魅力的でおもしろい「鳥の世界」を知る!鳥のふしぎQ&A
  • 姿・名前

Q 「キツツキ」という名前の鳥は、実はいないの?

目次

A 「キツツキ」は特定の鳥の名前ではなく「総称」なのです

「キツツキ」はキツツキ科に分類される鳥の総称です。単に「キツツキ」という名前の鳥はおらず、一部例外を除き、○○ゲラや○○キツツキという名前がつけられています。キツツキは漢字では「啄木鳥」書き、その名の通り、木をつついて穴を開けて食べ物を探す習性があります。そのため、くちばしは、とても頑丈で先が鋭く尖っています。また、がっしりした両脚と固い尾羽の3点で体を支え、木の幹にまっすぐ垂直にとまるのもキツツキならではの特徴です。

両脚でがっしりと幹にとまり、羽軸が堅い尾羽で体を支えます。

アカゲラ、コゲラのゲラってなに?

日本には12種のキツツキ類が観察されていて、アリスイ以外はすべて名前に“ゲラ”がつきます。このゲラはキツツキを意味する言葉で、もとは「寺」を指していたという説があります。キツツキには寺のような木造建築をつつく習性があり、かつては「寺つつき」と呼ばれていて、それが時代とともに音が変化し、「テラ」が「ケラ」→「ゲラ」へと転じたというものです。
なお、かつて虫をケラと呼び、その虫をつつくことから「ケラツツキ」となったという説など、「ゲラ」の意味には諸説あります。

キツツキの最大の特徴!木をつつくのはなぜ?

理由①:食べ物となる虫を探しとらえている

キツツキは、木の実や花の蜜も食べますが、主な食べ物は、木の中にひそむ昆虫です。くちばしで木に穴を開けて長く伸びる舌を差しこみ、カミキリムシの幼虫やアリなどの昆虫を取り出して食べます。舌の先端には、粘液で覆われた小さなトゲがたくさんはえていて、虫がつきやすくなっています。

理由②:巣や寝るための穴を掘っている

キツツキは繁殖期になると、木の幹をくちばしでつついて削り、丸い入り口をもつ深い穴を掘って巣をつくります。繁殖期以外にも、キツツキの種によっては、夜に安心して眠るためのねぐら用の穴も自分で掘ります(※)。
※ Bird Research 生態図鑑による

理由③:縄張りを主張するコミュニケーション(ドラミング)

くちばしで木を連続してつつき、「トロロロロ・・・」と大きな音を響かせます。これは「ドラミング」と呼ばれる、キツツキ特有のコミュニケーション方法で、求愛や縄張りをアピールする役割があるとされています。

【画像付き】日本で見られるキツツキの主な種類

【お尻の鮮やかな赤色が目立つ森の人気者】アカゲラ

中型のキツツキで、日本では、北海道、本州、佐渡で繁殖をしています。後頭部に赤色があるのがオス、頭に赤色がないのがメスです。赤いパンツをはいたようなお尻の赤が目立ち、翼の逆ハの字の大きな白い斑が特徴です。

【日本最小のキツツキ】コゲラ

日本で一番小さなキツツキで、焦げ茶色の地に白い斑点模様があります。オスには側頭部に小さな赤い羽がありますが、羽毛を逆立てたときでないと見えません。日本では、北海道から沖縄・西表島まで、ほぼ全国に分布しています。

【まるで口笛のような鳴き声】アオゲラ

緑色した中型のキツツキで、本州、四国、九州にしか分布しない日本の固有種です。オスは頭頂部全体が赤く、メスは後頭部だけが赤い色をしています。緑色なのにアオゲラという名前は、古くは緑を青と呼んでいたことに因み、江戸時代中期にはこの名前で呼ばれていたそうです。「ピョー、ピョー」と口笛のような音色の大きな声で鳴きます。

【黒い体におしゃれな赤いベレー帽】クマゲラ

日本最大のキツツキで、カラスほどの大きさがあります。全身が黒く、オスは頭頂部全体が、メスは後頭部が赤い色をしています。名前のクマは動物とは関係がなく、大きいという意味。大きなキツツキ=クマゲラという名前になったと言われています。ユーラシア大陸に広く分布し、日本では北海道と東北地方北部に生息。国の天然記念物、絶滅危惧種に指定されています。

【沖縄島にしかいない世界的希少種のキツツキ】ノグチゲラ

沖縄島北部のやんばるの森にしか生息しない世界的な希少種です。ノグチゲラという名は、新種として記載した英国人の研究者が野口さんに献名したと考えられていますが、その人物がどんな人だったのかわかっていません。環境省のレッドリストでは絶滅危惧種に指定されています。国の特別天然記念物でもあります。

【アリばかり食べている変わり者のキツツキ】アリスイ

スズメよりもひとまわり大きなキツツキですが、幹に縦にとまることはなく、普通の鳥のように横枝にとまります。ほぼ、アリだけを食べ、ものすごく長い舌で絡め取って食べます。日本では北海道や東北で繁殖し、冬は本州以南でみられます。

サントリーは、キツツキと共に森を保全しています。

キツツキは、木を枯らす原因となる昆虫を食べ、森の健康維持にはなくてはならない役割を持つほか、古巣が他の鳥や哺乳類の巣穴として再利用されるなど、森の生物多様性を支える鳥でもあります。
「サントリー 天然水の森」では、良質な地下水を育むために、キツツキなどの生き物全ての力を借りながら、生き物全てが幸せになる森づくりを目指しています。

シロアリを食べるオーストンオオアカゲラ

監修監修 藤井幹
監修藤井幹

(公財)日本鳥類保護連盟 調査研究室 室長

鳥類保護・保全、調査・研究、愛鳥思想の普及啓発

ライター監修 柴田佳秀
ライター柴田佳秀

科学ジャーナリスト・サイエンスライター

自然番組のTVディレクターとして「生きもの地球紀行」などNHKの自然番組を多数制作。2005年からフリーランスとなり、図鑑・書籍の執筆や講演、自然番組監修、バードウォチング講師などをおこなっている。 著作は「街・野山・水辺でみかける野鳥図鑑」(日本文芸社)、「あした出会える野鳥100」(山と溪谷社)など。日本鳥学会会員、都市鳥研究会幹事。

アカゲラ/コゲラ/アオゲラ/クマゲラ/ノグチゲラ/アリスイ/オーストンオオアカゲラ

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