えんもん かいばり びつ
小さな櫃の全面に、虹色に光る貝片を敷きつめて一枚一枚を鋲で留める。蓋は蒲鉾形のように丸みを帯びず、前後面を大きく面取りして角張っている。貝は明確なプランにしたがって配置されており、各面に花の円文や捻花文を配し、鋸歯文や鱗文などを丁寧に並べる。花も変化に富み、四弁、六弁、剣先形の花弁など、さまざまに工夫を凝らしている。銅製鍍銀と思われる透かし彫りの金具も、随所に異なる装飾が取りつけられており、左右側面の稜線と櫃の底辺の金具には百合形のような連続文、螺鈿の円文の中央を飾る金具にはドラゴン風の獣の文様をあしらい、鍵金具には猛禽類と植物を蹴り彫りし、天板と左右側面の提げ手の両端には蛇の頭を彫りだす。内部と底裏には薄紅色のベルベットを貼り、内部には金糸と黄の絹糸を用いて縁取りや花文様を縫いつける。底裏には木製の四足をビス留めするが、現行の足の内側に、別の足を取りつけた跡がある。インドの北西部グジャラート地方の工芸品と考えられており、また、全面貝張りの南蛮漆器のモデルとみなされている。洋櫃もこれくらい小さくなると、いかにも貴重品が入っていそうである。(『japan蒔絵―宮殿を飾る 東洋の燦めき―』サントリー美術館ほか、2008年)
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