大輪の菊花が流水に浮きつ沈みつ流れ行くさまを全面に表した装束である。重陽の節句をめぐる風習や、能楽「菊慈童」などで親しまれた中国の説話によって、水辺の菊は神秘的な力を持つものとされ、不老長寿のめでたい象徴として好まれた。白や青色などの糸で刺繍された水の流れや渦巻の周辺にかすかに見える線は、摺箔による霞の表現である。摺箔とは、模様をかたどった型紙を用いて糊を置き、その上に金や銀の箔を載せ、糊が乾いてから余分な箔を取り除く技法。これに刺繍を併せ用いた装束を縫箔と呼ぶ。摺箔は摩擦に弱いため、この作品も箔はほとんど剥落しているが、当初は金箔の霞が表され、より豪奢な雰囲気であったと推測される。(『「もののあはれ」と日本の美』サントリー美術館、2013年)
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