考え方
サントリーグループが取り扱う商品は農産物や水を主原料とする商品が多く、ほかの産業と比較すると、化学物質などに由来する環境汚染リスクは小さいと考えられます。しかし、生産工程では、ボイラーの燃焼による排ガスの発生や、機器の洗浄・殺菌用に薬品も使用しており、周辺環境を汚染する恐れがないとはいえません。そのため、あらゆる異常・緊急事態を想定し、対応策を講じるとともに、定期的な設備環境の点検、従業員への安全教育を強化するなどハード・ソフト両面から汚染防止の強化に努めています。
推進体制
サントリーグループにおいてはグローバルリスクマネジメント委員会が、サステナビリティに関する種々の課題を含む重要なリスク要因を把握・議論し、対応状況をモニタリングしています。
また、サステナビリティに関する課題については、グローバルサステナビリティ委員会にて、サステナビリティ経営推進のための戦略立案や取り組みの推進、進捗確認を行っています。
取り組み
大気汚染防止
サントリーグループでは大気への汚染物質排出削減に向け、エネルギー源のクリーン化と高度な排ガス処理を推進しています。具体的には、ボイラー燃料や硫黄分を含まない天然ガスやカーボンニュートラル燃料へ転換し、低NOxバーナーを採用することでSOx・NOxの発生抑制に努めています。各工場では法令で定める基準よりも厳しい社内自主基準値を設け、排ガス中の大気汚染物質(硫黄酸化物SOx、窒素酸化物NOxなど)を常時モニタリングしています。
水質汚濁防止
環境へ排出する水については、法規制よりも厳しい水質基準値を工場ごとに設定し、排水処理設備の高度化と厳格管理を行っています。
土壌汚染防止
サントリーグループの工場では、機器の洗浄などに化学物質を使用しています。これらは厳しく管理し、漏出のないように努めていますが、万が一、洗浄剤・薬品などが漏出した場合でも土壌に浸透しないように、各工場では薬品タンクの周囲に防液堤を設置し、定期点検を行い、汚染の防止に努めています。
アルコール蒸散対応
ウイスキーの貯蔵工程では、貯蔵期間に伴いアルコールが樽から揮散します(これを蒸散といいます)。蒸散したアルコールが工場外に出ないよう、貯蔵庫に回収機器の設置などを行っています。また、定期的にモニタリング(濃度測定など)を実施し、アルコールの蒸散が低減できているかどうかを確認しています。
化学物質管理
サントリーグループでは「PRTR法(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律)」「毒物及び劇物取締法」「消防法」などの関連法規に基づいて化学物質を管理しています。
廃棄物適正処理・管理
廃棄物の適正管理では、マニフェスト制度の遵守と廃棄物情報の一元管理の強化を目的とし、電子マニフェスト化を推進しています。また、生産拠点、営業拠点、文化拠点、本社機能、グループ会社を対象に、集合研修・実地確認・ロールプレイングといった手法で廃棄物管理の知識・スキル向上を図る「廃棄物管理セミナー」「廃棄物現地確認セミナー」等の研修を実施し、廃棄物の適正処理の徹底に向けた取り組みを継続しています。
ポリ塩化ビフェニール(PCB)廃棄物の管理
PCB廃棄物は適正に保管し「PCB特別措置法」に基づいて、自治体に保管状況を届け出ています。サントリーグループでは、日本環境安全事業(株)(JESCO)へ処理委託を登録し、2007年度よりPCB使用機器の処理を開始しました。 PCB使用機器の使用・保管の状況は次の通りです。
PCB使用機器の保有数(2024年末現在)
| 保管中 | 使用中 | 保有合計 | |
|---|---|---|---|
| コンデンサ | 0 | 0 | 0 |
| 変圧器 | 0 | 0 | 0 |
| 照明器具安定器 | 1 | 0 | 1 |
事故・訴訟
サントリーグループでは環境リスク管理を徹底しており、直近の年度(2024年)には環境に関する重大な事故や訴訟、行政処分は発生していません。