いろえ おんな にんぎょう
華やかな着物をまとった女性の風俗人形である。大振袖の打掛を着て、右足を少し前に出し堂々と立つ。結い上げた鬢には大きな櫛を挿す。小鼻を膨らませ、口の中から葉を覗かせて驚いたような表情を浮かべている。分厚い打掛を両肩に引掛け、中の着物の柄が見えるように前を大きく広げて立ち、右手で帯を押さえ、左手は胸前に当てる。打掛の両袖には菊と牡丹、背中には牡丹と蘭、両肩には亀甲文様がそれぞれ大きく描かれている。打掛の中には更紗風の唐草に菊花文様の小袖を着て、黒地の帯を締める。頭頂、両耳、鬢の結い目の左右に空気抜きの孔があり、底面の中心にも大きな孔がある。染付の暗い青、上絵の赤、紫、黄、緑、黒、金彩を用いて絢爛に装飾されている。(『IMARI/伊万里 ヨーロッパの宮殿を飾った日本磁器』サントリー美術館ほか、2014年)
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