スポーツチームの「営業」と聞いて、何を想像するでしょうか。スポンサーを探し、ユニフォームに企業ロゴを載せる。そんなイメージを持つ人も少なくないかもしれません。しかし、その仕事の核心は、もっと奥深くにあるのです。今回は、ラグビーに対する熱い想いを持ち、サントリースポーツの未来を見通すサントリースポーツ事業部のキーパーソン、藤田大志さんと真壁伸弥さんをご紹介します。
サントリースポーツ事業部には、スポーツへの熱い想いを持つ多様なキャリアのメンバーが集まっています。その中で、特に営業担当として中心となり動いているのが、藤田さんと真壁さんです。
藤田さんは、サントリーでビールの事業企画や営業企画を10年経験した後、スポーツチームを運営する会社に転職し、経営企画に携わった経験を持ちます。再びサントリーに戻った現在は、企画兼営業推進担当として、サントリースポーツを支えています。直近では、公式YouTubeチャンネルのMCも務め、コンテンツ発信を通じたブランディングにも注力しています。
一方の真壁さんは、元サンゴリアスの主力選手。日本代表キャップを37も持つレジェンドです。引退後、真壁さんはサントリーでウイスキーの営業やブランディング業務を経験し、現在はスポーツ事業部で主にサンゴリアスのパートナーシップを担当しています。
新卒同期としてサントリーに入社し、それぞれ異なる道を歩んできた二人は、現在はラグビーやスポーツを軸に、同じ志を持って働いています。彼らが日々の仕事で追求しているのは、スポーツが持つ特別な価値の創造です。
藤田さんと真壁さんは、スポーツ事業部では営業担当の中核メンバーとして、パートナー企業との商談に日々向き合っています。サンゴリアスをはじめ、スポーツチームの運営を支える収益の柱には、大きくファン収入とスポンサー収入の二つがあります。サントリースポーツが目指すのは、単なるスポンサーシップではなく、共にチームを応援し成長し合う「仲間=パートナー」として、継続的な関係性を築いていくことです。
このような取り組みの成功例も徐々に生まれています。パートナー企業の社員が試合観戦に来ることで、会社全体でチームを応援しようという機運が生まれ、社員の一体感やモチベーション向上につながった事例がその一つです。このような「共創」を広げていくことこそ、パートナー企業との関係を築く「営業」の在り方だと彼らは考えています。
スポーツビジネスには、チームが負け続ければ関心が薄れてしまうという難しさもあります。もちろん目指すべきは勝利ですが、ビジネスとして「勝敗を超えた価値」を提供することも重要だという想いが、彼らの仕事の指針となっています。
その鍵となる要素の一つが、ラグビーという競技が持つ「多様性」です。体が大きな選手、足の速い小柄な選手、司令塔を担う選手。異なる役割を持つ選手たちが一つの勝利を目指す姿は、会社や社会のあり方に通じ、多くの人の共感を呼びます。これにサンゴリアスが持つ、常にアタックし続け、倒されてもすぐに立ち上がるという「チャレンジ精神」が加わることで、より強い「勝敗を超えた価値」の提供に繋がっていくと2人は信じています。
サントリーの創業者精神「やってみなはれ」は、挑戦を恐れず、失敗を恐れず、新しい価値を創り出す強い意志を示しています。それは、藤田さんと真壁さんの仕事ぶりにも通じるものです。
藤田さんは、自身の経験から、サントリーの主力事業であるビールとスポーツビジネスには共通点があると語ります。どちらも生活必需品ではないものの、人の人生を豊かにする力があり、ビールの味や試合の感動は一生心に残り続けます。スポーツは人生のハイライトを彩る存在。その揺るぎない想いが、彼ら二人を突き動かしているのです。
グラウンドの外で紡がれる挑戦の数々こそ、サンゴリアスの輝きを支える一つの原動力です。選手の躍動がスタジアムを照らすように、裏方で働く彼らの情熱もまた、クラブの未来を明るく照らしています。スポーツを通じて、勝利を超えた価値を創造し、人々が輝きたいという想いをサポートしたい。その信念を胸に、サントリースポーツの挑戦はこれからも続いていきます。
※本稿は HALF TIMEマガジンの記事 を再編集したものです












