さら「くさばな」
この六輪花形の皿は1889年パリ万博に出品された連作モデルで、1900年パリ万博でも復刻され出品されている。口縁に赤色の線で波のように屈曲する縁取りを施し、その内部を濃淡の異なる赤色と青色、金彩を用いて、蜻蛉などの虫、菊の花のような植物文、渦巻などの幾何学文を組み合わせた細かな文様で飾る。「伊万里風装飾(décor du Imari)」と今日呼ばれるデザインである。縁取りの内側にあたる白地の区画には、余白をたっぷり取りながらカミキリムシや蝶などの虫と様々な草花を細い黒の輪郭線で軽やかに描き、透明感のある多色のエナメルと金で彩る。風にそよぐ草花の間を小さな虫たちが動き回っているかのような生彩に富む表現には、自然に対するガレのあたたかいまなざしが見て取れる。(『没後120年 エミール・ガレ:憧憬のパリ』サントリー美術館、2024年)
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