きく まきえ くしばこ
長方形、角丸、被蓋造の櫛箱。蓋は甲盛とし、塵居を設け、側面に手掛りの刳形がある。総体を黒漆塗、蓋・身の口縁はともに金地とする。紐金具の座金は円形とし、魚々子地に五三の桐紋を表す。蓋表と蓋・身の側面には、菊と薄の株を大きく、金平蒔絵に絵梨子地・付描・針描を交えたいわゆる高台寺蒔絵様式で表す。蓋表に描かれた菊の根元に、鎌倉時代以来の伝統的な表現である籬を配している。蓋裏、見込、底裏には文様はない。(『神の宝の玉手箱』サントリー美術館、2017年)
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