サントリースポーツの活動に込められた「想い」とその未来図を、様々な視点からロングインタビュー形式で掘り下げる<SPIRITS OF SUNTORY SPORTS>シリーズ。
第5弾、サントリーサンバーズ大阪・栗原圭介ゼネラルマネージャーと、サントリー株式会社スピリッツ・ワイン開発生産本部大阪工場・矢野哲次工場長の2人による、異業種クロストーク後半です。
――工場長になられて、これまでとは変わりましたか?
矢野:変わったというか、私は幸いなことに新入社員の時がビール工場で、梓の森工場で技師長をやらせてもらって、そして今、大阪工場で工場長をやらせてもらっています。工場の運営については、今までの経験が活かせています。
工場長としては、全体を見て本当に困っていることはないか?と気を遣いながらやっています。先ほど言ったようにコミュニケーションを取り、ひとりひとりがモノを言いやすいような心理的安全性を高め、何でも言えるような雰囲気を工場として作ってあげることが大事です。
――GMの元では、現在強いバレーボールチームができていますが、チームを作る上でいちばん大切にしていることは何ですか?
栗原:ちゃんとした目標がみんなに落とし込めているかというところが、いちばん大事だと思います。あとはチームづくりにおいて、コミュニケーションと環境作り、職場の雰囲気作りが出来ていないと、結果は出ないと思います。
――目標が一緒ということは、事業面でも世界を目指すということですか?
栗原:事業のところは比較が難しいですし、強化が中心の考え方ではあるんですけれど、売り上げで言うと、日本の市場のチケット価格が高くて海外は安いので、すでに世界を超えているところはあります。ただ何をもって事業面で世界一と言うか、指標が難しいですね。盛り上がり方もどう盛り上がったら世界一か、そこははっきりしていません。そういった意味では、事業側は金額ベースでの目標設定をしています。集客の人数とチケットの売り上げなどですね。
矢野:先日の日曜日は多かったですね。8,000人近く入っていましたね。
栗原:ホームゲーム最終戦にして、クラブレコードの来場者数にいきました。7,839人でした。
――その秘訣は何ですか?
栗原:秘訣は、そこに関わるメンバーのこだわりですね。最終戦で去年を超すか超さないかというところで、最後はみんながお客さんを呼びまくって、そこは事業グループの執念でしたね。協力会社さんも含めて、絶対に達成するぞ!みたいな。前の週から両日満席にしなければ厳しいという話をしていて、前日も7,400人くらいの来場がありました。クラブとしてはその時の2番目の集客数でした。ですから最後はみんなの意地かなと(笑)。
――GMとしていちばん嬉しい時はそういう時ですか?
栗原:そうですね。今は上にいる立場ですけれど、やっぱりメンバーたち、選手たちが結果を出すことが快感です(笑)。
――工場長にとっていちばん嬉しい時はどんな時ですか?
矢野:新製品を製造する際にも、いろいろな困難があります。瓶の形状に合わせてラベルが貼れるか。それができなかったら、商品を棚に並べられないです。みんなが一生懸命やってくれた結果、納期通りに棚に並んでいる。それだけで嬉しいですね。新しいスピリッツ・リキュール工房もしっかり立ち上がり、みんなの努力が報われました。当たり前のようであって、なかなか難しいことです。
――GMもお酒は飲みますか?
栗原:飲みますね。基本的に家では飲まないんですが、外で飲むことが多いので、家でも飲んだら身体に良くないなと。ちょっとの量じゃ満足しないので、家では飲まないです(笑)。
――それはチームの成績は関係ありませんか?
栗原:関係なく、ですね。
――工場長はどうですか?
矢野:飲みますね. 家でも飲みます。あとはいろいろなイベントがあれば必ずメンバーと飲みに行くようにしています。久しぶりに生産部に人がきたということでも飲みに行きます。飲みニケーションですね。
――お二人とも、選手を育てる、お酒を育てる、チームを育てるというときに、時間についてはどう意識していますか?
栗原:待ちますけれどせっかちなので、早くしてって言っているように受け取られているかもしれないですね。
――成果が出ない時に指導者を変えたりしますか?
栗原:そこは無いですね。そこは長いスパンで、中長期的に見て、こういうチームを作りたいという中での人選をしているので、結果が出ないからと言ってサヨナラということはないです。ただ、今チームとしては結果を出てしますけれど、やっぱりポイントポイントではどうなんだろうと思うことはあります。その時には、まず会話ですね。自分が思っていることはこうだけれどということを伝えて、かみ合っていないところを聞きます。
――工場長の時間との戦いは?
矢野:なるべく中長期で考えたいと思っています。先を見て、この工場の進むべき方向性はどこか、若物の成長につながることは何か、少し先を見ながら考えていく。工場長の役割はそういうことと思っています。
――そういうところは、どうやって思いついたり、勉強したりしているんですか?
矢野:情報収集ですかね。それは世間一般の政情や技術の動向を集めることや、メンバーひとりひとりの声も集めなければいけないと思っています。アメリカの工場長も意外にメンバーを、細かく気を遣っていました。毎月、その月の誕生日の人を集めてドーナツやサンドイッチを振舞ったり、みんなから情報を集め、コミュニケーションを取っていました。勉強というか、いろいろな多様性というか、自分の凝り固まった概念じゃなく吸収していくという姿勢が、学ぶということだと思います。
――GMはどうですか?
栗原:バレーの話で行くと、やはり最先端なところを見たり聞いたりするということでは、毎年海外に行かせてもらっています。イタリアやポーランド、トルコ、リーグが盛り上がっているのがこれらの国なので、現地に行って話をしたりしています。
自身の成長という意味では、今回のようなぜんぜん違う分野の方と接することが多くなっています。あとはパートナーの社長さんたちとご一緒することが多いので、そういった方たちの考え方を自分に入れられるところは入れる。こういう考え方もあるんだなと物事を考えたり、言葉を選んで発信したりということが多いですね。スポーツじゃない人の方が面白いですね(笑)。スポーツだとある程度は知っていることが多いので、新たな刺激という意味では、まったく違う分野の方とコミュニケーションを取る方が、かなり自分の成長に繋がっていると思います。
――そういう体験をされながら、新たにやってみたいことは?
栗原:今は世界でどうチームが飛躍するかを考えています。それで言うと、昨年はイタリアのペルージャとパートナー契約を結びました。それがひとつの事例ではありますが、いろいろなところとやろうとは思っていません。今はそのペルージャが実質世界ナンバーワンクラブで、まだ親善試合しか出来ていないので、人材交流をして、私だけじゃなく選手や他のメンバーも触れる機会を増やしていって、そういった考えを持っている人材を増やしていきたいと思っています。
――あらためてサントリーらしいバレーボールとは何でしょうか?
栗原:やっぱりおもろいバレー。お客さんはひとりひとり見るところが違うので、トータルとして素晴らしいとか、あるいは先ほど矢野さんがおっしゃったジャンプ力とか、いろいろ出てくると思います。僕はあまりジャンプ力は見ませんが(笑)、そういったひとりひとり、誰が見ても素晴らしい、面白いとか、当然飲食もありますし、抽象的な言い方になってしまいますが、サントリーのバレーはやっぱり他と違うよね、ということではないでしょうか。
選手ひとりひとりに特徴があるので難しいのですが、挑戦していると、新しいことをやっている、そういう部分がホームゲームでお見せすることができたらなと思います。あるいは選手じゃなくて、事業の方かもしれませんが、行ったら楽しいことがあるよねというチーム、空間作り、ホームゲーム作りをしたいと思っています。選手が個性的でいろいろな選手がいて、今の若い選手たちとの会話は難しいんですが(笑)、そういうところも面白いですよね。
――サントリーらしいジンってどんなジンですか?
矢野:根本には90年以上継続した、様々なジンの製法があり、それぞれ厳選素材をどういう蒸留の仕方をしたら良いのかを突き詰めて、いちばん美味しい状態で原料酒を製造している。その一つひとつ個性のある原料酒の技術を集めて、ベストバランスでブレンドしたROKUという製品はサントリーらしい商品だと思います。サントリアンも一人ひとりに素晴らしい異なる個性があってチームになっても良いバランスで仕事を高めている. 本当にROKUというお酒は、サントリーらしいお酒なんじゃないかなと思います。
――もしサンバーズをイメージしたスピリッツを作るならば、どんなものですか?
栗原:ジンって、色は透明ですか?
矢野:透明ですね。やっぱりチームが爽やかで、仲も良いですよね。そんなイメージがあるので、少し爽やかなペパーミントとかを効かせたジンなんてどうでしょうか。美味しいかどうかはわからないですけれど(笑)。
――GMにとって、サントリーの良さは何だと思いますか?
栗原:会社として人を育てるという部分があって、本当に良い人が多いと思います。当然、やってみなはれという言葉はありますけれど、人の温かみというか、社員ひとりひとりが、僕が見る限りでは本当に生き生きしている会社で、そこのエネルギーがとても強いと思っています。
――マネジメントの立場から見て、なぜ生き生きしていたり、エネルギーが強いのでしょうか?
栗原:会長、社長のメッセージもそうで、本当に従業員を大切にしていると伝わってきます。それに対して、みんなが応えようとしている。それぞれの立場、それぞれの部署で応えようとしているというのが根本にあると思います。みんな会社のことが大好きですよね。
――工場長はどうですか?
矢野:本当にそうだと思います。会長や社長がいろいろとおっしゃってくれていて、従業員が人に優しい会社だと思います。やってみなはれって言って、みんながやってみなはるんです。それで苦しんでいたりへこたれたりしていたりする時もありますが、そういうことをしていると誰かしら助けてくれる。そんな会社だと思います。
――それはなぜだと思いますか?
矢野:やっぱりトップが“ワンファミリー”って言ってくださっているので、我々は本当にファミリーだと思っています。ビームに行っていた時に、ニューヨークの開所式があって、佐治会長がケンタッキーに来てくださいました。僕らに対してというよりもケンタッキーのジム・ビームの人たちに「7年ぶりに来た。最初に来た時はゲストだったけれど、7年ぶりに来た今は、もう皆さんはファミリーだ」とおっしゃっていました。そういうことを本当におっしゃっていただくと、周りのみんなもとても感動していて、、お互いに家族なんだから助けなきゃいけないということに繋がっていくと思いますね。
――それでは最後に、お互いにエールを送ってください
栗原:我々は本当にまだ、レベル的にはアジアのトップくらいのところです。成績として世界3位にはなりましたが、たった1回だけの話です。それで言うと、世界で飲まれている製品を作っていて、世界最高峰の職場ですし、そのステージに立っていらっしゃるので、やはり日々の苦労が、先ほど世に出ていく責任というお話がありましたが、そこの覚悟も含めて、素晴らしい位置にいらっしゃるんだと感じました。プレッシャーとともに。
矢野:いや、まだまだです。
栗原:僕らは日本一を取るか取らないかみたいな位置なので、早くそのステージに行きたいと思っています。常に世界で戦うチームに行きたいと思っています。羨ましいですし尊敬します。職場での立ち位置としては同じような立場なので、とても大変なんだろうなと思っています(笑)。
矢野:うちの工場はまだまだで、設備を保全していくなど、基本的なところでまだまだできていない部分もあるので、世界の手本になるような工場を目指していきたいと思います。サンバーズは日本では有数の強さを誇っていて、昨年はSVリーグを優勝されて、世界で3位。素晴らしいことだと思います。
試合を見ていて面白いと思いますし、ハーフタイムのショー含めて、全体的にコーディネートをされている。ペルージャと提携されたと聞きました、更に世界一を目指して精進していただけたらと思いますし、我々も毎回応援していきます。大阪の近くの会場でホームゲームをやることが多いので、これからも応援させていただき、世界一になっていただければとても嬉しいなと思います(笑)。これからも何卒よろしくお願いいします。
栗原:ありがとうございます。
(インタビュー&構成:針谷和昌)
[写真:サントリー]












