日本の鳥百科

監修:柳澤紀夫、(公財)日本鳥類保護連盟
©illustrated by Masayuki Yabuuchi

ハシブトガラス

ハシブトガラス

全長 57cm 渡り区分 留鳥
環境 市街・住宅地/河川・湖沼/海/農耕地/森林/草地
黒系 季節 春/夏/秋/冬
鳴き声

©℗上田秀雄

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都会では嫌われ者?!
でも自然の中では動物の死体などを食べてくれる掃除屋さん

全長57cm。全身黒色の大型の鳥。くちばしが太い。額が出っぱっていて、くちばしとは段になってみえます。野外観察では黒色の基準種になります。大きさの似た飛行するタカ類との判別時には大事なポイントです。沿海州から中国、ヒマラヤ、インド、インドシナ半島など東アジアから南アジアに広く分布しています。日本では小笠原諸島以外、全国に分布していて、しかも全国で留鳥です。海岸、河原、農耕地、住宅地、市街地、山地、森林などどこでも見られます。
魚をはじめ、動物の死体、小動物、果実、人の出す生ゴミなど雑食性で、自然界の掃除屋です。樹上に枝を集めて椀型の巣をつくりますが、鉄塔など人工物にも架けることもあり、住宅地や市街地では、針金ハンガーを使うこともあります。繁殖期以外は群ですごし、夜の”ねぐら”も集まってつくります。まとまった大木のある森が使われることが多いです。頭脳が優れていることはよく知られていて、記憶力も良い。スズメのヒナを捕えた屋根の隙間には、翌年も時々うかがいに来る。また、ムクドリが巣立ち、若鳥が集まる木を襲って逃げまどう鳥を捕えたりします。水面を泳ぐカモ類のヒナ、堆積された落ち葉の中から出てくるカブトムシなども餌にしています。

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