櫛の片面に、行灯の傍に座る平安貴族風の男性を、もう片面に山林と渓流、一匹の鹿を金蒔絵で描く。赤色を帯びた行灯には明かりが灯っているようだが、日本の古美術には行灯によって夜や闇を暗示するという約束事がある。「夜」や「暗い」、「鹿」というモチーフを総合すると、『古今和歌集』巻第五・秋歌下所収の「夕づく夜小倉の山に鳴く鹿の声のうちにや秋は暮るらむ」(紀貫之)に代表されるように、「小暗(をぐら)し」という意味を掛けて詠まれる「小倉山(をぐらやま)」を表現したものと推察される。歌枕の伝統を踏まえた謎解きの面白さがあるデザインと言える。(『歌枕 あなたの知らない心の風景』、サントリー美術館、2022年)
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