認定を目指す企業必見!
健康経営優良法人のメリットと推進時の課題と解決策

認定を目指す企業必見!健康経営優良法人のメリットと推進時の課題と解決策

近年、企業の「健康経営」への取り組みは、採用力や企業価値の向上に直結する重要な戦略となっています。その中でも注目されているのが、経済産業省が推進する「健康経営優良法人認定制度」です。本記事では、制度の概要や認定の種類、企業が得られるメリット、さらに認定を目指すための具体的なステップまで詳しく解説します。認定を検討している企業担当者は必見です。

健康経営優良法人とは何か?

健康経営優良法人とは、国が関与する「健康経営優良法人認定制度」において、健康経営に積極的に取り組んでいると評価され、一定の基準を満たした法人として認定を受けた企業のことを指します。まずは制度が生まれた背景や目的、あわせて健康経営銘柄との違いを解説します。

経済産業省が推進する制度概要と背景

健康経営優良法人認定制度は、経済産業省が2016年に創設した制度です。企業が従業員の健康管理を「経営的な視点」で捉え、戦略的に実践する「健康経営」の普及・促進を目的としています。健康経営優良法人の認定は、経済産業省と有識者による健康経営推進検討会で定められた評価基準に基づき、日本健康会議が実施しています。

制度が創設された背景には、従業員への健康投資が企業の生産性や職場の活力などに影響を及ぼし、ひいては、企業の業績や社会的評価の向上につながるという考えがあります。企業による健康経営の取り組みを認定制度によって「見える化」し、社会的な評価を広く周知させることで、より多くの企業に健康経営を推進してもらう狙いがあります。

健康経営銘柄との違い

健康経営銘柄とは、東京証券取引所に上場している企業を対象とした評価制度で、投資家視点から健康経営に優れた企業を選定する点が特徴です。一方、健康経営優良法人認定制度は、上場・非上場を問わず、大企業から中小企業まで幅広い法人を対象としています。

この点から、健康経営優良法人は企業の規模を問わず認定を目指すことができ、より多くの企業が健康経営に取り組むきっかけになりやすい制度といえます。また、健康経営銘柄は投資判断に資する側面が強いのに対し、健康経営優良法人は、健康経営の実践状況を社会に分かりやすく示し社会的評価につなげることを主な目的としています。

健康経営優良法人の認定の種類と対象となる企業

この制度においては、企業規模に応じて「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」の2部門に分かれて認定が行われます。ここでは、それぞれの部門の違いと、近年の認定企業数の推移について紹介します。

大規模法人部門/中小規模法人部門の違い

大規模法人部門は、業種ごとに定められた従業員数の基準に該当する企業が対象となります。例えば、卸売業・サービス業は従業員数101人以上の企業が該当します。

一方、中小規模法人部門は、業種ごとに定められた従業員数または資本金(出資金額)のいずれかに該当する企業が対象となります。例えば、卸売業は従業員数100人以下または資本金1億円以下の企業が対象となります。

以下に、健康経営優良法人の申請区分について、「会社法上の会社等」または「士業法人」の場合の各業種における従業員数基準および資本金基準の詳細をまとめています。ご参考にしてください。

健康経営優良法人の申請区分を示す表。大規模法人部門と中規模法人部門について、業種ごとに従業員数基準と資本金基準がまとめられている。

出典:ACTION!健康経営(日本経済新聞社)https://www.kenko-keiei.jp/
※中小規模法人部門は 従業員数または資本金のいずれかの条件を満たせば対象となる。
※従業員数が大規模法人部門に該当し、かつ、資本金または出資金額が中小規模法人部門に該当する場合は、大規模法人部門・中小規模法人部門のいずれかに申請可能。

いずれの部門においても、認定要件として、「経営理念・方針」「組織体制」「制度・施策実行」「評価・改善」「法令遵守・リスクマネジメント」の5つの大項目が掲げられていますが、具体的な評価項目や求められる水準には違いがあります。

また、大規模法人部門には特に優れた企業を対象とする「ホワイト500」、中小規模法人部門には「ブライト500」という上位区分があります。さらに2025年度からは、中小規模法人部門に「ネクストブライト1000」が新設され、上位501位から1,500位までの企業が対象となりました。これは、健康経営に取り組む企業の裾野が広がる中で、次のステップを目指す企業への道筋を示す位置づけとされています。

認定企業数の推移

健康経営優良法人の認定企業数は、年々増加傾向にあります。「健康経営優良法人2025」として、大規模法人部門では、3,400件(前年比約14%増加)の法人が認定されました(※1)。
中小規模法人部門においても増加が続いており、19,796件(前年比約18%増加)の法人が認定されています(※2)。この数字からも、健康経営に取り組む企業が大企業だけでなく、中小企業においても着実に広がっていることがうかがえます。

出典(※1・2):健康経営優良法人認定制度について(経済産業省)
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/hyogo/kenkoudukuri/YuryoHojinSeminarR7-1.pdf
「健康経営優良法人2025」認定法人が決定しました(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/press/2024/03/20250310005/20250310005.html

健康経営優良法人に認定されるメリット

健康経営に取り組む企業が増えている背景には、対外的な評価や人材確保など、経営面でのメリットが期待できる点があります。健康経営優良法人に認定されることで企業はさまざまな側面で評価を受けやすくなりますが、ここでは代表的な4つのメリットについて見ていきましょう。

制度に紐づく社会的評価

健康経営優良法人に認定されることで、自治体や金融機関、取引先などからの信頼性の向上が期待されます。また、中小企業向けの補助金など一部の補助金制度では、認定企業が審査時に加点措置を受けられる場合があります。認定企業は経済産業省の公式サイトにも掲載されるため、対外的な信用力の向上にもつながる可能性があります。

採用力強化と人材確保への効果

健康経営優良法人の認定は、求職者に対して「従業員を大切にしている企業」であるという強いメッセージになり得ます。採用広報において認定実績を打ち出すことで、企業ブランドの向上も期待できます。また、健康経営施策の充実は従業員満足度や定着率の向上にもつながるため、結果として採用コストの抑制に寄与する場合もあります。

ESG・SDGsとの接点

健康経営は、企業のESG(※3)やSDGs(※4)への取り組みとも深く関わっています。特にESGの「S(社会)」は、従業員の働きやすさや健康、安全への配慮、人権への取り組みなどを指し、従業員の健康への配慮は重要な評価要素の一つとされています。

また、健康経営は「すべての人に健康と福祉を」といったSDGs(※4)の目標とも関連があり、企業が従業員の健康に配慮する姿勢は、ESGやSDGsの観点からも評価される取り組みの一つといえます。

※3:ESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の頭文字を取った言葉。企業を財務情報だけでなく、環境配慮や社会への姿勢、組織の健全な運営体制といった非財務面からも評価する考え方。
※4:SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、国連が定めた持続可能な開発目標のことを指し、2030年までに解決すべき17の国際目標が挙げられている。

従業員の健康意識向上

健康経営優良法人の認定を目指す過程では、さまざまな健康施策の導入や見直しが行われます。これにより、従業員一人ひとりが自身の健康を意識するきっかけにつながりやすくなります。例えば、ウォーキングイベントや運動を促すポスターの掲示などの取り組みは、健康意識の向上につながります。

健康経営優良法人の認定基準と申請スケジュール

健康経営優良法人の認定基準と申請スケジュール

健康経営優良法人の認定を目指す場合は、あらかじめ申請までの流れや認定基準を理解しておくことが重要です。ここでは、年間スケジュールと主な評価項目を紹介します。

健康経営優良法人認定までのスケジュール

認定スケジュールは、大規模法人部門と中小規模法人部門で共通です。健康経営ポータルサイト「ACTION!健康経営」の申請申込ページから必要書類をダウンロードし、書類に必要事項を記入してアップロードします。

申請期間は毎年8月頃から10月頃にかけて設定されています。大規模法人部門は「健康経営度調査票(従業員の健康に関する取り組みについての調査)」、中小規模法人部門は「健康経営優良法人(中小規模法人部門)認定申請書」を提出します。その後、審査期間を経て、翌年3月頃に認定結果が発表されます。なお、大規模法人部門においては、健康経営度調査に回答した法人に健康経営の実践レベル等を分析したフィードバックシートが、中小規模法人部門においては、「ブライト500」に申請した法人に対してフィードバックシートが送付されます。

健康経営優良法人認定基準の概要

主に次の5つの観点で構成されています。

経営理念・方針の明文化
経営層が健康経営に取り組む姿勢を明確にし、健康宣言などの形で社内外へ発信しているかが問われます。経営トップが関与していることを示すことで、社内の理解促進や継続的な取り組みにつながりやすくなります。

組織体制の整備
健康経営の推進責任者や担当部署が明確に定められ、産業医や保健師、健康保険組合などと連携できる体制が整っているかが確認されます。属人化を防ぎ、組織として継続的に推進できる体制づくりが重要とされています。

健康施策の実施と効果測定
定期健康診断の受診促進やストレスチェック、運動機会の提供、生活習慣改善の支援など、従業員の健康に資する施策が複数項目、継続的に実施されているかが評価されます。単発ではなく、継続性のある取り組みが求められます。

評価・改善(PDCAサイクルの運用)
健康診断結果やアンケートなどのデータを活用して施策の効果を確認し、課題を次の取り組みに反映できているかがポイントです。実施して終わりではなく、改善を重ねる仕組みが整っているかが重視されます。

法令遵守・リスクマネジメント(職場環境の改善)
労働安全衛生法などの関連法令を遵守し、長時間労働の是正やハラスメント防止など、安心して働ける職場環境づくりが進められているかが確認されます。健康経営の土台として、基本的な労務管理の徹底が求められます。

健康経営優良法人を目指すうえでよくある課題と解決策

健康経営を実践していく中では、経営層の関与や推進体制づくり、データ活用など、企業規模を問わず共通するつまずきやすいポイントがあります。ここでは健康経営の推進時によくある課題とその解決策について、健康経営サービス「サントリープラス」を導入し健康経営を推進した東芝産業機器システム株式会社の事例と共に見ていきます。

経営層の理解・関与に関する課題と解決策

経営層の理解・関与に関する課題と解決策

健康経営を進めるうえで多くの企業が直面しやすいのが、「経営層の理解や関与をどのように高めるか」という課題です。健康施策を実施していても、その効果が数値で示されていないと、経営層にとっては投資対効果が見えにくく、戦略的な施策として位置付けづらくなる傾向があります。その結果、十分なリソース投入や全社的な推進につながりにくくなる場合もあります。

こうした課題に対しては、従業員の健康施策への参加率などを可視化し、経営層が定期的に確認できる環境を整えることが一つの有効な方法です。また、健康経営が企業価値やESG評価とも関係する取り組みであることを担当者が経営層に共有すること、さらに、経営トップ自らが健康経営の取り組みについて社内外にメッセージを発信する仕組みを構築することも重要になります。

東芝産業機器システム株式会社では、当時の社長から「従業員がどれだけ継続できているかを数字で示してほしい」という指示が出たことをきっかけに、データの可視化に取り組みました。サントリープラスを導入し、歩数やアクティブ率をダッシュボードで確認できる環境を整えたことで、健康経営が経営戦略の一つとして社内で位置付けられるようになったとされています。

組織的推進体制の構築に関する課題と解決策

健康経営の推進が特定の担当者一人に依存してしまうと、担当者の異動や業務負荷の変化によって取り組みが停滞しやすくなります。また、複数拠点を持つ企業では、拠点ごとに取り組みにばらつきが出たり、全社での一体感が生まれにくかったりする点も課題になりがちです。

こうした状況を防ぐためには、本社に健康経営の責任者を置き、各事業所にも推進役を配置するなど、組織として支える体制づくりが重要です。加えて、保健師や産業医と連携し、健康診断結果やストレスチェックのデータを活用しながら、運動習慣や睡眠、メンタル不調率などのKPIを設定し、PDCAサイクルを回していくことが継続的な改善につながります。

全国に23拠点を持つ東芝産業機器システム株式会社では、川崎事業所でのトライアル導入の際、三重事業所の保健師も巻き込んだ体制づくりを進めました。三重事業所には全社1,400人のうち約70%の従業員が働いており、将来的な全社展開を見据えて、導入初期から23拠点への波及を意識した取り組みを行った点が注目されます。
サントリープラス導入後は、ウォーキングイベント「歩こうフェス」を川崎と三重の拠点間で合同イベントとして開催し、アプリDL率や歩数データを定期的に確認しました。「歩こうフェス」を開催したときには、各部署の朝礼で話題になり、期間中には「階段で行こうよ!」と誘い合う声もあったそうです。また、期間中は、順位とあわせて健康支援センターからウォーキングのメリットや各事業所で働く保健師の紹介など情報発信も行いました。その結果、記事を読んだ従業員の中から、少しずつ自身の健康課題について相談する人が出てきたとのことです。

データの整備・活用不足の課題と解決策

健康施策を実施していても、データの収集や分析の仕組みが整っていないと、「どの施策がどの程度効果を上げているのか」「次に何を改善すべきか」といった判断が難しくなります。その結果、施策が単発で終わってしまい、継続的な改善につながらないという課題が生じやすくなります。

この課題に対しては、健康管理アプリやウェアラブルデバイスなどを活用し、行動データを自動で収集・可視化する仕組みを導入することが有効です。アクティブ率や参加状況、人気の健康タスクなどをダッシュボードで確認し、レポートとして共有することで、現場と経営層が同じデータをもとに施策を検討できるようになります。

東芝産業機器システム株式会社では、サントリープラスNaviを活用して、アクティブユーザー数や人気タスクの傾向を定期的に分析しています。その結果をもとに、次に実施する健康施策の内容を調整するなど、データに基づいたPDCAサイクルが定着し、健康施策の精度向上につながっているとされています。

東芝産業機器システム株式会社の事例はこちら
https://www.suntory.co.jp/softdrink/suntoryplus/case8.html

まとめーサントリープラスで始める健康経営

健康経営優良法人認定は、企業の健康経営を「見える化」し、社会的評価や信頼性を高める有効な制度です。しかし、健康経営優良法人認定には、いくつものハードルがあり、推進には時間と労力が必要です。だからこそ、認定を目指すうえで欠かせないのが、健康施策の実施とその効果測定を含むPDCAの運用です。

健康経営サービス「サントリープラス」はスマートフォンを通じて、従業員が自発的に健康行動に取り組みやすい仕組みを提供するサービスです。従業員用アプリでは、「よく噛んで食べる」「仕事の合間に水を飲む」「いつもより早く歩く」といった日常の中で実践しやすい健康タスクが提供されるため、従業員一人ひとりが自分のペースで取り組めます。個人やチーム対抗で歩数を競うウォーキングイベント「歩こうフェス」の開催も可能です。

また、健康経営を推進する担当者の業務負担を軽減するための管理機能「サントリープラスNavi」では、アプリの利用率や歩数、従業員の声などをダッシュボード上で確認できます。「歩こうフェス」など各種健康施策の申し込みもオンラインで完結できるなど、運営の手間を抑えながら継続的な施策実施をサポートします。

サントリープラスについてはこちら
https://www.suntory.co.jp/softdrink/jihanki/solution/suntoryplus/

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※1 サントリープラスアプリ利用データより抜粋(当社にて実施) 調査人数:13,786人 調査対象期間:2023年9月1日~2024年2月29日継続の定義:利用開始から1か月後の1か月間にアプリを1回以上起動

※2 サントリープラス利用者アンケート調査(当社にて実施) 調査対象者:サントリープラス導入A企業従業員様 調査対象人数:222人 調査対象期間:2020年8月~2020年11月