ふかがわ すさき ゆうかく こんしんかい
深川洲崎にあった洲崎遊郭の遊女たちが座敷で懇親する様子を描く。洲崎遊郭とは、根津神社の門前にあった根津遊郭が移転したもの。明治10年(1877)に東京大学が開設し、近くに遊郭があると風紀上好ましくない、というのが移転の理由であった。遊郭が開業したのは明治21年(1888)9月15日で、本作には明治21年9月7日に印刷された旨、画中に表記があるため、この開業を記念して発行されたものと推測される。登場する遊女は右より「八幡楼 高尾」「新八幡 色香」「甲子楼 初紫」「甲子楼 九重」「松葉楼 松尾」「甲子楼 小稲」「松葉楼 開華」「新八幡 高窓」「八幡楼 金龍」とあり、各妓楼を代表する遊女と思われる。洲崎遊郭の妓楼には梅川系、岩井系、八幡系など、いくつかの系統があり、本作に登場する八幡楼と新八幡は正八幡楼を本店とする八幡系に属する。洲崎遊郭では火災防止のため、石油ランプを使わず、最新技術の電灯を用いたとされ、本作の豪華なシャンデリアも電灯式であろう。西洋風のグラスや栓付瓶、舶来物らしき絨毯などが見え、文明開化の香りを感じさせる。洲崎は元禄年間(1688~1704)に深川の東側に築かれた埋立て地で、海岸からは北東に筑波山、東南に富士山、一面に房総半島を見渡せる景勝地であった。本作の背景にも富士山や海が配されており、美しい景色もまた、この遊郭の売りであったことが分かる。(『リニューアル・オープン記念展Ⅰ ART in LIFE, LIFE and BEAUTY』、サントリー美術館、2020年)
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