文晁は御三卿の田安徳川家に仕え、田安家出身で白河藩主となった松平定信の近習となった。本作はその田安家に伝来した作品である。左右幅に「文政壬午文晁画印」の朱文長方印が捺されており、文政5年(1822)に描かれたことが分かる。この年に還暦を迎えた文晁が、田安家の長年の恩顧に報いるために制作したと考えられている。精緻な筆線や丹念な彩色など、その謹直な画風からは、主家に対する真摯な思いが読み取れる。(『サントリー美術館プレミアム・セレクション 新たなる美を求めて』サントリー美術館、2018年)
ろうかく さんすい ず
文晁は御三卿の田安徳川家に仕え、田安家出身で白河藩主となった松平定信の近習となった。本作はその田安家に伝来した作品である。左右幅に「文政壬午文晁画印」の朱文長方印が捺されており、文政5年(1822)に描かれたことが分かる。この年に還暦を迎えた文晁が、田安家の長年の恩顧に報いるために制作したと考えられている。精緻な筆線や丹念な彩色など、その謹直な画風からは、主家に対する真摯な思いが読み取れる。(『サントリー美術館プレミアム・セレクション 新たなる美を求めて』サントリー美術館、2018年)
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