金属製の食卓用装飾箱ネフ(nef)に由来し、ネフあるいは水差として作られた船形容器。ヴェネチア派の画家の娘アルミニア・ヴィヴァリーニ(Arminia Vivarini)が、1521年にガラス製の船形容器を作る特許を取得したという記載が残っている。船腹の中央には人面が溶着され、マストは一段ずつ一本のガラス棒で編み上げられ、頂に豊穣のシンボル・コーヌコピア(ヤギの角)が付される。海洋国家ヴェネチアを象徴する意匠といえよう。(『サントリー美術館プレミアム・セレクション 新たなる美を求めて』サントリー美術館、2018年)