見込中央に大きく一艘、その両脇と外面の窓内に各二艘、計五艘のオランダ船を描く。さらに見込には西欧風の牡丹文や八人のオランダ人が描かれ、外面の赤玉内にも大小のオランダ人を描く。高台内には大きく「壽」字が書かれている。17世紀半ば以降、オランダとの交易で発展した伊万里焼は、オランダ・日本・中国の文様が交ざった独特の意匠が流行した。元禄年間(1688-1704)に始まる金襴手の国内向け最高級色絵磁器の代表的作品である。(『サントリー美術館プレミアム・セレクション 新たなる美を求めて』サントリー美術館、2018年)