考え方と方針
サントリーグループでは、創業者の精神である「お客様のための品質のよいものづくり」を原点とした品質第一の理念を、「All for the Quality」という品質方針に込めています。
この品質方針のもと、サントリーグループは、グループ各社が遵守すべき内容を「サントリー品質マネジメント規程」や「サントリーの品質に関する各ルール」に定め、研究開発、商品企画・設計、原材料調達、製造、物流、販売に至るバリューチェーンのすべてのプロセスで、品質の向上に取り組んでいます。また、サントリーグループの一人ひとりが品質の担い手であるということを常に意識して活動することが大切であるとの考えのもと、社内研修などにおいて、品質教育・啓発のプログラムを継続的に実施しています。
海外を含めたサントリーグループの全従業員は常に品質の維持・向上に取り組み、お客様から一層の信頼を獲得していくための活動を展開しています。
品質マネジメント体制
サントリーグループは、グローバル展開と新規領域への事業拡大に伴い、グループガバナンスを目的とする品質マネジメントシステムを整備・進化させてきました。 グループ全体の品質マネジメントを推進するため、サントリーホールディングス(株)に「品質保証委員会」を設置し、グループ品質戦略に基づく横断的重要課題や品質リスク抽出・トラブルの未然防止に取り組んでいます。
重大な品質トラブルを未然に防止するため、生産研究部門の経営層をはじめとする関連部門の責任者が一堂に会する「週例リスク検討会」を毎週開催しています。直近の1週間に把握した社内外の品質リスクをタイムリーに共有して対応策を論議するとともに、潜在的なリスク要因の変化をモニタリングしています。
工場では、ISO9001やFSSC22000などの国際的な品質・食品安全マネジメントシステムの認証を取得し、継続的な改善を推進しています。グループ各社とは、サントリーホールディングス(株)CQO(Chief Quality Officer)によるグループ各社との品質会議等を通じて、品質マネジメント力の強化を図っています。
世界中のお客様に喜んでいただくために、新たな価値や安全、安心で高品質な商品をお届けし続けることが、メーカーであるわたしたちの責務と考えています。そのため、創業以来大切にしてきた「ものづくりの価値観・行動指針」をサントリーグループ共通の「Suntory MONOZUKURI Values」として、海外グループ会社に共有・展開しています。
取り組み
バリューチェーン全体での品質保証
「サントリー品質方針「All for the Quality」」のもと、研究開発、商品企画・設計、原材料調達、製造、物流、販売に至るバリューチェーン全てのプロセスで常に品質の確保・向上に取り組んでいます。
各プロセスにおける主な品質保証活動は以下の通りです。
水、農作物、天然資源
原料・水の安全管理
商品に使用する水、農作物、天然資源を大切に扱い、さまざまな視点から想定されるリスクを評価して安全性を確保しています。原材料の仕入先管理や品質検査を徹底し、調達段階から安全・安心を追求しています。また、水源地の環境保全にも取り組み、良質な水の安定確保に努めています。

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●定期的な分析、検査
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●新たな水源の開発
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●国内外の水質の研究

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●サプライヤーの評価・選定
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●サプライヤーの品質監査
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●新しい原料の開発、サステナブル調達

での水の定期検査

(アメリカ・フロリダ州)
研究・技術開発、商品企画・設計
研究開発・技術革新
お客様の期待を超える魅力的な商品を生み出すため、日々情熱を持って研究・技術開発に取り組んでいます。科学的エビデンスに基づく評価手法を活用し、新素材や新技術の検証を行うことで、製品の性能や味わいの向上に寄与しています。
商品企画・設計
原料の持つ本来の美味しさを最大限に引き出し、お客様に届けるための商品設計に取り組んでいます。商品のコンセプト段階から品質要件を明確化し、パッケージデザインや表示内容に至るまで、法規制遵守と分かりやすさを両立させています。

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●おいしさ・機能性を徹底追及した設計
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●分析化学的、微生物的、生物学的安全性の視点で製造・販売する
原料・商品などのリスク評価および安全性に関する分析・検査


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●構成材料の法規適合性評価
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●新しい容器の開発、サステナブル調達
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●性能・安全性評価

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●すべての商品表示の商品表示法、食品表示基準への適合
製造
製造段階の品質管理
高品質で安全・安心な商品をお届けするため、各製造工場では徹底した品質管理を実施しています。製造ラインでは異物混入防止や衛生管理について、自動検査装置や人の目によるチェックを併用し、不良品の流出を防止しています。

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●QMS(品質マネジメントシステム)ISO9001認証、
FSMS(食品安全マネジメントシステム)FSSC22000認証などの取得 -
●「TPM(Total Productive Maintenance:全員参加の生産保全)」の導入
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●容器や中身への異物混入、容器の傷、中味漏れなどの発生防止とチェック
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●入退室管理やカメラの設置などによるフードディフェンス強化

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●景品の専門チームによる安全性や機能美等の審査


お届け
物流段階の品質保持
商品品質を維持するため、物流においても細心の注意を払っています。例えば、倉庫内での温度・湿度管理や、輸送時の振動・衝撃の低減策を講じ、流通過程でも品質が劣化しないよう管理しています。さらに、トレーサビリティを確保し、万一、商品を出荷した後に原料や容器・表示などに何らかの問題がありうると判断した場合にも、出荷先を速やかに特定して対処をとることができる体制を整えています。
販売
店頭や自動販売機等での商品管理にも配慮し、お客様の手に渡るまで品質維持に努めています。また、お客様から寄せられた声を製品改良やサービス向上に活かし、お客様の心に響く商品・サービスを提供することを目指しています。

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●物流会社との品質保証ナレッジの共有
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●商品保管倉庫の設備・温度・安全衛生面のチェック

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●飲食店の店内の衛生管理や品質管理のサポート
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●樽生ビールお取扱店など対象にした引用時品質向上セミナー
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●外食各社における厨房設備・食材の衛生管理、 食材アレルゲン
確認等の品質保証活動

品質向上セミナー
お客様
お客様対応
販売後もお客様センターを通じて情報発信を行い、正しい商品理解と信頼醸成に努めています。

Webサイト
※トレーサビリティ
2次元コードなどによる原材料トレーサビリティシステムの活用、および持続可能な社会を実現するためのサステナブル調達に関する社会的品質保証活動を展開
正確な表示と分かりやすい表現の実現
商品の表示については、グループ各社の開発・生産などの関係部門と連携して、グループ品質本部が遵法性・妥当性を確認する仕組みを構築し、正確な表示と分かりやすい表現を推進しています。
商品への表示例
誤認飲酒防止のための表示例
チューハイなどの低アルコール飲料をソフトドリンクと間違えて飲むことがないよう、商品に「酒マーク」を表示しています。そのほか、主要な商品については、缶ぶたに「おさけです」の表示や、点字で「おさけ」の表示を行っています。また、妊産婦の飲酒について注意を喚起するために、商品に「妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります」と表示しています。
アレルギーに関する表示
アレルギーについては、原料を購買し、表示の要否を確認しています。また、清涼飲料では消費者庁が定める「食品表示基準」で義務づけられている8品目だけでなく、表示が推奨されている20品目も商品への表示対象としています。
酒類についてはアレルギーに関する表示は免除されていますが、ビール類やチューハイなどの低アルコール飲料には、自主的に同法を準用し、アレルギー表示をしています。
賞味期限の「年月」表示
清涼飲料の賞味期限は「年月日」表示が一般的ですが、お客様への分かりやすさとともに、在庫管理などに伴う環境負荷を少しでも減らすため、賞味期限が1年以上の商品についてサントリーグループでは「年月」表示(漢字表記)を行っています。
食の安全への取り組み
お客様に安心して商品をご利用いただくため、サントリーグループ全体で「食の安全」に関わる様々な施策を実施しています。
製品に使用する食品添加物や保存料等の原料の安全性については、食品衛生法など国内の関連法規に適合した安全なものであることを確認しています。残留農薬に関しても、農薬のポジティブリスト制度に対応した保証体制を構築しています。厳しい社内基準の設定、農薬の把握、取引先からの品質保証書の取得、分析による保証などの組み合わせです。さらに、書面だけでは判断のできない項目については、必要に応じ現地訪問を実施しています。 すべての食品とすべての農薬が規制対象となっていますが、サントリーでは、購買し使用する原料が残留基準に適合していることを保証することで、提供する商品が安全であることを保証しています。また、加工度の高い原料も含め、購買し使用するすべての原料について保証する体制を強化する取り組みを継続しています。具体的には、業界の活動とも連携し農薬の使用実態の把握をさらに推進するとともに、分析で確認する対象農薬を拡大したり、独自のトレーサビリティシステムの構築を行ったりしています。
容器包装の安全性についても万全を期しています。缶、瓶、PETボトル、紙パックなど容器の種類ごとに、素材の選定から設計・製造まで全ての段階で想定されるリスクを評価し、法令順守と安全性の確保を実現しています。例えば、容器から内容物への成分溶出試験を行い、安全基準を満たしていることを検証しています。
さらに、放射性物質に対する当社製品の安全性の保証は、製造に使用する水と原料の安全性を保証することによって行っています。水と原料については、国・自治体・原料メーカー等から情報を入手するとともに、自社及び外部委託機関における放射性物質分析を併用し、安全性を確認しています。
サントリーグループではお客様にご安心いただくために、サントリーの天然水を採水地毎に年1回自社で分析しています。
詳しくはサントリー天然水ブランドサイトの「安全・安心な水のために」ページを参照ください。
また、サントリーが国内で製造する全ての飲料・酒類製品の中味に使用する水を 年1回自社で分析しています。
日本の水道水の水質管理目標値(PFOA、PFOSの合算 50 ng/L)を下回っていることを確認しています。
以上のような包括的な取り組みにより、サントリーグループは原料からお客様のお手元に届くまでの全工程で徹底した品質保証を行っています。これからも「All for the Quality」の精神のもと、最高の品質と安全を追求し、お客様に信頼される商品づくりに努めていきます。
自主回収について
品質保証の徹底に努めながらも問題が発生した場合は迅速・適切に情報開示を行っています。
2024年1月から12月にかけて、関連規制および自主的規範の違反などを理由にした新聞社告またはWebサイトなどで告知した回収事例はありませんでした。
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※以下のサントリーグループ各社(国内)が対象
サントリーホールディングス(株)、サントリー食品インターナショナル(株)、サントリーフーズ(株)、サントリー(株)、サントリーウエルネス(株)、サントリーフラワーズ(株)、井筒まい泉(株)、プロントコーポレーション(株)、ダイナックホールディングス(株)、ハーゲンダッツジャパン(株)、モンテ物産(株)
