しかふろ
「風炉」は煎茶において湯を沸かすための道具で、「涼炉」や「焜炉」とも呼ばれます。本作の作者は江戸時代後期に京都で活躍した陶工の木米(1767~1833)です。読書をこよなく愛し、煎茶を嗜み、篆刻や絵画にも秀でた文人として知られています。共箱に記された「紫霞風爐」は木米による箱書です。「紫霞」とは本作全体に鮮明に現れた窯変(窯の内部で予期せず生じた色の変化)を見立てたものと思われます。 まさしく霞のように広がる窯変に目を奪われがちですが、本作の見所は側面に刻まれた文字にもあります。二重の枠線で囲んだ区画内に、中国唐代の盧仝が茶の効能について詠った有名な漢詩「走筆謝孟諫議寄新茶」(通称「七碗茶歌」)を彫刻しているのです。これを展開すると、一字一字が整然と配置されており、まるで書物を開いたかのようにも見えます。熱心な読書人としての木米の個性が表れた作品です。(『まだまだざわつく日本美術』、サントリー美術館、2025年)
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