忍草は『古今和歌集』巻第十四・恋歌四所収の源融の和歌「みちのくのしのぶもぢずり誰ゆへに乱れむと思ふ我ならなくに」に代表されるように、心に秘めた「忍ぶ恋」を象徴する意匠としてしばしば工芸品に用いられたが、「忍もぢずり」が陸奥の信夫郡で作られる染物と解釈されたことにより、歌枕「信夫」を象徴するモチーフともなった。この漆塗の櫛は、両側全体に金蒔絵で忍草を描いただけの一見単調なデザインであるが、忍草の金色によく目を凝らすと、一部の葉に白っぽい青金が用いられていることがわかる。この金色の密やかな変化に、忍草文に古来込められた文学的情緒が感じとれよう。(『歌枕 あなたの知らない心の風景』、サントリー美術館、2022年)
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