しのぶぐさ まきえ こすずりばこ
ほぼ方形・合口造・丸角の硯箱で、蓋表には低い甲盛があり、側面にもやや胴張ががある。塵居を設け、底にわずかに面を取り、蓋・身ともに口縁に錫の置口を廻らす。身はがなり厚い板を彫り窪めて二段にし、左に銀製円形水滴、硯を嵌め、右の低い段には桟を彫り出し懸子を納める。このやり方は桐竹蒔絵硯箱(漆工106)などにもみられる特異なもので、この硯箱の特質の一つを形づくる。同形・同寸の二本の筆菅が納められている。蓋表には中央と四隅に忍草を表し、身四側面にもやや小ぶりの忍草を描く。蓋裏には菊・薄・竹、懸子には薄・撫子、懸子下の身底には薄・女郎花などの秋草を描く。総体に平目地として、身底・懸子底には淡い平目地を施す。文様は付描によるが、蓋表の忍草の下部の小葉、蓋裏の秋草は薄肉高蒔絵によっている。また忍草下部の小葉にはわずかに金銀の切金を散らす。理知的な文様構成、形姿などは鎌倉時代の風を伝えるが、秋草の表現様式は室町的なものになっており、製作時期が知られる。(『開館20周年記念 サントリー美術館100選』、サントリー美術館、1981年)
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