いろえ かんすがた みずつぎ
円柱形の胴に、鳥の頭の注ぎ口が付いた水注です。胴部は金と紺を基調に、唐花・七宝・桐・菊花の石畳文で埋め尽くされます。肩下に「源氏巻 全」の題箋、胴部には押え竹と巻緒が象られています。つまりこの水注の胴部は「源氏物語絵巻」を立てた姿で、蓋のつまみは軸端なのです。そうすると注ぎ口は『源氏物語』の「胡蝶」の帖に登場する龍頭鷁首舟(平安時代、貴族が遊宴などに用いた舟)の「鷁」でしょうか。鷁は、中国の想像上の水鳥の名です。 実は本作、中国陶磁にモデルがあるようです。中国・明時代の徳化窯製の白磁水注で、注ぎ口も把手も螭龍を象り、胴には結び紐が設けられています。その結び紐に着目して、日本の絵巻物に置き換え、注ぎ口を螭龍から鷁へとすり替えたのです。過去の名陶の形を踏まえつつも創意の発揮された、おもしろい作品です。(『サントリー美術館 開館60周年記念展 ざわつく日本美術』、サントリー美術館、2021年)
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