太くつながった眉、大きくて吊り上がった目、尖った鼻など、南蛮人のイメージを意匠化した燭台。襟に花文様のついた上着を着て、軽衫という、ゆったりとしたズボンをはき、左手に籠を下げる。右手には穴が貫通し、釣竿を持っていたかと思われる。頭上の皿に蝋燭を立てる鉄製の芯を出し、右脚脇に燃えさしを入れる引出しを付ける。上着と籠を緑釉で彩り、他は長石釉で白地として銹絵で髪・眉・眼などを描く。久尻元屋敷窯での製作と推定される。(『サントリー美術館プレミアム・セレクション 新たなる美を求めて』サントリー美術館、2018年)