考え方・方針
社会貢献活動方針
サントリーグループは、創業精神「利益三分主義」のもと、地域社会への貢献や文化、芸術、スポーツ振興、被災地支援活動、環境活動などに積極的に取り組み、社会・自然との共生を図ってきました。サントリーグループの社会貢献活動はさまざまな社会的課題の解決に貢献するとともに、サントリーグループが展開する事業の持続的な発展にも寄与すると考えています。
サントリーグループ社会貢献活動方針
サントリーグループは、創業者の「利益三分主義」の精神を受け継ぎ、人々が心豊かに暮らしを楽しむことのできる社会の実現に寄与するため、社会貢献に積極的に取り組んできました。
私たちは、企業理念に掲げる『人と自然と響きあい、豊かな生活文化を創造し、「人間の生命の輝き」をめざす』ため、お客様に最高品質の商品・サービスをお届けするとともに、心豊かな社会と持続可能な地球環境の実現に向けて、グローバルに社会的責任を果たしていきます。
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1.「文化・芸術振興」「スポーツ振興」「社会福祉」「自然環境保全」「ダイバーシティ」「被災地支援」の分野を中心に、次世代育成の見地と地域の実情をふまえた活動を、従業員とともに推進しています。
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2.ステークホルダーとの対話を重視し、連携・協働に取り組んでいます。
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3.従業員の多様なボランティア活動を支援しています。
取り組み
社会貢献・社会福祉
社会福祉法人を通じた支援
社会福祉法人 邦寿会
「邦寿会」は1921年(大正10年)、サントリーの創業者・鳥井信治郎が社会奉仕への強い信念のもと生活困窮者救済のために大阪市愛隣地区に無料診療院「今宮診療院」を開設したことから始まりました。「邦寿会」という名前は、鳥井信治郎の妻・邦(クニ)の名と当時の社名「寿屋」の「寿」をとって命名されました。戦後の混乱期には、戦災者・海外引揚者・身寄りのない方のために宿泊施設などを提供し、その施設は、母子寮・養護老人ホーム・保育園へと受け継がれていきました。以降も社会福祉法人として活動を続け、現在は高殿苑(特別養護老人ホーム・1974年開設)、どうみょうじ高殿苑(総合福祉施設・2008年開設)、旭区西部地域包括支援センター(2011年4月に大阪市から受託)、つぼみ保育園(1975年開設)を運営しています。
また、時代のニーズに応え、訪問介護・通所介護・居宅介護支援などの在宅介護サービスにも力を入れています。2017年春、高殿苑、つぼみ保育園は新築移転を経て、さらに特色のある快適な施設・豊かな感性を育む保育を目指しています。
2021年、大阪市内で最初の社会福祉活動を行った法人「邦寿会」は創立100周年を迎えました。
近年では、地域住民に向けた体操教室や健康講座、認知症予防セミナー、子育てサークルのような活動も行っています。「たかどの5丁目食堂」や「高殿苑ひろっぱ」では、食事提供に加えて、遊びやイベント、体験を通じた子どもの居場所づくり、学習支援にも取り組んでおり、地域に密着した子育て支援も行っています。邦寿会の理念である「笑顔と思いやり、共に暮らし、安らぎと喜びを分かち合う」を実践し、地域社会へ貢献すべく活動を推進しています。
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特別養護老人ホーム 高殿苑と
つぼみ保育園 -
総合福祉施設 どうみょうじ高殿苑
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旭区西部地域包括支援センター
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高殿苑「たかどの5丁目食堂」
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どうみょうじ高殿苑「ひろっぱ秋祭り」
フードバンク活動に協力し、児童養護施設等に当社の商品を寄贈
サントリーグループでは、フードバンク活動に取り組んでいるNPO法人 セカンドハーベストジャパンを通じて児童養護施設や福祉施設、コミュニティセンター、被災地などに対して、清涼飲料をはじめとした食品を寄贈しています。きました。寄贈する商品はあくまで市販品と同じ品質であることを条件とし、その品質保証やお客様対応なども市販品と同様に行っています。
また、社員のボランティア活動として、ひとり親家庭のためのフードバンク「グッドごはん」を運営する認定NPO法人グッドネーバーズジャパンの活動を支援しています。毎年夏休みなどの長期休暇前や年末にひとり親世帯・子どもに多くの食品・飲料を寄贈する取り組みを実施しています。
都内児童養護施設への寄贈
チャリティ・ボランティア活動の実施
サントリーグループでは、チャリティイベントを通じた地域貢献活動を継続して行っています。
社員のボランティア活動
サントリーグループでは、「利益三分主義」という大切にしている価値観に基づき、さまざまな社会貢献活動を行っており、同時に社員一人ひとりもGood Personとして社会と豊かな接点を持つことが大切だと考えています。
全社で推進している「働き方改革」によって創出した時間を、新たな価値に触れ、自身の成長につなげる機会とすべく、社員のボランティア参加を積極的に推奨しています。ボランティア活動を支援するボランティア休暇の制度も取り入れており、2024年度には22名の従業員が延べ32日間のボランティア休暇を活用しました。
今後さらに制度の認知向上と利用促進に取り組み、地域社会とのつながりを深めていきます。
- ボランティアウエブ、寄付サイトの展開
従業員が気軽にボランティアに参加できるように、エリア別、日程別にボランティアを紹介し、申し込みもできるサントリー従業員向けのボランティアウエブを開設しています。会社や自宅でできるボランティアや、ひとり親貧困家庭への食品寄贈や、年末に「たすけあい月間」を設定して社会課題に取り組む団体への寄付を集める「寄付サイト」も開設しています。
- 関連団体・関連イベントでのボランティア
社会福祉法人「邦寿会」が運営する高齢者福祉施設や保育園では、毎年サントリーグループの従業員が園芸、窓拭き、運動会の運営サポート等の作業を施設職員とともに実施しています。
グループの新入社員も各施設で邦寿会の歴史・創業者の社会貢献への思いを研修した上で、道路の清掃や草抜きなどのボランティア活動に参加しています。
- 自然災害被災地でのボランティア
2018年西日本豪雨、2019年台風19号発生後、会社として実施した義捐金拠出や商品供給だけでなく、社員一人ひとりが被害を受けた方々の助けとなることを目的として、ボランティアを派遣。2年間で200名を超える社員が、岡山県、栃木県、長野県などで、被害にあわれた住宅の床下の泥かき、家具の撤去、リンゴ畑の清掃活動などを行いました。
2024年に発災した能登半島地震の被災地支援についても、年初の寄付サイトの募集で約730万円の寄付が全国の従業員から寄せられました。現地被災家屋の片付けなどを行う被災地支援ボランティアには、約200名が参加しました。
- 全国の事業所での美化活動ボランティア
全国にあるサントリーグループの各事業所では、周辺の清掃をはじめ、自治体が主催するごみ拾いへの参加など、環境美化に取り組んでいます。
- 社員のNPOへの出向
2024年より、次世代エンパワメントの活動に、同じ課題意識をもつNPO法人に対して、社員の出向を開始しました。2024年は3団体に各1名が出向。次世代エンパワメント活動に協働で取り組むNPO法人に対する人的支援として、今後も行っていく予定です。社員にとっても、サントリーとしても、より一歩踏み込んだ社会参画となっています。
- 海外のサントリーグループの取り組み
サントリーグローバルスピリッツ社では、“Together for Good”をスローガンに12か国で社員約1,000人が地域社会貢献の活動に参加しました。
またヨーロッパのサントリー食品ヨーロッパでは、ボラン独自のボランティアプラットフォームを構築し、“Do Good”を掲げて、約1,000人の社員が、社会貢献を行っています。
サントリーレディスオープンゴルフトーナメント
1990年に始まった「サントリーレディスオープンゴルフトーナメント」は、1995年の阪神・淡路大震災以降2010年まで、アマプロチャリティトーナメントのエントリーフィ、チャリティコーナーの売上金などを、神戸市の震災復興、安心・安全なまちづくりにお役立ていただきました。
2011年からは東日本大震災で甚大な被害を受けた被災地への支援として、宮城県名取市・仙台市に消防用車両などを寄贈しました。2016年からは熊本地震被災地および東日本大震災への復興支援等を実施しています。コロナ禍では、兵庫県へ医療従事者支援のため寄付を実施し、現在は、次世代のジュニアゴルファー支援やゴルフ界発展のための支援などを行っています。
このように、時代の課題にあわせたチャリティ活動を展開しています。
宮城県名取市に寄贈した消防車両
サントリードリームマッチ
1995年から開催しているイベント「サントリードリームマッチ」では、ビールや飲料、グッズ、チャリティシートなどの売上金や出場選手サイン入りユニフォームのチャリティオークション収益の一部を活用し、プロ野球のOB選手による子どもたちの野球教室・キャッチボール教室開催などを中心としたチャリティ活動を実施しています。
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2025年4月に大阪府で開催した
野球教室の様子 -
チャリティ金を活用した被災地での
キャッチボール教室
被災地支援
サントリーグループでは、東日本大震災・熊本地震・能登半島地震からの復興に向けて、継続的な支援を展開しています。
主な義捐金の拠出
| 年 | 件名 | 寄付金額 | 寄付相手先 | ニュースリリース |
|---|---|---|---|---|
| 2010 | 2010ニュージーランド南島大地震 | 325万円 | Christchurch earthquake appeal fund | |
| 2010 | 宮崎県における口蹄疫被害 | 1,000万円 | 宮崎県、社会福祉法人宮崎県共同募金会 | 宮崎県における口蹄疫被害に対する義捐金について |
| 2010 | チリ大地震 | 500万円 | チリ大使館 | チリ大地震による被害に対する義捐金について |
| 2010 | ハイチ大地震 | 1,000万円 | 日本赤十字社 | ハイチ大地震の被災地に対する義捐金について |
| 2011 | タイの洪水被害 | 約250万円 | タイ王国政府 | タイの洪水被害に対する支援について |
| 2011 | 2011ニュージーランド南島大地震 | 620万円 | ニュージーランド赤十字社 | ニュージーランド地震に対する義捐金について |
| 2011 | 豪州・クイーンズランド州における洪水被害 | 800万円 | クイーンズランド州 The Premier's Disaster Relief Appeal | 豪州・クイーンズランド州の洪水被害に対する義捐金について |
| 2011~ | 東日本大震災 | 2011年 43億円 2012年 20億円 2013年 25億円 2014年 20億円 (累計108億円) |
岩手県、宮城県、福島県、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンほか | 東北地方太平洋沖地震に対する義捐金について |
| 2014 | 広島における土砂災害 | 100万円 | 中国新聞社会事業団 | |
| 2015 | ネパール大地震 | 300万円 | ネパール地震被災救済基金 | |
| 2016 | 熊本地震 | 2016年5月 1億円 2016年10月 3億円 |
熊本県 | 熊本地震復興支援「サントリー水の国くまもと応援プロジェクト」開始 |
| 2017 | 九州北部豪雨災害 | 福岡県(500万円) 大分県(500万円) |
福岡県、大分県 | 九州北部豪雨災害被害に対する義捐金について |
| 2017 | 米国大型ハリケーンによる被害に対する支援 | 約1億1千万円(100万ドル) | アメリカ赤十字社 | 米国大型ハリケーンによる被害に対する支援について |
| 2017 | メキシコ地震による被害に対する支援 | 約2,200万円 (20万ドル) |
メキシコ赤十字社 | メキシコ地震による被害に対する支援について |
| 2017 | バージン諸島ハリケーン Maria | 約5500万円 (50万ドル) |
バージン諸島復興基金 | |
| 2018 | 平成30年7月豪雨(西日本豪雨) | 9億円 (広島、岡山、愛媛に各3億円) |
広島県は日本赤十字社広島県支部 岡山県、愛媛県は各県窓口 |
「平成30年7月豪雨」に対する義捐金について |
| 2018 | 平成30年北海道胆振東部地震 | 1億円 | 北海道 | 「平成30年北海道胆振(いぶり)東部地震」に対する支援について |
| 2018 | 台風21号の被害を受けた「御堂筋のイチョウ並木」に対する支援 | 約5,000万円 | 大阪市 | 台風21号の被害を受けた「御堂筋のイチョウ並木」に対する支援について |
| 年 | 件名 | 寄付金額 | 寄付相手先 | ニュースリリース |
|---|---|---|---|---|
| 2019 | 台風15号に対する支援 | 5,000万円 | 千葉県 | 「令和元年台風15号」に対する支援について |
| 2019 | 台風19号に対する支援 | 5億5,000万円 | 岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、神奈川県、新潟県、長野県、静岡県(各5千万円) | 「令和元年台風第19号」に対する支援について |
| 2020 | オーストラリアの森林火災による被害に対する支援 | 約3,750万円 (50万オーストラリアドル) |
オーストラリア赤十字社 ニューサウスウエールズ州森林火災消防団体 ニューサウスウエールズ州野生動物保護団体 |
オーストラリアの森林火災による被害に対する支援について |
| 2020 | 熊本豪雨に対する支援 | 5,000万円 | 熊本県 | 熊本豪雨に対する支援について |
| 2021 | インドでの新型コロナウイルス感染症拡大に対する支援 | 約6,540万円 (60万米ドル) |
British Asian Trust Confederation of Indian Industry National Restaurant Association of India |
インドでの新型コロナウイルス感染症拡大に対する支援について |
| 2021 | 米国の竜巻による被害に対する支援 | 100万米ドル (約1億1,400万円) |
Team Western Kentucky Tornado Relief Fund※ アメリカ赤十字社
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米国の竜巻による被害に対する支援について |
| 2022 | トンガ海底火山噴火による被害に対する支援 | 1千万円 | トンガ王国 | トンガ海底火山噴火による被害に対する支援について |
| 2022 | ウクライナにおける人道支援活動への寄付 | 総額約7,000万円 | ウクライナ 国際連合世界食糧計画WFP協会 (国連WFP協会) |
ウクライナにおける人道支援活動への寄付について |
| 2023 | 米国ハワイ州マウイ島の山火事による被害に対する支援 | 7万米ドル (約1,020万円) |
ハワイコミュニティ財団「マウイストロング基金」 | 米国ハワイ州マウイ島の山火事による被害に対する支援について |
| 2023 | メキシコ南部のハリケーンによる被害に対する支援 | 10万米ドル (約1,510万円) |
メキシコ赤十字社 | メキシコ南部のハリケーンによる被害に対する支援について |
| 2024 | 令和6年能登半島地震による被害に対する支援 | 5千万円 ミネラルウォーター「サントリー天然水」約18万本など |
被災地 | 令和6年能登半島地震による被害に対する支援について |
| 2024 | 令和6年能登豪雨による被害に対する支援 | 5千万円 | 被災地 | 令和6年能登豪雨による被害に対する支援について 2024年9月24日 ニュースリリース サントリー |
災害時に飲料を無料提供
サントリーフーズ(株)では「緊急時飲料提供ベンダー(自動販売機)」を開発し、設置を進めています。普段は通常の自動販売機同様に飲料を販売し、災害発生などの緊急時には無料で飲料を提供。電源が落ちた場合でも、簡単に飲料を取り出せます。行政施設や病院などを中心に設置を進めています。
緊急時飲料提供ベンダー
工場周辺地域との共生
サントリーグループの主要工場では、地域住民の皆さまとの積極的な対話に努めているほか、工場内に造成した公園・遊歩道を開放するなど、地域交流の場を提供しています。新たに工場を建設する際には、第三者による環境影響評価を行い、周辺住民の皆さまにご理解いただくとともに、生物多機性の保全や工場内の緑化など自然との共生に努めています。
工場緑化の推進
サントリーグループの工場では、生物多様性にも配慮し、地域の環境と調和した緑化を進めており、緑化優良工場として各地で表彰を受けています。
緑化優良工場等表彰
| 表彰年 | 表彰工場 | 表彰名 |
|---|---|---|
| 1987 | 利根川ビール工場 | 東京通商産業局長賞 |
| 1989 | 白州蒸溜所 | 内閣総理大臣賞 |
| 1993 | 梓の森工場 | 通商産業大臣賞 |
| 2002 | 山崎蒸溜所 | 経済産業大臣賞 |
| 2006 | 九州熊本工場 | 日本緑化センター会長賞 |
| 2008 | 高砂工場 | 日本緑化センター会長賞 |
| 2014 | 利根川ビール工場 | 経済産業大臣賞 |
| 2014 | 九州熊本工場 | 経済産業大臣賞 |
| 2014 | 榛名工場 | 日本緑化センター会長賞 |
| 2019 | 九州熊本工場 | 内閣総理大臣表彰 |
| 2023 | 北アルプス信濃の森工場 | 日本緑化センター会長賞 |
その他の緑化関連表彰
| 表彰年 | 表彰工場 | 表彰名 | 主催 |
|---|---|---|---|
| 1986 | 九州熊本工場 | 緑化優良工場九州経済産業局長表彰 | 九州経済産業局 |
| 1997 | 利根川ビール工場 | 全国植樹祭開催記念 環境緑化コンクール特別大賞 |
群馬県 |
| 2005 | 九州熊本工場 | くまもと景観賞・地域景観賞 | 熊本県 |
| 2011 | 天然水奥大山ブナの森工場 | 日本緑化工学会賞(技術賞) | 日本緑化工学会 |
| 2018 | 九州熊本工場 | くまもと環境大賞 | 熊本県 |
工場見学を通じてお客様と対話
おいしさや安全へのこだわり、自然環境への配慮など、商品を通じた取り組みを多くの方に知っていただくため、ビール工場・ウイスキー蒸溜所・ワイナリー・天然水工場などで工場見学を実施しています。製造工程を見学しながら、ものづくりのこだわりについて分かりやすくご説明するほか、試飲などをお楽しみいただけます。また、ビールづくりのこだわりや、ウイスキーの楽しみ方などを学べる特別セミナーも開催しており、年間約66万人のお客様にご来場いただいています。
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天然水工場での工場見学
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ビール工場での特別セミナー開催


