- 今年は新たに東京都と連携し、環境局の熱中症対策サイトでも情報発信 -
- 医学博士 井上芳光先生が、子どもならではの熱中症リスクを警告 -
サントリー食品インターナショナル株式会社(以下、サントリー)は、「GREEN DA・KA・RA」ブランドの熱中症対策啓発活動の一環として、子どもの身長の高さで計測した気温が大人と比較して+7℃程度※1になる、子ども特有の暑熱環境※2を「こども気温」と称し、2023年より子どもの熱中症対策に関する啓発活動を行っています。
「こども気温」プロジェクト開始から3年目となる今年は、“子どもは汗っかきに見えて、実は大人の6割しか発汗能力がなく、体に熱がこもりやすい”という子どもならではのリスクに着目し、子どもの熱中症対策として、水分補給に加えて、暑さから逃げる行動の重要性を啓発していきます。
また、今年は新たに東京都と連携し、5月から環境局の「熱中症対策ポータル」で「こども気温」に関する情報発信を行うほか、7月には東京都の後援を受け、親子向けの「こども気温」啓発イベントを予定しています。
~子ども特有の熱中症対策ポイント~ ●実は5月・6月は「子どもの熱中症」が多いため、早めの対策が必要。 -大人には単なる「夏日」でも、「こども気温」(大人+約7℃)換算では「猛暑日」になる可能性も。 ●意外な事実 「子どもは汗っかきではない!」 -子どもの発汗能力は未熟で、実は大人の6割しか汗をかけていない。 -特に猛暑日のような高気温下では、うまく汗で熱を逃がせず、体内に熱がこもりやすくなってしまう。 ⇒「こども気温」の環境では、熱がこもりやすく熱中症リスクが高まるため、要注意。 ●救急医に聞く「子どもの熱中症を防ぐ3つのポイント」。 -「(1)観察」「(2)水分補給」に加えて、盲点になりがちな「(3)暑さから逃げる」行動が重要。 |
※1 晴天時・無風・30℃以上の環境下・市販の測器による計測。検証実験の概要・結果については「『こども気温』検証実験について(ニュースリリースNo.SBF1397)」を参照。
※2 暑熱環境とは、熱中症の危険性がある環境のこと。
■「こども気温」について
サントリーと気象専門会社の株式会社ウェザーマップ(以降、ウェザーマップ社)が2023年に行った共同検証実験で、地面の照り返しの影響差などにより、子どもの身長の高さで計測した気温が、大人と比較して+7℃程度になることを確認しました。この結果から、大人よりも背が低い子どもにおいては、熱中症の危険度が高まることが推測されます。「GREEN DA・KA・RA」ブランドでは、こうした子ども特有の暑熱環境を「こども気温」と称した熱中症対策啓発活動を、2023年から継続して展開しています。 ※3 画像は検証実験時に赤外線サーモグラフィーにて計測した表面温度を使用。 |
■5月も油断大敵!早めの「子どもの熱中症対策」の必要性について
近年、気候変動や都市部の人口密集によるヒートアイランド現象などが原因で、従来よりも早い時期から高温が観測されるようになっており、今年も4月中旬に山陰や関東甲信などで真夏日を記録するなど、季節外れの暑さになる日も見られます。
熱中症の危険性が低いと思われている5~6月でも、大人の+7℃程度になる「こども気温」の影響により、子どもは熱中症リスクの高い環境に置かれている可能性があります。2023年に行った「こども気温」検証実験に基づき、ウェザーマップ社にて2024年5~9月の期間で、東京における「こども気温」換算での猛暑日※4を天気や日照を考慮して算出し、通常の猛暑日の数と比較してみました。すると、5~6月は通常の猛暑日はありませんでしたが、子どもの高さでの猛暑日は、計14日(5月は3日、6月は11日)もありました。さらに、5~9月計では、通常の猛暑日が20日であったのに対し、子どもの高さでは69日と、大人の3倍以上となりました。
※4 猛暑日は最高気温が35℃以上の日。「こども気温」に換算した際に猛暑日と判断する条件は、最高気温:28℃以上、日照時間:5時間超、天気概況:晴(薄曇り含む)。
さらに、こども家庭庁が公表している2021~23年の「熱中症による救急搬送人員数」※5を見ると、熱中症による搬送者数のうち、子どもが占める割合が最も多い月は5月(約20%)となっています。このように、子どもは、「こども気温」の影響や、子どもならではの生理的・体格的特性の影響で、大人が感じている以上に熱中症リスクの高い環境に置かれているため、早い時期から熱中症対策を行う必要があります。
※5 こども家庭庁ウェブサイト「みんなで見守り『こどもの熱中症』を防ぎましょう!」の「熱中症による救急搬送人員数」を参照。https://www.cfa.go.jp/policies/child-safety-actions/cases/netchusho
■子どもは発汗能力が未熟で、熱がこもりやすい!子どもならではの熱中症リスクに注意
専門家コメント 井上芳光(いのうえ よしみつ)先生 (1)実は、子どもは汗っかきではない。子どもの発汗能力は未熟で、大人の6割しか汗をかけない。 (2)猛暑日のような気温が高い環境では、子どもは汗で熱を十分に逃がせず、体に熱がこもりやすい。 (3)「こども気温(大人より約7℃高い)」の環境下では、熱がこもるリスクが高まるため要注意。 |
(井上芳光先生 プロフィール)
1981年大阪教育大学大学院修士課程(保健体育)修了、同年より神戸大学医学部衛生学講座助手、助教授、1997年より大阪国際大学人間科学部教授、2022年より大阪国際大学名誉教授。この間(1989~1991年)米国ペンシルベニア州立大学ノル生理学研究所にて客員教授。医学博士(神戸大学、1988年)。専門は温熱生理学で、特に発汗機能の発達・老化およびその性差のメカニズムを生理学的に探究している。
■子どもの熱中症を防ぐ3つのポイント ~「水分補給」だけでなく、「暑さから逃げる」行動を!~
専門家コメント 藤田正彦(ふじた まさひこ)先生 子どもの熱中症を未然に防ぐために、「観察」「水分補給」「暑さから逃げる」という3つのポイントを意識することを推奨します。 (1)「観察」:熱がこもっていることを見分けるポイントは「顔の赤さ」 (2)「水分補給」:スポーツドリンクなどで、水分と塩分をこまめに摂ること (3)「暑さから逃げる」:湿度が低く、ひんやりと感じる日陰を選ぶこと 特に(3)「暑さから逃げる」ことは、熱中症対策の盲点と言えると思います。実際に、熱中症で搬送された子どもの親御さんに話を伺うと、「しっかり水分補給をしていたのに、熱中症になってしまった」とおっしゃることが多いと感じます。水分補給だけ行っていても、熱中症対策は不十分であるため、体に熱がこもらないよう「暑さから逃げる」行動をセットで行うように心がけましょう。 (藤田正彦先生プロフィール) |
■GREEN DA・KA・RA 「こども気温」啓発活動について
【2023年取り組み】
ウェザーマップ社との共同検証実験を基に、子ども特有の暑熱環境を「こども気温」と称し、東京・錦糸町にて親子向けの熱中症対策啓発イベントを実施。「こども気温」啓発動画も制作し、サントリー公式YouTubeチャンネルにて発信しました。
【2024年取り組み】
スーパーマーケットなどにおいて、前年の1.5倍規模となる約3,000店にて、5月から早期に熱中症対策売場を展開。また、「熱中症対策の取組に関する連携協定」を東京・八王子市と締結し、親子向けの熱中症対策啓発イベントを協力開催しました。
▼2024年「こども気温」啓発活動について(ニュースリリースNo.SBF1495参照)
https://www.suntory.co.jp/softdrink/news/pr/article/SBF1495.html
【2025年取り組み(予定)】
2024年に引き続き、スーパーマーケットを中心とした約3,000店での熱中症対策売り場の早期展開や、 八王子市との取り組みを行います。さらに2025年は、「東京都こどもセーフティプロジェクト」や「TOKYO『熱中症ゼロへ』アクション」など、子どもを事故から守る環境づくりと、熱中症対策に精力的に取り組む東京都との連携を開始します。5月から環境局の「熱中症対策ポータル」で「こども気温」に関する情報を発信し、7月には東京都の後援を受け、都内で親子向けの啓発イベントを行うなど、子どもの熱中症対策に関する啓発活動をより一層強化してまいります。
■「GREEN DA・KA・RA」ブランドについて
2012年に発売した「GREEN DA・KA・RA」は、大人から子どもまで安心してお飲みいただける、心とカラダにやさしい水分補給飲料としてご好評いただいています。発売当初より、全国の小学校を対象とした熱中症対策授業やサンプリング、啓発冊子の配布など、子どもの熱中症対策啓発に関して積極的に取り組んでいます。
〈GREEN DA・KA・RA〉 ※6 厚生労働省が熱中症対策飲料として推奨している食塩相当量は、0.1g~0.2g/100mlです。 |
〈GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶〉 ※7 大麦を発芽させた原料のこと。サントリーの製麦会社であるサントリーモルティング(株)で麦茶専用の発芽大麦を開発。 |
▼「こども気温」公式サイト
https://www.suntory.co.jp/softdrink/greendakara/topics/kodomokion/
▼「こども気温」と熱中症対策を解説するWEBムービー
https://youtu.be/gqcMMAM4DfY?si=ol8ysX_o66MHeX79
▼「GREEN DA・KA・RA」ホームページ
http://suntory.jp/GREENDAKARA/
▼東京都 熱中症対策ポータルサイト
https://wbgt.metro.tokyo.lg.jp/
以上