企業の健康経営を成功に導く!
健康無関心層を動かす行動変容アプローチと事例

企業の健康経営を成功に導く!健康無関心層を動かす行動変容アプローチと事例

健康経営®を推進する企業にとって、従業員の「健康無関心層」への対策は重要課題です。従業員全体を母数として考えた場合、健康に無関心な層が施策に参加しないことで、母数に対しての施策効果が見えにくくなってしまうからです。本記事では、行動変容ステージモデルに基づく段階別アプローチや心理的なハードルを下げる工夫、効果を上げた企業の事例を紹介。健康に無関心な従業員を動かす方法を知りたい方は、ぜひお読みください。

健康無関心層の特徴と施策に参加しない理由

従業員の中には一定数、食習慣や運動に興味がなく生活習慣の改善意欲が低い「健康無関心層」が存在します。この健康無関心層に対して効果的と考えられるのが「行動変容アプローチ」です。

行動変容アプローチの解説の前に、まずは健康無関心層の特徴やそのリスクを見ていきましょう。

健康無関心層の特徴とリスク

特徴1:「こなすこと」が目的化している

健康診断は受けるものの、検査値異常や医師指導があっても「忙しい」「自覚症状がないから大丈夫」と考え、生活の改善には至りません。健診や面談を単に「こなすだけ」で行動変容につながらない点が問題です。

特徴2:健康施策を自分ごととして捉えていない

健康情報やセミナーなどは「自分には関係ない」「健康オタクの人向け」と考え、自分ごととして捉えないのが特徴です。「最初の一歩が踏み出せない」など行動へのブレーキが強い層も含まれます。

健康無関心層を放置すると、生活習慣病の発症リスクが高まり、将来的な医療費の増加や疾病による生産性低下につながります。また、体調管理が不十分な状態が続くことで、慢性的な不調や軽度の症状を抱えやすくなり、その結果として業務パフォーマンスの低下を招く可能性があります。
健康施策に関心のある層はもともと健康状態が良好であることが多く、企業として施策の効果をより高めるためには、いかに健康無関心層へアプローチしていくかが重要になってきます。無関心層が参加せず行動変容が起きない場合、施策の効果が現れにくく、ROI が可視化されないという課題につながります。

健康施策に参加しない従業員が増える背景

健康施策に参加しない従業員が増える背景

従業員が健康施策に参加しない要因はさまざまですが、大きくは次の4つの要因に分けられます。どれか一つだけではなく、網羅的にケアすることが大切です。

①心理的な要因
健康施策に参加しない従業員は、業務に追われていて健康施策を「余計なタスク」だと感じる傾向があります。特に義務として強く打ち出されると、「やらされ感」が生まれてしまい、参加を避けがちです。

②施策効果が分かりにくいことによる要因
健康経営施策の効果はすぐ出るわけではなく、中長期的に判断するものです。しかし、従業員にとって分かりやすいメリット(例:仕事のパフォーマンス向上、疲れにくさなど)が短期的に感じられないと、「やっても変わらない」と判断されがちです。ポイント付与や景品などインセンティブの獲得条件が複雑な場合も、不参加の要因となります。

③情報やコミュニケーション不足による要因
「健康イベントがあることを知らなかった」「どんな人向けなのか分かりにくい」といった情報・コミュニケーション不足があると、機会損失が発生します。

④組織文化や職場環境による要因
「健康施策に参加するのは真面目過ぎて浮く」といった同調圧力や、上司が「忙しいから健康施策への参加は後回し」という態度を見せる職場では、不参加が社内規範として強化されやすくなります。

行動変容ステージモデルで読み解く“動かない人を動かす”方法

ここまで説明したとおり、健康施策を打ち出しても動かない従業員数は一定数存在します。このように、行動しない人たちに対して、一律の施策で成果を出すのは困難です。

従業員を動かすには、一人ひとりの意識レベルに合わせたアプローチが必要となります。そこで有効な理論が「行動変容ステージモデル(Transtheoretical Model:TTM)」です。

行動変容ステージモデルとは?

行動変容とは、人の行動が変わることを指します。行動変容は、少しずつ段階を経ていくのが一般的です。行動変容ステージモデルでは、人は新しい行動を定着させるまでに以下の5つの段階を通ると考えられています。

  • 1.無関心期(前熟考期)
    行動を変えるつもりがない状態。否定的な見方や「自分は大丈夫」という認知が見られます。まずは「なぜ変える必要があるのか」を伝え、モチベーションの種をまく必要があります。

  • 2.関心期(熟考期)
    行動変容の必要性を認識し始めていますが、具体的に動く決断はしていません。不安や抵抗感が強いため、メリット・デメリットを整理し、内発的な動機付けを行うことが重要です。

  • 3.準備期(準備期)
    1か月以内に具体的な行動に取り組もうと決めて、実行計画を立てる段階。モチベーションが高いうちに、詳細な計画(いつ・どこで・何を)を立てる支援が効果的です。不安要素や障害があれば代替案を考えておき、行動開始後の挫折を防止します。

  • 4.実行期
    新しい行動を開始して、日常に取り入れようとしている段階。習慣として定着するにはまだ不安定です。継続を促すため、報酬制度や仲間とのつながり、進捗のフィードバックなどの仕組みが求められます。

  • 5.維持期
    少なくとも6か月以上、新しい行動を継続している状態。マンネリや環境変化による離脱を防ぐため、適度な刺激や成功事例の共有による動機付けを行い、行動の定着をサポートします。

段階別に行動変容を促すアプローチ

行動変容はステージごとに障壁が異なるため、工夫が必要です。前述の5つの段階ごとに、健康施策における考え方とアプローチ例を具体的に見ていきましょう。

1.無関心期:気付きを与える(データ・リスク提示)
「なぜ行動を変える必要があるのか」を理解してもらうステップです。
いきなり行動変容を促すのではなく、健診データや年代別のリスク、医療費や生産性への影響などリアルなデータを示し、「自分や会社の未来に関係する話だ」と感じてもらうようにします。「今の生活を続けた場合の未来」と「少し変えた未来」のイメージを対比して提示し、感情に訴えかけると効果的です。

2.関心期:モチベーションを高める
行動の先延ばしを回避するために、内発的な動機付けを行います。
同じ職場や同年代のロールモデル事例を共有し、モチベーションを高めましょう。身近な人の実体験は共感しやすく、自分に関わることとして捉えやすくなります。「どうやったら数値が改善したか」「何をしたら〇㎏減量できたか」といった体験談を聞くことで、「自分にもできそう」「やってみようかな」という気持ちが生まれます。
また、着手へのハードルが低い「ランチタイムに1分間のストレッチ」など、負担が極力少ない行動を提示することも、次のステップへの橋渡しとなります。

3.準備期:計画づくりと障害の洗い出し
従業員に「近いうちに始めよう」というモチベーションがあるうちに、何を・いつ・どのくらい行うかといった具体的な行動計画に落とし込みます。
健康行動の実施回数や時間帯、場所、内容などを具体的に決め、「漠然と不安で動けない」状態を解消し、実行へのハードルを下げます。また、「残業が多い」「家庭の事情で時間が取れない」などの障害要因を事前に洗い出し、代替案を共に考えることで挫折を防ぎます。

4.実行期:報酬やチーム戦で継続を支援する
継続のモチベーションを維持する工夫が必要な時期です。
新しい健康行動はまだ習慣として安定化しておらず、忙しさやライフイベントなどをきっかけに中断しやすい段階です。継続でポイントが貯まるなどの報酬や、仲間と競い合い称賛される仕組みによって、モチベーションを維持します。上司や人事からの言葉かけや社内表彰なども、実行期から維持期への移行を後押しします。

5.維持期:マンネリ防止と“当たり前化”の仕掛け
健康行動が習慣化する一方で、飽きや環境変化によって後戻りするリスクがある時期です。
季節ごとのテーマ(夏バテ対策、冬の冷え性解消など)の提供や、健康イベントのバリエーションを増やすなどの工夫が必要です。健康行動を持続している従業員の事例を共有したり、会社の制度に「健康的な働き方」の観点を組み込んだりして、個々の努力を組織文化として昇華していくことが維持期の活動を支えます。

健康無関心層への行動変容アプローチの実践方法

健康無関心層への行動変容アプローチの実践方法

行動変容ステージモデルの5つの段階と、それに対するアプローチ例を見てきました。ここからは、健康無関心層を動かすための仕掛けにはどのようなものがあるか、具体的に見ていきましょう。

心理的ハードルを下げる仕掛け

「義務」ではなく「楽しさ」や「お得感」を演出し、無関心層の自然な参加を促すアプローチが有効です。

ポイント付与やランキングなどゲーム的な仕組みを取り入れると、日常業務の合間に「つい参加したくなる」動機付けになります。目標歩数の達成や健康セミナー参加などでポイントが貯まり、社内の売店やカフェで使えるように設計すると、即時的なお得感から行動へのモチベーションとなります。

サントリープラスで実践する、心理的ハードルを下げる方法

サントリープラスでは、「朝起きて水を1杯飲む」「肩甲骨を寄せて広げる」といったごく簡単な健康タスクを提案。クリアするたびにアプリから褒められる仕組みです。毎日5回のタスククリアで月に約150回もの「褒め」が得られ、モチベーションが向上。タスククリアで貯まったポイントは健康飲料と交換できます。

また、自販機にアプリをかざすとすごろくで遊べる「健康クエスト」という機能では、止まったマスに応じてクイズやイベントを楽しむことができます。定期的に席を立って参加することで座り過ぎを防ぎ、社内の身近な自販機が「楽しく取り組める健康行動のきっかけ」に変わります。ゲーム感覚で自然と健康行動が実践できるため、従業員の健康行動に対する心理的ハードルも大きく下がります。

職場文化とコミュニティで行動変容を加速

個人では動かない無関心層も、集団心理や職場文化の力で動かすことが可能です。

ロールモデルの行動が影響力を持つため、管理職や同僚が率先して健康施策に参加して成功体験を共有すると、無関心層も「自分もやってみよう」と追従しやすくなるでしょう。また、社内SNSやイントラネットで健康行動の投稿を奨励し、いいねやコメントで承認を得られる仕組みを整えると、社会的証明(周囲がやっているから正しい)が働き、アクションにつながります。

部署ごとのチーム対抗ランキングを公開し、競争心や一体感を刺激して、個人では動かない無関心層も集団心理で参加するようになるケースがあります。また、職場文化として「健康行動が当たり前」の空気を醸成すると、「参加しない」という選択肢が減り、維持期への定着率も向上します。

サントリープラスで実現する、健康的な職場文化の形成

サントリープラスでは、社内ウォーキングイベント「歩こうフェス」の開催が可能です。チーム対抗で歩数を競う中で、社内で歩数についての会話が増え、無関心層が「自分も参加しよう」と考えるきっかけになります。

「歩こうフェス」開催で社内コミュニケーションが活性化された事例はこちら
https://www.suntory.co.jp/softdrink/jihanki/solution/suntoryplus/case6.html

デジタルツールで行動変容をサポートする仕掛け

スマホアプリやウェアラブルデバイスなどのデジタルツールを、日常の行動にシームレスに組み込むのも効果的です。
例えば、デジタルツールに表示される達成バッジが「小さな成功体験」の積み重ねとなり、セルフイメージを高められます。リアルタイムの進捗通知やリマインド機能も効果的です。

サントリープラスで実現する、従業員の行動変容

サントリープラスでは、スマホアプリで日々の歩数や実行した健康タスクを確認できます。毎日、何度も見るスマホから健康行動を思い出せる仕組みです。また、職場のサントリープラス専用自販機が、リアルのリマインド役となります。デジタルとリアル双方からの仕掛けで、忙しい業務の中でも健康行動を思い出すきっかけを最大化します。

企業事例に学ぶ行動変容の成功パターン

行動変容アプローチの理論やアプローチの仕方、具体的な実践方法を解説しました。次は、実際に従業員の行動変容に成功した事例を紹介します。

事例紹介:株式会社ポニーキャニオン

株式会社ポニーキャニオンでは、喫煙・飲酒の対策などを始めとした健康施策に取り組む中、根本的な健康への興味関心づくりに課題を抱えていました。サントリープラスを通し、「階段を使う」「水を飲む」など、体のために日々実践してほしいことをタスクとして達成してもらうことで、健康への関心づくりにつながればと考えたそうです。

実際に導入してみると、手軽に健康に向けた取り組みができると参加する人がいたり、ゲーム感覚でタスクを楽しむ人がいたりと、健康への意識が日常に浸透してきているとのこと。健康経営を社内に周知するという意味でも役に立っているそうです。

導入はイントラネットやサイネージでの告知、自販機へのポップ掲載などでアピール。らくらくスターターパックを利用していたこともあり、「アプリをダウンロードするだけで、健康飲料を何本ももらえる」という口コミが広がりました。らくらくスターターパックでは飲料クーポンが必ず当たる抽選くじが付いており、自販機で健康飲料に交換できるしくみになっています。なお、アプリは直感的に操作できる仕様のため、問題なく使えたとのことです。

らくらくスターターパックの導入から3ケ月目で実施されるイベント、「歩こうフェス」開催時にはアプリのダウンロード数が伸び、最終的に100名近くの従業員が参加。従業員からは「企画ありがとう」「歩くきっかけになりました」というコメントもあったそうです。

<担当者の声>コミュニケーションの活性化

サントリープラスでは「たい焼きのしっぽと頭のどちらから食べる?」などの2択から選び、健康行動の数を競う「健康フェス」が定期的に開催されています。社内では「どっちに投票しました?」という会話が生まれ、口コミが広がり多くの人がアプリを開くきっかけになりました。

特に効果を感じたのは、チーム対抗の社内ウォーキングイベント「歩こうフェス」を開催したとき。部署ごとにチームを分けたため盛り上がりは予想していたのですが、部署の垣根を越え、全体のコミュニケーションに発展とは正直想像していませんでした。

<担当者の声>「歩こうフェス」を開催して本当によかった

フェスの期間中は毎週、部署(チーム)と個人のランキングを発表。「隣の部署のAさんがすごい」「Bさんみたいに私も頑張ろう」と盛り上がる人もたくさん。ランキング上位者の中には、デスクワークの多い部署で働く方もおり、「いつこんなに歩いているの?」とコミュニケーションが生まれることも。「帰りは本社から5〜6駅先まで歩いています」という回答に対し、「私もやってみよう!」と刺激を受け、実践した方もいました。

他にも「週末、〇〇まで歩いてきたよ!」「帰宅後、△△までウォーキングするんだ」と社内で話しかけられることが増えました。健康はもちろん、社内交流が足りてないように感じていたので嬉しかったです。開催後も反響があり、この間も「またフェスやってよ!」と言われました。初めてのフェスで準備や告知も手探りでしたが、社内外の多くの方々の協力で皆さんに喜んでもらえるイベントになったと思います。

株式会社ポニーキャニオンの事例はこちら
https://www.suntory.co.jp/softdrink/jihanki/solution/suntoryplus/case9.html

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お問い合わせはこちら。

まとめ

健康無関心層は、単なる情報提供では動きません。ポイントは、行動変容ステージモデルに基づく段階別施策と、楽しさやお得感、コミュニティの力を活用した仕掛けだといえます。

・無関心期には「気づきを与える」
・関心期には「モチベーションを高める」
・準備期には「具体的な計画づくりと障害の洗い出し」
・実行期には「報酬やチーム戦で継続支援」
・維持期には「マンネリ防止と当たり前化の仕掛け」

健康経営の成功は、従業員一人ひとりの行動変容から始まります。 サントリープラスなら、こうした複雑な心理的アプローチをパッケージ化し、簡単に導入することが可能です。

サントリープラスの詳細はこちらをご覧ください。
https://www.suntory.co.jp/softdrink/jihanki/solution/suntoryplus/

※「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

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