あいえいちえす くさばな らでん まきえ せいへいばこ
キリストの肉体としてのパンを入れる聖餅箱の遺品は、世界中でもそう多くなく、貴重なものである。本作は、印籠蓋造で上げ底とし、他作例から本来は懸子がついていたことが考えられるが、現在は残っていない。蓋表にイエズス会の紋章を、その周囲に幾何学的な鋸歯文を、金の平蒔絵と螺鈿によってあらわす。蓋鬘から身にかけて、絵梨地もまじえながら草花を描き、所々には蝶が舞う。このように草花の文様を側面に描きこむ文様構成は、聖餅箱の遺例中最も多い。螺鈿は不整形で、上から蒔絵によって細部が描き加えられ整えられるのは、簡便な技法を特徴とする南蛮漆器に多く見られるものである。(『南蛮美術の光と影 泰西王侯騎馬図屛風の謎』、サントリー美術館ほか、2011年)
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