しじょうがわら ふうぞく ずかん
京都・四条河原を描いた図巻で、四条通りを東に向かい、高瀬川、鴨川を渡って祇園社(現八坂神社)に至るまでの町と人々の賑わいを描く。通りには、茶屋やうどん屋などの飲食店のほか、笠や本などさまざまな道具を売る店が軒を連ね、色鮮やかな着物を身に着けた老若男女が道を行き交う。鴨川には茶屋の床が張り出し、川を渡る風を受けながらゆったりと酒を飲みくつろぐ人々の姿がある。また、周辺には歌舞伎や軽業、人形芝居のほか、檻に入れられた珍獣の見世物などもあり、多くの興行が人々の眼を楽しませていた活気あふれる町の様子がうかがえる。描かれる興行の内容などから、延宝(1688-1681年)頃の景観を、元禄期(1688-1704年)になって回顧的に描いたものと推定されており、当時の人々の暮らしを記録した絵画史料としても貴重な作品である。(『たのしむ日本美術 サントリー美術館コレクション』香川県立ミュージアム、2013年)
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