びじゅつ

【アートのまめちしき】国宝(こくほう)《浮線綾螺鈿蒔絵手箱(ふせんりょうらでんまきえてばこ)》がきれいになった!?

2017.05.23

 美術館(びじゅつかん)や博物館(はくぶつかん)の役割(やくわり)のひとつに、貴重(きちょう)な作品を未来(みらい)の人たちのために残(のこ)していくというお仕事があります。でも、作品はどんなに大切に保管(ほかん)していても、だんだん古くなってしまいます。すてきな作品はたくさんの人にみてもらいたいけれど、温度や湿度(しつど)、光にとても弱いし、空気にふれるだけでも傷(いた)んでいってしまうんです。

 みんながケガをしたら病院で手当をしてもらうように、作品も汚(よご)れや傷(きず)がひどくなってきたら、美術品を修理(しゅうり)する専門家(せんもんか)の手できれいにしてもらうことがあります。本来の価値(かち)を損(そこ)なわない範囲(はんい)で修復(しゅうふく)して、この先もずっと作品が残っていくように、守っているんです。

 「六本木開館10周年(しゅうねん)記念展(きねんてん) 国宝(こくほう)《浮線綾螺鈿蒔絵手箱(ふせんりょうらでんまきえてばこ)》修理後(しゅうりご)初公開(はつこうかい) 神の宝(たから)の玉手箱」展(てん)【2017年5月31日(水)~7月17日(月・祝)】で出品される「浮線綾螺鈿蒔絵手箱」は、約50年ぶりに修復をおこなってから初(はじ)めてみんなにみてもらう作品です。今回、きれいにしたことで、表面の金色がよりキラキラの状態(じょうたい)に戻(もど)りました。それに、修復するときに状態をくまなく調べるから、作品がどんなふうに作られているかを詳(くわ)しく知ることができるんです。展覧会(てんらんかい)でも、機械(きかい)を使って目に見えない部分まで調べた結果(けっか)が紹介(しょうかい)されるよ。

 こうして、専門家たちが力をあわせて、美術作品の健康(けんこう)状態を見守っているんです。

国宝 浮線綾螺鈿蒔絵手箱 鎌倉時代 13世紀 サントリー美術館国宝 浮線綾螺鈿蒔絵手箱 一合 鎌倉時代 13世紀 サントリー美術館