードバックが返ってくる
・思い出す:アプリと職場の自販機へのポスター掲示による、オンラインとオフラインでのリマインド
こうした仕組みによって、利用者の継続率は89%と高い水準を保っています。
さらに、健康行動を実施することで貯まるポイントを職場のサントリープラス専用自販機で健康飲料と交換できる仕組みもあります。こうしたインセンティブが従業員の健康行動へのモチベーションを押し上げ、セルフケアの継続を促します。
健康行動を続けるための、ふたつの視点
サントリープラスでは、日常の小さな気づきを通じてヘルスリテラシーを高めつつ、続けられる仕組みでセルフケアの継続を促します。
こうした “気づく” と “続けられる” の両面が揃うことで、従業員の健康行動がより定着しやすくなるでしょう。
サントリープラスについてはこちら
https://www.suntory.co.jp/softdrink/jihanki/solution/suntoryplus/
資料請求はこちら
https://www.suntory.co.jp/softdrink/jihanki/solution/suntoryplus/document-request-form/
まとめ
ヘルスリテラシーの向上は、適切なセルフケアの促進に直結します。企業が教育の場と実践しやすい環境を整えることで、従業員の健康意識が高まります。その結果、日々の行動が変化し、生活習慣病の予防や組織の生産性向上へとつながっていきます。
サントリープラスなら、アプリ一つで従業員のヘルスリテラシー向上とセルフケアの促進へ同時にアプローチできます。「従業員の健康行動にばらつきがある」「無関心層へのアプローチに悩んでいる」という担当者の方は、まずはお問い合わせから始めてみませんか。
お問い合わせはこちら
https://www.suntory.co.jp/softdrink/jihanki/solution/suntoryplus/inquiry-form/
<コラムポリシー>
本コラムは一般的な情報提供を目的として作成したものであり、内容は当社の公式な方針・見解を示すものではありません。また、内容は掲載日当時のものであり、現状とは異なる場合があります。
「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

