かっとがらす ふたつき さとうつぼ
1676年頃、イギリスではジョージ・レイヴェンスクロフト[George Ravenscroft, 1632-83]によって、鉛クリスタル・ガラスが開発された。このガラスは、ヴェネチアのクリスタッロ、ボヘミアのカリ・クリスタル・ガラスよりも、一層透明度が高く、光の屈折度も高いもので、グラヴュールはもちろん、カットガラスにその特質を発揮した。バロック的な華やかさよりも、古典主義的な要素が好まれるようになった社会的嗜好を反映して、イギリスのカットガラスは重厚で厳粛な趣を携えている。こうしたイギリスのカットガラスは、同国の貴族生活に受け入れられたばかりでなく、ヨーロッパの宮廷社会においても、高く評価された。本作は、斜格子を深くカットし、その中に魚子文様を浅くカットしたストロベリー・ダイヤモンド・カットを基本とした器。このカット文様は、イギリス、アイルランドのカットガラスに多用され、後に薩摩切子にも取り入れられた。(『ガラスをめぐる4つのアプローチ―技法で見つめる西洋と東洋の名品』、サントリー美術館、2001年)
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