よしの ず びょうぶ
満開の桜が咲き誇る山深い渓流沿いの春の光景を穏やかなやまと絵の画風で描く屛風で、歌枕にもなっている「吉野」(現在の奈良県吉野郡)の春の景色を連想させる。『義演准后日記』の元和6年(1620)の木地にある「吉野図金屛風」と推定されている作例で、画面右端に「土佐刑部大輔光信筆 正五位下左京少進光芳證(光芳之印)」と紙中極めがある。ほぼ構図をひとしくする中世から近世にかけての作例が数点知られており、室町時代のやまと絵系の優品として重要な位置を占める。その散った花びらを乗せて勢いよく流れる流水や、岩が巧みに配置された右下から左上にかけてゆっくりと奥まる空間表現は、観る者を山の奥深くへと誘う、すぐれてやまと絵的な表現であり、描写方法に関しても胡粉の盛り上げで桜の花弁を表わすなど、工芸分野と親近性のある我が国の屛風の特色をよく示している。(『「もののあはれ」と日本の美』、サントリー美術館、2013年)
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