あいいろ きんさい きりこ はち
このガラス器は、彫刻家の朝倉文夫氏の旧コレクションの一つで、大正10年(1921)に東京の島津家別邸で開かれた「陳列会」には薩摩切子として出陳されている。しかし、側面を大きく面取りし、口縁・高台側面・蓋表などにいずれにも共通する金彩を施していること、色ガラスの発色が同一であり、面取りの研磨面が粗い横筋をみせることなどから、イギリス製の舶載品とみられる。薩摩出来としてはあまりにも大振りで特異な器形であり、何よりも決定的なのは、比重の測定値により、鉛ガラス系統ではない点である。大正10年の「陳列会」の時点で、すでに薩摩切子の判定基準が、かなり曖昧であったことを示す好例といえよう。(『サントリー美術館所蔵 ガラスの精華』、サントリー美術館、1993年)
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